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sumikaの「はじまりの正体(商隊)を探る旅」、Live Tour 2018 “Starting Caravan”完遂!

sumika | 2018.07.27

 この日、ライブ後半のMCにて、片岡健太(Vo&Gt)は、今回のツアー名を『Starting Caravan』(「はじまりの商隊」)とした真意として、実は「はじまりの正体(商隊)を探る旅」があったことを告げた。その「はじまり」とは、今年結成5周年を迎えた彼らのここまでの軌跡とその活動原初の意。結果、彼らが歩みを始めてから、その5年先には、当初からは想像もつかなかった光景が広がり、大勢の人々に包まれていた。と同時に、ここまでみなと諦めずに共に歩み続けてきた、その最初の原動力や想いが、けして間違いではなく、むしろ予想以上に結実していたことを立証するに至った。そう、このツアーで彼らは、活動初期から最新まで、曲や振り返りのMCを含め、その歩みを顧み、が故のさらなる今後の飛躍を確信させた。
 以下は、そんなsumika初の全国ホールツアー『Live Tour 2018 "Starting Caravan"』のファイナル。ステージ上にてメンバー自身に、「これ以上の素晴らしい日はなかった!!」と言わしめた、大阪フェスティバルホールの記録だ。

 まだメンバーのいないステージには、大きなサーカステントが置かれ、その色が赤、オレンジ、黄、緑、水色、青、紫とファジーに変わっていく。この時点から、この日のライブへの誘いは始まっていた。
この日も登場SEとして彼らの楽曲「ピカソからの宅急便」が雄々しく流れ出す。テントが開き、sumikaの文字ときらびやかに下がっているモビール類が目を惹く。小川貴之(Key&Cho)、荒井智之(Dr&Cho)、黒田隼之介(Gt&Cho)、ゲストベーシストの井嶋啓介の順にメンバーが一人づつ袖よりステージに登場。各人ラグの敷かれた自身のフォーメーションに就く。ややズラして片岡も登場。ステ―ジ中央にて満場に向けて腕を広げ、「ようこそ」の感謝を示す。それはまるで、“この両腕で、この胸で、みなの想いを全て受け止めるから”、そんな気概のようにも映った。

 1曲目はマジカルさとカラフルさが特徴的な「MAGIC」。同曲の擁する陽気なラグタイム感が、楽しさと共にパーっと一瞬にして会場の隅々にまで広がり、同時に場内を優しくふわっと包み込んでいく。《目に留らない耳の住処で起こすよマジック》の歌詞も信憑性を含んで響き、これから繰り広げられるキャラバンへの期待をますます募らせる。ラグタイム感のある曲は続く。次の「Lovers」では、黒田のプレイにアクションやジェスチャーも交差。歌われる《ずっとずっと離れぬように》など、最後の最後まで会場全部を愛し抜いていくことを誓うかのような楽曲が、会場のみなの心をステージへとぐいっと惹き寄せていく。
このツアーはやはりこの5年間分の集大成。それを示すかのように初期曲「カルチャーショッカー」を会場の手拍子も交えて完成されていけば、「1.2.3..4.5.6」では会場のレスポンスを経て楽曲が育まれていく光景を見た。

荒井の打ち出す速めの4拍子のバスドラに、シャープな片岡のギター。オリジナルより前のめり気味に生まれ変わった「グライダースライダー」では彼らのポリティカルさも表に出、黒田の情景感溢れるギターソロも映える。短いインストを挟んでのラテンポップな「イナヅマ」では、片岡、黒田のアークティック的ギターユニゾンソロや、井嶋によるグルーヴィーなベースライン。そして、「これでどうだ!」と言わんばかりに黒田のステージ全面にせり出してのギターソロと、各人のプレイヤビリティも炸裂した。

「今日は5年間分のベストオブベストで挑む!」とは片岡。「大阪が好きだから、ツアーファイナルをやるに決まってるじゃん。限界を突破した向こう側を見せてやるから!!」と続け、ここからはアダルティな曲のゾーンへと入っていく。

「いいのに」では、ホーンの同期音も加わり、小川もグルーヴィーなオルガンをそこに重ね、楽曲が内包している「大好きな想い」を場内の一人ひとりに染み渡らせていく。また、小川の鍵盤と歌から入った「enn」では、小川が1番を歌い、2番は片岡が引き継ぐと言った歌のバリエーションも楽しめ、3番での2人によるツインボーカルには、さらにグッとさせられる。またシティポップ性を擁した「Summer Vacation」では片岡もハンドマイクで歌い、その独特のタイム感とグルーヴを味あわせてくれた。

 中盤では、ホールならではの座って楽しむパートも用意されていた。ここまで盛り上げてきた楽曲たちを経て、聴かせるブロックとも言うべきこのゾーンでは、片岡もアコギに持ち替え、暖かく、優しく、よりダイレクトに響いた「明日晴れるさ」、小川によるオルガンのノスタルジックな音色も交え歌われた「まいった」。そしてピアノと歌だけで綴られた「ほこり」を、シンプルながらこの上ない上質な気分や雰囲気をもって場内に染み渡らせていく。

 ここからは後半戦。「思いっきりsumikaを受け止める自信はありますか!!」とは片岡。「KOKYU」がウォーミングアップの口火を切り、テントが開き、中からカラフルなライトの数々が現れ、それが繚乱の体を見せる。続く、この時期にぴったりなタオル大旋回ナンバー「マイリッチサマーブルース」では、この日最大の真夏日を記録した。

 しかしここからの2曲は完全に、この日の会場全体をさらっていった。「ふっかつのじゅもん」「ペルソナ・プロムナード」と、彼らの中でも一体感には定評のある人気新旧曲が立て続けに連射されたからだ。軽快な裏打ちも交えたラガ&スカにしてグルーヴィなナンバー「ふっかつのじゅもん」では、まさに歌詞にある《会心の一撃見舞う》のフレーズが会場を強襲。会場側も負けじと呼応で応戦。共作の体を魅せれば、この日、一番の興奮を覚えた最新曲「ペルソナ・プロムナード」に於いては、会場からのリアクションとレスポンスも半端なく、共創の名場面が作り上げられていった。
本編ラストはストリングスの音色も加わり、最新曲「フィクション」が贈られた。ワンダーな世界を会場いっぱいに広げていった。最後には、《皆目、見当もつかないお生憎、見当はつけない》と歌われる歌詞以上の、想像もつかなかった美しい光景がそこに待っていた。

 アンコールでは、これからとこれまでの代表曲たちが力強く鳴らされた。最新曲の「下弦の月」ではアンニュイさと朝の何かが始まる感が溢れる、秘めたエモさに会場中が聴き浸った。“何があってもやめない!!”そんな気概を込めて歌われた「雨天決行」では、「結成時よりも命をかけて歌います」(片岡)の言葉を受け、曲に込めた決意や強い意志を5年間貫き、歩き通した先にキチンと待っていたことが、信憑性と共に集まった者たちの背中を強く押した。
正真正銘のラストは「「伝言歌」」。フロアもステージも関係なく、最後は全員で同曲を完成させていく。本人たち曰く、「これまでで一番」のこの曲が、5周年の集大成的なツアーを締めた。

「最初は空っぽのハコだけが用意され、“こうなったらいいな……”との想像の下、スタートしました。進めていくうちに純度の高いものだけを詰め込んでいき、最終的には本当にやりたいもの、好きなもの、笑えるものでいっぱいになったらいいなと思って進んでいきました」と、このツアー当初の想いや熱意は語ってくれたものの、肝心のその結果までは、この日の片岡は、あえて伝えなかった。しかし、そこには自分たちが想像や理想を遥かに超えた素晴らしいものたちばかりが詰め込まれ、それを擁し、最後までキャラバンし続けられた満足さや嬉しさがあったことは、この日、終始絶えることのなかった笑みや、嬉しさを隠し切れない表情からも十分に伺い知れた。

 今後もメンバーやみんなの希望や夢、励みや力を乗せてsumikaというキャラバンは続いていく。そして、その商隊はますます大きくなっていくことだろう。願わくば、あなたのその気持ちや想いも一緒に乗せて、今後も彼らと一緒に旅を続けて欲しい。sumikaは、そんな想いや願い、誓いや約束を背負い、今後も求める人の下に歩み、その求めていたものを差し出し続けていく、そんなバンド(商隊)なのだから。

【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:後藤壮太郎】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル sumika

リリース情報

ファンファーレ / 春夏秋冬

ファンファーレ / 春夏秋冬

2018年08月29日

SMR

01.ファンファーレ
02.春夏秋冬
03.ファンファーレ (Instrumental)
04.春夏秋冬 (Instrumental)

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セットリスト

Live Tour 2018 "Starting Caravan"
2018.7.18@大阪フェスティバルホール

  1. 1.MAGIC
  2. 2.Lovers
  3. 3.カルチャーショッカー
  4. 4.1.2.3..4.5.6
  5. 5.グライダースライダー
  6. 6.イナヅマ
  7. 7.いいのに
  8. 8.enn
  9. 9.Summer Vacation
  10. 10.明日晴れるさ
  11. 11.まいった
  12. 12.ほこり
  13. 13.KOKYU
  14. 14.マイリッチサマーブルース
  15. 15.ふっかつのじゅもん
  16. 16.ペルソナ・プロムナード
  17. 17.フィクション
  18.  Encore
  19. En-1.下弦の月
  20. En-2.雨天決行
  21. En-3.「伝言歌」

お知らせ

■ライブ情報

sumika 『ファンファーレ / 春夏秋冬』 Release Tour
10/28(日) [宮城] SENDAI GIGS
11/04(日) [北海道] ZEPP SAPPORO
11/07(水) [愛知] ZEPP NAGOYA
11/08(木) [愛知] ZEPP NAGOYA
11/14(水) [東京] ZEPP TOKYO
11/15(木) [東京] ZEPP TOKYO
11/25(日) [大阪] ZEPP OSAKA BAYSIDE
11/26(月) [大阪] ZEPP OSAKA BAYSIDE
11/30(金) [広島] BLUELIVE HIROSHIMA
12/04(火) [福岡] DRUM LOGOS
12/05(水) [福岡] DRUM LOGOS

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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