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BUCK-TICK 2018 Tour No.0 東京・国際フォーラムホールA

BUCK-TICK | 2018.08.09

 「BUCK-TICK 2018 Tour No.0」と銘打って3月末日からスタートした29公演にわたる全国ツアーが、7月26日に東京・国際フォーラムホールAでフィナーレを迎えた。最新作『No.0』で示した現在の彼らが伝えたいことを立体的に表した、デビュー30周年を締めくくる素晴らしいライブだった。

 開演前のステージには、思わせぶりに4つのオブジェが白幕に包まれている。SEが流れ何が起こるのかと固唾を飲んでいると、後方スクリーンに宇宙のような光景が浮かび上がり、機械の部品めいたものが飛んで何かを形作っていく。スチームパンクを意識したらしき映像に見とれていると、白幕にメンバーの影が揺らめいた。それがリアルなシルエットとなったと思うと、オープニング・ナンバー「零式13型「愛」」が始まった。白幕が落とされ、いつもの位置に今井寿(G)、星野英(G)、樋口豊(B)、ヤガミ・トール(D)がオブジェの中に立つ姿が浮かび上がると、後方から長いマントに身を包んだ櫻井敦司(Vo)が姿を見せた。重厚なサウンドと力強い歌が、これから始まる物語が一筋縄ではいかないと示唆していた。曲が終わる頃にスクリーンに映されたのは母子像。

 2次元と3次元、ヴァーチャルとリアルを駆使した圧倒的な幕開けだったが、このヴィジョンを彼らはそこにいる我々と共有するべくこのステージを作り上げたのだ。そのことは続く「美醜LOVE」のイントロで軽やかに左右の長い花道を走った今井と星野が言外に伝えていた。ヨハネの首を求めた「サロメ -femme fatale-」はステージが血色の照明に染まり、「Ophelia」はミレーが描いた川に浮かぶ乙女の姿が映し出された。それぞれの女性像を語り部のように描き出す櫻井の歌は、これまでになく絶品だ。そして今井がマグリットの絵画にインスパイアされたという「光の帝国」は緊張感のあるギターからダンサブルな4ツ打ちへ。樋口もステージ前方へ飛び出しオーディエンスを喜ばせた。

 中空に宇宙船のような光が浮かんだ「ノスタルジア -ヰタ メカニカリス-」は、今井とコーラスと、櫻井とのシャープな掛け合いが聴きもの。歌声と同様に目まぐるしく動く3人にオーディエンスは弄ばれる。前作『アトム 未来派 No.9』からの「PINOA ICCHIO -踊るアトム-」でさらに加速され、伸びやかな歌を聴かせた「メランコリア」は幻想をかきたてた。こうした少し前に発表されている曲が今のステージにジグソーパズルさながらにぴったり当てはまるのもBUCK-TICKのライブならでは。「IGNITER」はヤガミのドラミングに合わせて火柱が立ち上がり、その熱風を受けながら今井と櫻井が掛け合いで歌うのは見ものだった。
 
 そんな迫力のあるステージに続いた「残骸」「楽園」も示唆に富んでいた。特に「楽園」はハードなシングル・ヴァージョンをさらに重くした演奏で、後方のスクリーンにはアラベスク模様や廃墟になっていく街が浮かぶ。これに続いたのが「BABEL」。人間が共通言語を失った伝説と、BUCK-TICKの足跡を重ねてみたくなったのは私だけだろうか。喪失と創造。柔らかな言葉で人間の性を的確に歌った20年以上も前の曲が、新たな意味を含んで今また新たなリアリティを増していた。

 柔らかに歌う「Moon さよならを教えて」で和んだ空気を一転させた「ゲルニカの夜」は、暮らしていた街を失う少年を主人公にしたサンドアートの映像で曲のテーマをドラマチックに描いた。押さえた照明の中で歌う櫻井の情感豊かな声が映像と一体となって、この曲が持つ物語を深く伝えてきた。ライブにはこうした瞬間があるのだ。そんな息を飲む空気をさらに濃厚にしたのが、ラストを飾った「胎内回帰」。足を踏ん張り体を折り曲げリフレインを絶唱する櫻井からは、歌に込めた言葉を超えた思いが溢れ出していた。そして歌う彼の後方には子宮の中と、そこで未来を夢見る胎児の映像が浮かび上がっていた。輪廻のように物語は巡っていく。

 アンコールは遊び心満点の「GUSTAVE」から。黒留袖を羽織って現れた櫻井は猫手でオーディエンスと応酬し、今井は猫じゃらしを振り回したり加えたり。星野と樋口も猫のポーズでじゃれあって、ステージはさながら猫カフェに。パンキッシュな「薔薇色十字団 - Rosen Kreuzer -」ではステージ左右のスクリーンにも薔薇が咲き乱れ、「ROMANCE」ではストッキングに包んだ美脚を見せた櫻井がライザ・ミネリばりのポーズを決めた。ダブル・アンコールは懐かしい「NATIONAL MEDIA BOYS」が口火を切ったが、この曲も今回の構成にふさわしい曲と言えるだろう。続いた「REVOLVER」も恐ろしいほど今という未来を暗示する曲だった。

 ここでようやく櫻井が口を開いた。長いツアーをサポートしたスタッフへの感謝、彼らを迎えたファンへの感謝を述べ、「31年目に突入です、秋にはライブハウスツアーがあります。それまでみなさんお元気で。今日はどうもありがとう」と結んだ。最後の曲は「Solaris」。星野のアコースティック・ギターを軸にしたおおらかな演奏で、夢での再会を願って歌う櫻井の声はどこまでも伸びやかだった。

 ひとり、またひとりと手を振りステージを降りるメンバーを尻目にギターを弾き続けた今井が残したノイズは「零式13型「愛」」。そして誰もいなくなったステージには、冒頭に繋がる機械のパーツが映し出されていた。この続きは、10月から始まる「TOUR No.0 -Guernican Moon-」となるに違いない。

【取材・文:今井 智子】
【撮影:田中聖太郎写真事務所】






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リリース情報

LIVE DVD「THE PARADE ~30th anniversary~」通常盤

LIVE DVD「THE PARADE ~30th anniversary~」通常盤

2018年09月21日

ビクターエンタテインメント

■Disc1「THE PARADE ~30th anniversary~ FLY SIDE」
SE. THEME OF B-T
01. STEPPERS -PARADE-
02. PHYSICAL NEUROSE
03. 独壇場Beauty -R.I.P.-
04. 惡の華
05. 蜉蝣 -かげろう-
SE. -Rainy-
06. セレナーデ -愛しのアンブレラ-
07. 人魚 -mermaid-
08. GALAXY
09. ILLUSION
10. ボードレールで眠れない
11. 疾風のブレードランナー
12. Ash-ra
13. ミウ
14. Django!!! -眩惑のジャンゴ-
15. MISS TAKE ~僕はミス・テイク~
16. 夢魔-The Nightmare
17. MY EYES & YOUR EYES
18. LOVE PARADE
19. TO-SEARCH
20. FLY HIGH
21. DIABOLO
SE. PARADE after dark

■Disc2「THE PARADE ~30th anniversary~ HIGH SIDE」
SE. THEME OF B-T
01. FLY HIGH
02. Baby, I want you.
03. 真っ赤な夜
04. THE SEASIDE STORY
05. 薔薇色の日々
06. ORIENTAL LOVE STORY
07. スピード
08. RENDEZVOUS ~ランデヴー~
09. DADA DISCO - G J T H B K H T D -
10. Coyote
11. Cuba Libre
12. CLIMAX TOGETHER
13. 美 NEO Universe
14. DIABOLO
15. 無題
16. ...IN HEAVEN...
17. MOON LIGHT
18. LOVE PARADE
19. STEPPERS -PARADE-
20. Alice in Wonder Underground
21. New World
SE. PARADE after dark

セットリスト

BUCK-TICK 2018 TOUR No.0
2018.7.26@東京国際フォーラム ホールA

  1. SE
  2. 01.零式13型「愛」
  3. 02.美醜LOVE
  4. 03.サロメ - femme fatale -
  5. 04.Ophelia
  6. 05.光の帝国
  7. 06.ノスタルジア - ヰタ メカニカリス -
  8. 07.PINOA ICCHIO - 躍るアトム -
  9. 08.メランコリア-ELECTRIA-
  10. 09.IGNITER
  11. 10.残骸
  12. 11.楽園
  13. 12.BABEL
  14. 13.Moon さよならを教えて
  15. 14.ゲルニカの夜
  16. 15.胎内回帰
【ENCORE1】
  1. 01.GUSTAVE
  2. 02.薔薇色十字団 - Rosen Kreuzer -
  3. 03.ROMANCE
【ENCORE2】
  1. 01.NATIONAL MEDIA BOYS
  2. 02.REVOLVER
  3. 03.Solaris

お知らせ

■ライブ情報

TOUR No.0 - Guernican Moon -
10/13(土)[東京]マイナビBLITZ赤坂【ファンクラブ会員限定】
10/14(日)[東京]マイナビBLITZ赤坂【モバイルサイト会員限定】
10/20(土)[沖縄]ナムラホール
10/27(土)[宮城]仙台PIT
10/28(日)[宮城]仙台Rensa【ファンクラブ会員限定】
10/31(水)[新潟]新潟LOTS
11/3(土・祝)[北海道]Zepp Sapporo
11/10(土)[東京]豊洲PIT
11/11(日)[神奈川]CLUB CITTA’川崎
11/17(土)[愛知]Zepp Nagoya
11/18(日)[愛知]名古屋ダイアモンドホール【ファンクラブ会員限定】
11/23(金・祝)[大阪]Zepp Osaka Bayside
11/24(土)[大阪]大阪なんばHatch【ファンクラブ会員限定】
12/1(土)[広島]BLUE LIVE広島
12/2(日)[香川]高松festhalle
12/8(土)[東京]Zepp DiverCity(TOKYO)【ファンクラブ会員限定】
12/9(日)[東京]Zepp DiverCity(TOKYO)
12/15(土)[福岡]福岡DRUM LOGOS【ファンクラブ会員限定】
12/16(日)[福岡]Zepp Fukuoka
12/20(木)[熊本]熊本B/9 V1
12/22(土)[京都]KBSホール

Yagami Toll ~56th Birthday Live~ IT’S A NOW!2018
8/19(日) [東京]下北沢GARDEN

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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