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ポルカドットスティングレイ 雫の誕生日を盛大に祝った『ポルフェス30“教祖爆誕ワンマン”』

ポルカドットスティングレイ | 2018.11.01

「26歳になりました!」という雫(Vo& Gt)の言葉を合図に「夜明けのオレンジ」で幕を開けると、観客総出で飛び跳ねる光景を一瞬にして作り上げた。自身の誕生日を盛大に祝うべく、いきなりとんでもないパーティー空間を現出させるロケット・スタートぶりだ。その景色を目の当たりにして、今のポルカドットスティングレイ(以下ポルカ)の上り調子の勢いを再認識した。

 バンド主催による『ポルフェス30"教祖爆誕ワンマン"』が開催され、雫本人の誕生日ワンマン・ライブとしては今回で3度目を迎える。今日のチケットも瞬殺だったようで、会場には立錐の余地も見当たらない。ライブをやるたびに人気もキャパ(動員)も増やしているポルカだけど、これは当たり前でも、普通のことでもない。途轍もなく凄いことなのだ。常に衆目を集める仕掛けを作り、こちらの期待値を軽々と飛び越えて、ザワザワさせてくれる。そんなバンドはなかなかいないし、今日もハッと驚かせてくれる仕掛けが待ち受けていた。  

ライブに話を戻すと、2曲目にはバンドの名を一躍世に広めた代表曲「テレキャスター・ストライプ」が早くも炸裂。雫は天に伸びるようなハイトーンを響かせ、その脇を固めるエジマハルシ(Gt)、ウエムラユウキ(Ba)、ミツヤスカズマ(Dr)の楽器陣のアンサンブルは地に足を付けた攻めっぷり。サビでは観客を巻き込み、歌えや踊れのカオス状態で熱い一体感を生み出していた。3曲目「BLUE」をやり終えた頃には見知らぬ人の靴を手に掲げ、「落ちてますよー!」とアピールする観客の姿をあちこちで見かけた。序盤からフルストロットルで畳み掛ける演奏に、観客も必死で食らいつかなければいけない状況だ。

 改めてここで雫は26歳になったことを観客に告げた後、「ビビ(雫の飼い猫)は5歳、メジャーデビューして1年。大人のメジャーの色に染まったんじゃないかと思っている人へ、結成して最初に作った曲」と述べると、次は「ポルカドット・スティングレイ」に突入。曲中にベース~ドラム~ギターとリレー式にソロを挟む演出に観客も大興奮。その活気に油を注ぐように「お前ら休んでる暇はないぞ、かかって来いやー!」と雫は観客に喝を入れ、「シンクロニシカ」に雪崩れ込んでいく。エジマの高速カッティング・ギターがフロアを激しく揺れ動かし、また雫の変化に富む歌メロにもグッと惹き付けられた。

 ここから雰囲気をガラリと変えて、「ミドリ」を披露。暗めの照明の中で妖艶なメロディが舞い踊り、手数が多くもピタリと歌に寄り添うギターも聴き応え十分だった。それから一転、華のあるイントロで耳を引く「エレクトリック・パブリック」はノリのいいキャッチーな曲調も相まって観客は大フィーバー。「本日未明」を挟んだ後、熱量の高いエモーショナルな歌声を突きつける「サレンダー」も実に魅力的であった。

 ライブも中盤に差し掛かり、雫の気持ちはトップ・ギアに入る。「私の誕生日、祝う気はあるのか? ブチ殺しに来たぞー!」と気迫のこもった言葉を投げかけ、「パンドラボックス」をここで放つ。するとウエムラ&ミツヤスによる息の合ったリズム隊も苛烈さが増し、会場は狂熱のダンスフロアへと様変わり。言動も演奏もよりタフネスになり、新木場STUDIO COASTにいる観客全員を引っ張る豪気なサウンドにも圧倒された。しかし、曲が終わった後に「ブチ殺すとか言ったけど、そんなこと思ってないから!」とケロッとした表情で言い放つ雫。

 そして、「26歳になったから、パワーアップしなきゃ!」と、次の「半泣き黒猫団のテーマ」のリード・ギターを自ら弾き、観客を大いに沸かせる。それだけではない。曲中にウエムラが「誕生日おめでとうー!」とお祝いの言葉を発すると、「ありがとー!!」と雫は悲鳴にも似た大絶叫で返す。そんなバースデー仕様の爆裂的なテンションも、この日ならではの名場面と言っていいだろう。

 後半は愛くるしい歌声が魅力的な「少女のつづき」、ブルージーなギターにシビれる「フレミング」と立て続けにやると、本編ラストは明快なポップ性に満ちた「ショートショート」で締め括った。

 アンコールに入ると、11月頭にリリースされる1st DVD『秘密』の映像が流れ始める。これは雫がシナリオを手がけたオリジナル・ドラマで、女優の山田杏奈とお笑いトリオ・東京03の豊本明長が主演しており、そこに収録される新曲「ヒミツ」(映画『スマホを落としただけなのに』主題歌)のMVも公開された。全貌はまだわからないものの、綿密に凝った映像はファンならずとも楽しめる内容であり、つくづく音楽だけに止まらないメディア・ミックスに長けた演出効果には唸らざるを得ない。ファンの好奇心をさんざん刺激し尽くした後、その最新MV同様、メンバー全員が黒一色の衣装で登場して「ヒミツ」を初披露。大人びたクールさをキープしつつ、軽快なテンポ感で迫る曲調がまた新鮮で、じっくりと音源でも聴いてみたいと思わせるナンバーであった。

 それから最後の曲をやる前に雫は26年間の人生を振り返り、両親、メンバー、スタッフ、ファンのみんなに深々と感謝の意を表明すると、全精力を注ぐかのように「ICHIDAIJI」をプレイ。再びお祭り騒ぎのパーティー空間を作り上げ、自らの誕生日をここに集まった人たちすべてと共有する白熱のパフォーマンンスを叩き付けた。ビジュアル面に訴える仕掛け、ステージ・パフォーマンス、その両面においてどんどんスケール・アップを図るポルカのライブに観客も大満足で帰路に着いたことだろう。

【取材・文:荒金良介】
【撮影:AZUSA TAKADA】

tag一覧 J-POP ライブ 女性ボーカル ポルカドットスティングレイ

リリース情報

1st DVD『秘密』

1st DVD『秘密』

2018年11月07日

ユニバーサルミュージック

<収録内容>
・人類にさよならを
・生命力
・ヒミツ(#秘密にしといて ver.)
・独奏 / リスミー(朝7時 ver.)

セットリスト

ポルフェス30 “教祖爆誕ワンマン“
2018.10.15@新木場STUDIO COAST

  1. 01.夜明けのオレンジ
  2. 02.テレキャスター・ストライプ
  3. 03.BLUE
  4. 04.ポルカドット・スティングレイ
  5. 05.シンクロニシカ
  6. 06.ミドリ
  7. 07.エレクトリック・パブリック
  8. 08.本日未明
  9. 09.サレンダー
  10. 10.パンドラボックス
  11. 11.半泣き黒猫団のテーマ
  12. 12.少女のつづき
  13. 13.フレミング
  14. 14. ショートショート
  15. 【ENCORE】
  16. EN1.ヒミツ
  17. EN2.ICHIDAIJI

お知らせ

■ライブ情報

ポルカドットスティングレイ 2018 Zepp TOUR 秘密にしといて
12/2(日)ポルフェス31
“ #秘密にしといて ワンマン ” Zepp Osaka Bayside

12/7(金)ポルフェス32
“ #秘密にしといて ワンマン “ Zepp Tokyo

12/16(日)ポルフェス33
“ #秘密にしといて ワンマン “ Zepp Sapporo

12/20(木)ポルフェス34
“ #秘密にしといて ワンマン “ Zepp Nagoya

12/22(土)ポルフェス35
“ #秘密にしといて ワンマン “ Zepp Fukuoka


COUNTDOWN JAPAN 18/19
12/28(金)~31(月)
幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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