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Nulbarich全22曲約2時間に及ぶ初武道館ワンマンをレポート

Nulbarich | 2018.11.20

「Hey,武道館!やっちゃいますか?」とJQが言うと、煌びやかなテープが放出され、ど頭からクライマックスのごとき演出に驚いた。すかさず「Hometown」で幕を開けると、バンドメンバーはギタリスト3人、キーボード2人、ベース2人(ウッドベースとエレクトリックベース・シンセサイザーベースとエレクトリックベース)そしてドラムという大所帯を率い、JQはクールな歌声を響き渡らせる。そう、オープニングから自らの雰囲気を作り上げる手腕はさすが。Nulbarichにとって初の日本武道館ワンマン公演は、男女問わず幅広い世代の人たちが大挙して詰めかけ、多くの人たちを巻き込んでいた。結成から約2年で辿り着いた大舞台だけれど、自宅に招き入れるようなアットホームな空気を放ちつつ(*本人は緊張していたようだが)、細部まで血の通った歌と演奏で終始観る者を惹き付けていた。

 続く「It’s Who We Are」に入ると、自然とハンドクラップが起こり、リズムに合わせて体を動かす観客も増えていく。途中で「もういっちょ、やっちゃいますか?」とJQが声をかけると、渋めのギター・ソロが飛び出したりと、こうしたやり取りも観ていて楽しい。「最初から行かないと、終わっちゃうよ!」と煽った後は「Lipstick」へ。そこでも軽快なキーボード・ソロを挟んだりと、ノリのいいグルーヴ感にどんどん巻き込まれていく。
「ゴキゲンいかが? 夢を叶えてくれてありがとう!」と感謝の言葉を述べるJQ。それからウッドベースが印象的な「Handcuffed」を経て、「NEW ERA」では観客の大きなシンガロングが武道館に響き渡る。その景色にグッと来たのだろうか、「サブイボ!」と嬉しそうにリアクションするJQの表情も忘れられない一場面であった。その後もタメを効かせたリズムが心地いい「Spread Butter On My Bread」をプレイ。すると曲中に「後ろにいるフレンドもこの辺は好きなのでは?」と親密に話しかけ、場のムードを和ませる。それから「一緒に歌ってくれる人?」と呼びかけると、「On and On」では自らドラム・セットに座り、大所帯のメンバーとセッションを決める器用な側面も披露した。そして、引き続きドラム兼ヴォーカルを務める形で新曲「JUICE」をプレイ。アップテンポな明るい曲調にコーラス・ワークも冴え渡り、武道館においても抜群に映えていた。演奏を終えると、「ドラムの人って大変だね、汗が・・・。僕、もともとドラマーなんですよ」とさらっと告白。Nulbrichとして、いちドラマーとして、武道館に立てた喜びを隠さないJQの姿も微笑ましかった。

 そして、「Ordinary」では観客が頭上で手を激しく振り、場の一体感はより一層高まるばかり。「普段やらないし、アレンジも違う、ブチ上がる曲」と言うと、ここで「SMILE」に突入。ソウルフィーリングに溢れたポップな曲調がまた素晴しかった。ライブも後半に差し掛かるところで、アッパーな高揚感に満ち溢れた「Kiss You Back」が始まるや、観客もジャンプして騒ぎ出す至福の光景が広がっていく。レーザー光線が飛び交う派手な演出の中、JQも声を一段と張って歌い上げるパートもあり、力のこもったパフォーマンスにも魅了された。その盛り上がる熱気を「Zero Gravity」でも継承しながら、この日二曲目となる新曲「VOICE」も温かく迎えられ、裏声を巧みに使いこなすJQのヴォーカルに聴き入ってしまった。  終盤は「ain’t on the map yet」、「Follow Me」、「Almost There」と畳み掛け、武道館のスタンド後方まで観客はノリノリで騒いでいる。Nulbarichのサウンドに身も心も同化した濃厚な空気だけが立ち込めていた。「最高の時間でした、ありがとう! (武道館に吊るされた日の丸を指差しつつ)すげえんだよ、天井とかさ。これからも俺はまっすぐ前を向いて行く」とJQは言うと、ラスト曲「Heart Like a Pool」で本編を締め括った。

 アンコールに応えて、再びステージに現れると、JQは「まずは父ちゃん、母ちゃんに感謝。音楽に出会わせてくれた姉ちゃんにも。メンバーやみんなと出会えて・・・・もっとでけえところでやってやるよ」と野心を隠さない発言に観客もドッと沸いた。それから柔らかなメロディを敷いた「LIFE」をやり終えると、何度も頭を上げながら感謝の言葉を口にするJQ。音楽性はもちろんだが、こうした人柄にもたくさんの人が集まるのだろう。全22曲約2時間に及ぶ初の武道館ワンマンを経て、Nulbarichはますます自身の音楽性を大きく羽ばたかせていくに違いない。この場所で交わした観客との濃密なコミュニケーションは、次作にも反映されるのではないだろうか。

 ライブ終了後、映画のようにスクリーンにエンドロールが流れると、そこには来年2月6日にニュー・アルバムをリリースすること、3月からはワンマンによる全国ツアーも発表された。"謎のバンド"と形容されることも多かったNulbarichだが、ライブを通して感じた温かさ、優しさに満ちた楽曲はこれからもっと多くの人に届く可能性を秘めている。JQ本人も武道館に立つことができた感謝を胸に秘めつつ、それがまた作る音楽にもフィードバックされることだろう。最大級の期待を込めて、2019年のNulbarichも何かやらかしてくれそうだ。

【取材・文:荒金良介】
【撮影:岸田哲平 / 本田裕二】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル Nulbarich

リリース情報

Remixes(Digital remix EP)

Remixes(Digital remix EP)

2018年09月05日

ビクターエンタテインメント

1.Zero Gravity (Disco Fries Remix)
2.Almost There (Tobtok Remix)
3.Kiss You Back (Oliver Nelson Remix)
4.In Your Pocket(19th Ave. Remix)

セットリスト

Nulbarich ONE MAN LIVE at 日本武道館 -The Party is Over-
2018年11月2日(金) @東京・日本武道館

  1. 1 Hometown
  2. 2 It’s Who We Are
  3. 3 Lipstick
  4. 4 Handcuffed
  5. 5 Everybody Knows
  6. 6 NEW ERA
  7. 7 In Your Pocket
  8. 8 Spread Butter On My Bread
  9. 9 Supernova
  10. 10 On and On
  11. 11 SESSION
  12. 12 JUICE (NEW SONG)
  13. 13 Ordinary
  14. 14 SMILE
  15. 15 Kiss You Back
  16. 16 Zero Gravity
  17. 17 VOICE (新曲)
  18. 18 ain’t on the map yet
  19. 19 Follow Me
  20. 20 Almost There
  21. 21 Heart Like a Pool

  22. En1 LIFE

お知らせ

■ライブ情報

Nulbarich ONE MAN TOUR 2019 」
03/31(日) 仙台PIT
04/07(日) Zepp Sapporo
04/10(水) Zepp Osaka Bayside
04/13(土) BLUE LIVE
04/17(水) Zepp Nagoya
04/19(金) Zepp Fukuoka
04/20(土) festhalle
04/24(水) Zepp Tokyo
04/25(木) Zepp Tokyo

ツアーの詳細はこちらをご覧ください。
http://nulbarich.com/feature/tour2019

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