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レキシ史上最大規模にして全日即完『まんま日本ムキシばなし』追加公演

レキシ | 2019.02.08

“レキシって、活動当初からのスタイルやコンセプト、発したいことを一貫させながらも、そのままスケールアップし続けて来れた稀有なアーティストだったんだなぁ…”と、このライヴのアンコール中、過去の彼のステージでの雄姿の数々の去来と共に何度も思った。
これは決して、「あの頃と変わらない…」とは違った類い。キチンとその規模の拡大を進行させつつ、元来の芯や根の部分は常に変わらず。「思ったこと」「やりたいこと」「発したい」ことを、ある意味わがままに、唯我独尊に、コンセプチュアルに、程よく無軌道に演じつつも、クスりとした笑いや同感、納得や説得力を擁し、キチンと受け手とコミットしてきた、その彼のこれまでの活動や行動を指す。

 レキシが昨年11月より行ってきた全国18公演に渡るワンマンツアー『まんま日本ムキシばなし』の追加公演が1月22日、23日に横浜アリーナ、2月6日に大阪城ホールにて行われた。同ツアーは最大規模だったにも関わらず全日ソールドアウト。加えて、追加の3公演も全て早期完売を記録した。そんな中、1月22日の横浜アリーナの模様をお伝えしたい。

メローなソウルミュージックが会場をリラックスさせるように流れている中、法螺貝が場内に轟き渡り、ステージがライトで赤く染まる。いよいよ合戦の開始だ。とは言え、まずは某「まんが日本昔ばなし」に模した、レキシ=池田貴史実演、ロバートの秋山竜次共演の「天の岩戸」を彷彿とさせるイントロデュース映像が流れ出す。
それらが終わると同時に、バンドのデモンストレーション音が場内に響き渡る。電飾キラキラなステージとその頭上の巨大なミラーボールが回転し、きらびやかでまばゆい光のシャワーが場内に降り注ぐ中、まずは殿の衣装を着た池田がステージ後方上段から登城。満場とステージングのゴージャスさに改めて自身でも驚き、「スゲエなぁ」の一言を放つ。
オープニング曲はニューアルバム『ムキシ』から「SEGODON」。船出にはぴったりのスタートだ。まるで場内を福の国へと引き連れんとばかりに、♪SEGODON♪のコール&レスポンスも交え、まるで七福神を乗せた「宝船」に同舟した感を擁しライブが勢いよく走り出していく。続く紫のレーザー飛び交う中、こちらもニューアルバムから「なごん」に。TAKE島流し (武嶋 聡)と元妹子 (村上 基 from 在日ファンク) によるホーンもゴージャスに加わり、Gt:健介さん格さん(奥田健介from NONA REEVES)のギターやパーマネント奉行(真船勝博from FLOWER FLOWER)のベース、伊藤に行くならヒロブミ(伊藤大地)、鍵盤の元気出せ!遣唐使(渡和久from 風味堂)らが生み出す躍動感あふれるサウンドが広い場内の隅々にまで広がっていく。♪真っ暗な部屋から飛び出そう♪♪春はすぐそこって 気づいたんだ♪と謳われる同曲に、間もなくやってくるであろう、春の訪れを一足先に感じさせてもらう。最後は池田もビブラスラッパーをキメるも、好評につきサービスで何度も披露。場内を沸かせる。

ニューアルバムからの楽曲に続いてはゲスト陣を交えての曲たちが贈られた。「年貢 for you」では足軽先生こといとうせいこうが登場。このラブユーな気持ち君に届けとばかりに池田が歌い、セイコウがラップを絡ませる。流石は「熱血!スペシャ中学」時代からの古い付き合い。気の合ったコンビネーションを見せ、場内にラブリーなワイパーを育ませた。

「横浜アリーナだろうが、今日は好きなようにやらせてもらう」とは池田。続いては伊藤の派手なフィルインから<自分を見張っている忍者に恋してしまった歌>「Let’s 忍者」がシャカッチことハナレグミの永積タカシと共に贈られる。こちらもさすがは20年以上の付き合い。息のあったハーモニーを聴かせてくれた。加えて、永積のギター&ファルセットのコーラスも場内を魅了。パーカッション効いたメローなサウンドに会場もスウェイし、奥田の長めのギターソロもバシッとキマる。サービスには、この2人が在籍し、出自とも言えるSUPER BUTTER DOGの「FUNKYウーロン茶」も。次の「ペリーダンシング」に突入すると、会場中の数多くのミラーボールがファンキーなディスコサウンドと共にまばゆくカラフルに光の気泡を生み出し、スウィートな空間が広がっていく。その中で池田が気持ち良く歌えば、対して、「KMTR645」ではスカのリズムに乗り、恒例の無数のバルーンのイルカがアリーナに投げ込まれ、それらがお客さんの力も借り、会場をハネながら泳ぎ回っていく。

ここでお色直し。十二単(じゅうにひとえ)を着た、気分は紫式部の池田が再度ステージに登城。2019年3月に東京・大阪で上演されるレキシの名曲で綴るミュージカル、愛のレキシアター『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』にも出演する劇団シキブこと八嶋智人と共に「SHIKIBU」を歌う。

再びニューアルバムからの楽曲に戻る。「GET A NOTE」では目玉のおやじも登場。会場も同曲に合わせてタオルを振り、壮観な景色が味わえた。

ここでインターバル。今度は「鶴の恩返し」を模した映像が流れ、その後、美空●ばりを彷彿とさせる衣装に着替えた池田が現れ、ゆっくり「SAKOKU」を歌いながらステージへ。武嶋のサックスソロと共に同曲を悠々と歌えば、「奈良に大きな仏像」では再びミラーボール類も回り出し、高揚感を掻き立てると共に血沸き肉躍らさせる。そして、「KATOKU」では、会場も左右にワイパーを生み出し、本編最後はムーディに「きらきら武士」が。ミラーボールが作り出す満天の星空の下、メローに歌い始めるも、途中からド派手に華やかに豹変。金銀テープのキャノンも場内に放たれ、会場中からの武士の連呼とコール&レスポンスと共に場内に無数のキラキラとした表情と活気を育んでいった。

アンコール時の池田は石川五右衛門のいで立ちで登場。三浦大知ならぬ三浦ヤイチ(やついいちろう)と共に「GOEMON」を披露。グルーヴィなサウンドの中、月の明かりを盗みに行こうとファルセットも交え誘う。同曲では池田の華麗なステップも見どころであった。そして、場内の多くがこの瞬間を待っていたであろう「狩りから稲作へ」が。みなが隠し持ってきた無数の稲穂が美しい稲田を作り出す。再びいとうせいこうが呼び込まれ、気分は再び15年近く前の「熱血!スペシャ中学」時代へ。場内を巻き込みつつ、結局は独壇場にしてしまう強引さと求心力はさすが。場内のみなが楽しそうにレスポンスし続けていく。結局この日はサビの部分の応酬だけで20分を記録。どれだけ会場が大きくなろうがこのコミュニケーションや気持ちの距離感は変わらないことを立証してくれた。ラストは池田が山口百恵ばりにステージセンターに稲を置いて終了。袖へと消えた。

ダブルアンコールに応えてくれた彼ら。DA PUMPの「U.S.A」をオマージュした「I.N.A.」の映像と共にメンバー紹介と共に各位一人一人現れスタンバイ。イトウ、やつい、永積も交え、メローにニューアルバムから「マイ会津」を最後は聴かせ、感動的な名場面を作り出していく。♪君の固くなった心開いたんだ横アリで♪と歌い、それがオープニングの天の岩戸の映像と合致。最後はきっちり感動的なグラウンドフィナーレで締めてくれた。

いくらスケールアップしても変わらず、レキシはレキシ。わがままで独壇場ながらも、それが決して独りよがりや一方的、カリスマティックに映ることなく、キチンとエンタテインメントとして昇華され、集ったお客さんたちにコミット。しっかりと一緒に場を作り出す手腕は、この自身最大規模の会場でも変わることはなかった。
毎度のことながら今回も、会場を出る際にはなんだかよく分からないバイタリティや活力を与えてくれたレキシ。この日も不思議な活力が身体全体を包んでいるのを頼もしく誇らしく感じながら帰路についたのだった。

【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:田中聖太郎】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル レキシ

リリース情報

ムキシ

ムキシ

2018年09月26日

ビクターエンタテインメント

01.なごん
02.GOEMON feat. ビッグ門左衛門 (三浦大知)
03.GET A NOTE ~下駄の音ver.~
04.出島で待ってる
05.TAIROW ~キミが目指してんのは~ feat. カモン葵 (手嶌葵)
06.KATOKU
07.SEGODON
08.奈良に大きな仏像
09.SAKOKU feat. オシャレキシ (上原ひろみ)
10.マイ会津 feat. 足軽先生 (いとうせいこう)、シャカッチ (ハナレグミ)

セットリスト

「レキシ TOUR2019 まんま日本ムキシばなし」
2019.1.22@横浜アリーナ

  1. 1.SEGODON
  2. 2.なごん
  3. 3.年貢 for you
  4. 4.Let’s 忍者 
  5. 5.ペリーダンシング
  6. 6.KMTR645
  7. 7.SHIKIBU
  8. 8.GET A NOTE
  9. 9.SAKOKU
  10. 10.奈良に大きな仏像
  11. 11.KATOKU
  12. 12.きらきら武士 【ENCORE】
  13. EN-1.GOEMON
  14. EN-2.狩りから稲作へ
  15. EN-3.マイ会津

お知らせ

■ライブ情報

「特別公演~豪華絢爛レキシ歌絵巻~」
05/05(日) わくわくホリデーホール 大ホール
05/07(火) 東京国際フォーラム ホールA
05/09(木) オリックス劇場
05/10(金) オリックス劇場
05/13(月) 中野サンプラザホール
05/15(水) 愛知県芸術劇場大ホール
05/17(金) 東京エレクトロンホール宮城
05/20(月) 福岡市民会館
05/21(火) 岡山市民会館

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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