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Survive Said The Prophet、全公演ソールドのツアーファイナル東京公演をレポート!

Survive Said The Prophet | 2019.02.18

 熱いライブだった。そして、とても深いライブでもあった。この日、この瞬間の熱狂をとことん楽しませることはもちろんだが、渾身の熱演を通して、バンドが持つバックグラウンドまでも見せつけるという意味で、とても見応えある2時間だった。もちろん、この1回のライブで、サバプロことSurvive Said The Prophetのすべてがわかったとは思わない。しかし、この日、筆者は彼らがこれまでどんなふうに活動してきて、そして、これからどんなふうに活動していこうと考えているのか、バンドの信条、哲学とも言える想いを、音楽に取り組む情熱とともにはっきりと感じた。

 昨年9月にメジャー・レーベルからリリースした4th アルバム『s p a c e [ s ]』をひっさげ、同年10月から全国26都市27公演(追加公演を含めると28公演)を開催した『s p a c e [ s ] TOUR 2018-19』は、ぐんと上がった彼らに対する注目を反映するようにツアー・ファイナルとなる、このマイナビBLITZ赤坂公演も含め、ワンマンシリーズは全公演がソールドアウト。ライブの中頃、Yosh(Vo)がこの日のチケットが何ヶ月も前にソールドアウトしたことを伝え、感謝の気持ちを述べると、会場中から大きな拍手が起こり、バンドのスケールアップを称えた。

 ピアノをフィーチャーしたインストの「s p a c e [ s ]」をYoshが奏でる中、メンバーがステージに現れるやいなや、ステージに押し寄せはじめた観客に食らえ! とばかりにライブは「T R A N S l a t e d」でスタート。モダンなR&Bとポスト・ハードコアの見事な折衷と言えるその曲には、伸びやかなYoshのヴォーカル、ラウド・ロックの醍醐味をたっぷりと味わわせるShow(Dr)、Tatsuya(Gt)、Yudai(Ba&Vo)、Ivan(Gt)の演奏、そしてYudaiによる激しいスクリームというサバプロの魅力の数々が凝縮されているんだから、暴れたくてウズウズしていた観客の気持ちに火がつかないわけがない。

 ハンド・クラップ、ヘッド・バンギング、ダイヴ、ジャンプ、そしてシンガロング――ドラマチックな展開に応える観客のアクションもいきなりのフルコース。それは「跳べ! 跳べ! 跳べ! 跳べ!」とYoshが煽りながら、間髪入れずにつなげた「Fool’s gold」でも変わらない。「来いよ!」というYoshに応え、観客がYoshと掛け合うようにシンガロングをキメると、「サバプロのリスナーは、いい声してるな」とYoshは思わずニヤリ。そこから一転、「俺とおまえら、どっちが踊れるか試してみようか?」とYoshが呼びかけた「HI | LOW」、ピアノを同期で鳴らした「The Happy Song」と今度はR&B色濃い2曲をたたみかける。ともに観客がシンガロングの声を上げたが、「The Happy Song」では、バンドの演奏が止まって、観客のシンガロングが会場全体に響きわたるというなんとも心憎い瞬間も。 

 この日、彼らが演奏したのは『s p a c e [ s ]』の全曲にライブの定番曲を加えた全25曲。メンバーたちが意識しているのか、していないのか。どの曲にも何かしら、観客がアクションを起こして、ライブに参加できる要素が加えられている。観客を、ただただ棒立ちにして、置いてけぼりにするような曲は、この日のライブを見るかぎり、サバプロには1曲もない。

 中でも最も印象に残ったのが、観客のシンガロングの多さだ。現在、ライブ・シーンでは多くのバンドが観客のシンガロングを、ライブの一体感の象徴と考え、シンガロング・パートを持った曲を作り、ライブでは客席にシンガロングを求めているが、ここまで観客が歌うバンドが他にいるだろうか。ひょっとしたら、ほぼ全曲!? しかも、ただ単にサビを歌うだけに止まらず、Yoshとの掛け合いも含め、サバプロの観客は、どこで歌えばいいのかちゃんとそのタイミングを心得ているんだから、彼らがどれだけその楽曲に愛着を感じているかが窺える。

 前述した「The Happy Song」はもちろん、「If You Really Want To」のアコースティック・パートのコール&レスポンス、「IをWeと歌うと宗教みたいになっちゃうけど、1人で歌っても意味がない。俺はそう信じてるからWeと歌います。信じてる奴は一緒に歌ってください」と語ったYoshに応え、全員が拳を上げ、《We are the light/We are the future》と歌った「Spectrum」、そしてYoshと観客の掛け合いが本編の最後を盛り上げた「Network System」など、ライブにおけるバンドとファンの濃密な交歓は決して一朝一夕になしえたものではない。そもそもサバプロにはアンセミックな曲が多いとは言え、彼らがこれまで、どんな想いの下、どんなふうにライブ活動を続けてきたのか、鳴り止まない観客のシンガロングの声を聴きながら、筆者はバンドの軌跡に思いを馳せずにいられなかった。

 シンガロングに加え、ダイヴ、さらにはサークル・ピットでバンドの熱演に応える観客に「ワオ! それしか出てこない。照明さん、(客席を)見せてください。スピリットを下から感じてます」と語ったYoshは、「音楽を大切していきたい。その気持ちを大事にしながら音楽を作っていきたい。そして、音楽が純粋に好きな人たちにもっと出会いたい」と夢を語ると、未音源化にもかかわらず(いや、だからこそか)、ファンの間で人気の高いアコースティック・バラードの「3.a.m.」から「UPLIFTED」「s t i l l b e l i e v e」と彼らの楽曲が持つ壮大さを印象づける2曲を、ラストスパートに向け、つなげる。包容力のある歌声と演奏が観客を釘づけにした「s t i l l b e l i e v e」では頭上で回るミラーボールと観客が掲げるスマホが眩い光を放つ光景に感極まったのか、Yoshは「バンド結成10周年を迎える2021年に、この景色を日本武道館でやろうと思います!」と思わず宣言。客席から大きな歓声が沸いたことは言うまでもない。

 観客を巻き込み、そして、バンドと観客が一つになって、ライブの規模を大きなものにしてきた歩みががぜん勢い増しはじめた今現在のサバプロにとって、それは決して大それた夢じゃない。

 この日、アンコールで「Heroine」と「Bridges」という新曲を披露した彼らは、その2曲を収録した会場限定シングル「Common Sense」を、“チケットを早めに買ってソールドアウトにしてくれた1人1人を大切にしたい”という気持ちから、この日の終演後と2月16日に恵比寿LIQIDROOMで行われた追加公演だけでゲリラリリースした。それは音楽がどこでも手に入ってしまう時代だからこそ、“ライブに来ることがかっこいい。何かにこだわることがかっこいい”という彼らのメッセージでもあるわけだが、当然、そこには自分たちは筋金入りのライブ・バンドだという自負があるはずだ。

 それは昨年9月、彼らがZepp DiverCity(TOKYO)で行った限定フリー・ライブを、ライブに足を運べない人にも自分たちのライブを体感してほしいとVRコンテンツ化したことからも窺えたが(この日、ライブ前に会場では、そのVRコンテンツの特別無料体験「Survive Said The Prophet VR EXPERIENCE VR 体験会」が開催された)、3月26日から「Now more than ever Tour」と題して、Newspeakとともに47都道府県をツアーすることも発表。タイトル・コールが観客に声を上げさせた「Listening」でライブを締めくくる前に“世界制覇って言っても、ホームがないと世界に出られない。日本でまだまだ勉強することがあります”とYoshはその意気込みを語った。

 演奏をただ楽しませるだけではなく、音楽に心血を注ぐバンドの生き方までも見せつけるサバプロは、鳴り止まないシンガロングの輪の中に、もっともっと多くの人たちを巻き込んでいくにちがいない。

【撮影:toya】
【撮影:Kawado】
【取材・文:山口智男】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル Survive Said The Prophet

リリース情報

s p a c e [ s ]

s p a c e [ s ]

2018年09月26日

ZESTONE RECORDS

01. s p a c e [ s ]
02. T R A N S l a t e d
03. S P I N E
04. Right and Left
05. found & lost
06. p a c e s [ s ]
07. NE:ONE
08. The Happy Song
09. UPLIFTED
10. s t i l l b e l i e v e

セットリスト

■ライブ情報

『Now more than ever Tour』
03/26(火) 千葉 千葉LOOK
03/27(水) 山梨 甲府 CONVICTION
03/29(金) 福井 福井CHOP
03/30(土) 富山 SOULPOWER
03/31(日) 京都 KYOTO MUSE
05/02(火) 新潟 CLUB RIVERST
05/03(水) 石川 金沢vanvan V4
05/05(金) 長野 松本ALECX
05/10(水) 滋賀 b-flat
05/11(木) 兵庫 神戸VARIT
05/13(土) 和歌山 GATE
05/14(日) 奈良 NEVERLAND
05/16(火) 岡山 IMAGE
05/17(水) 広島 SECOND CRUTCH
05/19(金) 山口 周南LIVE rise
05/20(土) 島根 出雲アポロ
05/21(日) 鳥取 米子laughs
05/23(火) 大分 大分club SPOT
05/24(水) 福岡 福岡Queblick
05/26(金) 愛媛 サロンキティ
05/27(土) 徳島 GRINDHOUSE
05/28(日) 高知 X-pt.
05/30(火) 香川 高松 DIME
05/07(火) 岐阜 柳ヶ瀬ants
05/09(木) 大阪 梅田クラブクアトロ
05/10(金) 愛知 名古屋クラブクアトロ
05/11(土) 三重 四日市CLUB CHAOS
05/13(月) 群馬 高崎FLEEZ
05/14(火) 埼玉 越谷EASY GOINGS
05/17(金) 東京 渋谷クラブクアトロ
05/23(木) 青森 八戸LIVE HOUSE FOR ME
05/24(金) 岩手 盛岡CLUB CHANGE WAVE
05/28(火) 山形 山形ミュージック昭和Seission
05/29(水) 福島 郡山CLUB #9
05/30(木) 宮城 仙台darwin
06/01(土) 秋田 秋田club SWINDLE
06/04(火) 北海道 cube garden
06/08(土) 沖縄 Output
06/14(金) 茨城 水戸ライトハウス
06/18(火) 長崎 長崎アストロスペース
06/19(水) 佐賀 GEILS
06/21(金) 宮崎 SR BOX
06/22(土) 鹿児島 SR HALL
06/23(日) 熊本 Django
06/25(火) 栃木 HEAVEN’S ROCK 宇都宮
06/26(水) 神奈川 横浜F.A.D
06/28(金) 静岡 Sunash
w/Newspeak
チケット料金:¥3,500(税込・ドリンク代別)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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