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THE BEAT GARDEN ONE MAN LIVE 2019 「move on !!!!」 ライブレポート

THE BEAT GARDEN | 2019.02.20

 前日の雪模様が嘘みたいに綺麗に晴れた。まるで空もこの日を待ち侘びていたみたいだ。ついに迎えた2月10日(日) THE BEAT GARDEN ONE MAN LIVE 2019「move on !!!!」。会場の東京・恵比寿LIQUIDROOMはフロアの最後方まで詰めかけた観客でみっしりと埋め尽くされ、「もう少し前に」と場内スタッフがひっきりなしに促している。なにせ1年5ヵ月ぶりのワンマンライブだ。チケットはもちろん即日ソールドアウト。メンバーのDJ SATORUがこの日のために選曲したというBGMにオーディエンスのさざめきが混じって、確実に高まりゆく期待感。曲がShawn Mendesの「ホールディン・ミー・バック」に切り替わった頃、開演を告げるアナウンスが興奮を一気に押し上げた。

 オープニングを飾ったのは「本当の声で」だ。歌に込められているのは、自身の抱える不安も未来への渇望もまるごとさらけ出し、それでも夢にまっすぐ手を伸ばす等身大の彼ら。そのリアルな姿が今、生身の躍動感とともに目の前に迫る。この曲を1曲目に選んだのは今日に懸けた4人の覚悟と、ワンマンライブだからこそ全身全霊、ありのままの自分たちで臨むという決意の表明だろう。昨年3月にリリースした5枚目のシングル「僕がいる未来」で彼らが辿り着いた“届けたい”というシンプルな想い。それはデビュー2周年を目前にやっと気づいた、グループにとってもっとも大切な答えでもあったはずだ。飾らず、ありのままの気持ちをありのままの言葉で伝えたい、聴いてくれたひとり一人の心に残る音楽を作って届けたい。そうした想いを新たな原動力として着実に歩を進めてきた彼らの“今”が目映くはじける。

 一転、アグレッシヴに攻め込んだ「Satisfaction」ではREIが自分のパートを歌い終えるなりジャケットの下のインナーを捲り上げ、ちらりと素肌を見せる一瞬も。扇情的な歌詞と相俟った、その小悪魔的パフォーマンスの破壊力たるやなんと凄まじい。続く「answer」ではすっかりお馴染みとなった振り付けを1000人が彼らと一緒になって踊り、早くも場内には盤石な一体感が生まれた。さらに「Fly Me High」を畳み掛け、容赦なく熱狂の火に油を注いだ直後、またガラリと雰囲気を変えて朗々と響かせた最新シングル曲「そんな日々が続いていくこと」の説得力と言ったらなかった。U、MASATOによるAメロのリレー、REIのBメロを追いかけてUの声が重なり、サビで3声が合流するというボーカルワークの妙。歌に連動して互いに向かい合ったり、それぞれに立ち位置を入れ替わったり、動きのひとつ一つも研ぎ澄まされて、耳だけでなく目にも鮮やかに訴えかけてくる。

 この曲に限らず、この日のライブ全編を通じて唸らされたのは“魅せる”ことに対する並ならない意識。歌のみならずステージングにも彼らの“届けたい”という意志が反映されていると思えた。例えば胸の真ん中でギュッとマイクを握りしめたMASATOを中央にして上手側のREIは右手を、下手側のUは左手を大きく外に開いて見事な線対称を体現した「花火」でのワンシーンも然り。激突上等!な勢いで感じるままビートに身を躍らせていた初期の、枠にはまらない荒削りなパフォーマンスもTHE BEAT GARDENの持ち味であり、大きな魅力のひとつだが、それを踏まえた上で洗練を目指した今日のステージには素直に目を見張ってしまう。4人が昨年立ち上げた主宰イベント“KOKOROZASHI ALIVE”でもそうした変化を肌で感じてはいたが、もはや格段の進化だ。そして彼らを進化させたのは他でもなく、彼らが“Beemer”と親愛を込めて呼ぶファンの存在だろう。“魅せる”も“届ける”も詰まるところは相手ありき。壇上の彼らが進んで自らを開いて手を伸ばしてくれるから、フロアのオーディエンスも構えることなく自然にその手を取ることができる。そうして取り合った手と手が次々に繋がり、大きなひとつの輪を作る。そんな健やかな相乗効果がこの日のライブをいっそうかけがえのないものにしている。

「“move on !!!!”というタイトルは、いつも応援してくれてるBeemerのみんなとこれからも前進していきたいという4人の想いを込めてつけました。今日のこのライブでまた新しいスタートが切れるような、そんなライブにしたいと思います!」

 そう語るMASATOに場内が喝采で沸く。4つの“!”がきっと4人の想いの現われだろう。MASATOとUの漫才みたいなやり取りから改めましての自己紹介、さらにはせっかくのワンマンだから、と各自これまでに公にしてこなかった新しいプロフィールが明かされるなどスペシャル感も満載。ただし、それぞれが何を公表したかはライブの現場のお楽しみ、ここでは触れずにおくとしよう。そんな和気藹々の親密ムードの中、「音楽でもさらに吹っ切れていきたいなと思いまして、THE BEAT GARDEN最強のおバカソングを持ってまいりました」とUが切り出して初披露されたのは、3月20日にリリース予定のニューアルバム『メッセージ』に収録の新曲「ダンシング・マン」だ。70年代を彷彿させるファンキーなディスコチューンに乗って、肘をギュッと締めてはワキワキと動かしてみせたりボックスステップを踏んだりとお茶目に歌い踊るメンバー。SATORUもここぞとばかりに前に出て、MASATOのマイクを奪ってはその美声を聴かせるなど(なのに返すときにはお互いに小ちゃく会釈を交わすという可愛らしさ)、まさに“おバカ”炸裂の新境地を見せつける。片や「サイドディッシュ」では完成度の高いグルーヴ感でオーディエンスをソウルフルに揺らすのだから、たまらない。

 MASATOがアコースティックギター、REIがキーボードを弾くというワンマンライブでは初のスタイルで届けられた「Just Before Dawn」。後ろからそっと見守っては気持ちを託すSATORUの視線も楽曲の大切な一要素となって演奏を支え、Uの温もりに満ちた歌声はふくよかにフロアを包み込む。僕らにとって大切なあなただから、あなたはあなた以外いないからどうか自分を大切にしてほしい、と心を込めて歌われた「あのね」の嘘のないやさしさも、伸びやかなスケール感をたたえた「Promise you」の多幸感も、いつに増して今日は浸透力が高い。デビューして2年半、たくさんの勇気を力をくれたみんなに恩返しがしたくて彼らが初めて書いたという応援歌であり、来たるニューアルバムのタイトルソングでもある「メッセージ」のタフで真摯な推進力と、それに応えて鳴り渡る満場のハンドクラップには思わず涙腺が緩んでしまった。なんと頼もしく、美しいのだろうか。

「全然諦めてないんだ。日本武道館も立ちたいし、大阪城ホールも立ちたいし、東京ドームだって本当にやりたい。でも秘策とか、そんなのは全然なくて。自分たちの音楽と想いがひとり一人にちゃんと伝わって、みんなに届いたときにそれは叶うものなんだと思ってます。それが僕たちの目標です」

 フロア一面にタオルが回った「FLOWER」からの終盤戦を一気に駆け抜け、アンコールに応えて「BAD THE NIGHT」でめいっぱいに会場を盛り上げたあとにUは決然とした口調で思いの丈を口にした。そして「Beemerのみんなも仲間同士、隣の人からでいいから、これからも支え合って思い合ってほしい」と語りかけ、「今日みたいな笑顔の空間をこれからも一緒に作っていきたい」と続けて、「みんなへ」。4人の願いがここに集まった1000人の手のひら、ひとつ一つに渡されてゆく。感極まったのだろうか、一瞬、歌詞を忘れてしまうU。しかし、すぐさまMASATOが代わりにその一節を歌って、Uの想いを繋ぐという場面もあった。ステージとフロアがひとつに溶け合った♪La la la la...”の大合唱が空間を震わせる。

「ラスト! Beemer、行こうか!」

 勢いよく迸る「Never End」、デビューシングルの色褪せない情熱がワンマンライブを大団円に導く。しんみりとは終わらせないその矜持、なぜなら“この道は続いていく”からだ。5月からはTHE BEAT GARDEN史上最大規模のワンマンツアーが開催されるという嬉しいニュースも届けられたこの日。名残惜しそうにしてステージを降りていく4人の背中の、その先にはっきりと見えた光景はいつかきっと現実になるだろう。未来に向かう彼らの歩みを、一歩たりと見逃してはならない。

【取材・文:本間夕子】
【撮影:Daisuke Sakai(FYD Inc.) 】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル THE BEAT GARDEN

リリース情報

そんな日々が続いていくこと

そんな日々が続いていくこと

2018年11月28日

ユニバーサルシグマ

1. そんな日々が続いていくこと
2. 本当の声で
3. みんなへ
4. そんな日々が続いていくこと (Instrumental)
5. 本当の声で (Instrumental)
6. みんなへ (Instrumental)

セットリスト

ONE MAN LIVE 2019「move on !!!!」
2019.2.10@恵比寿LIQUIDROOM

  1. 1. 本当の声で
  2. 2. Satisfaction
  3. 3. answer
  4. 4. Fly Me High
  5. 5. そんな日々が続いていくこと
  6. 6. 花火
  7. 7. ダンシング・マン
  8. 8. サイドディッシュ
  9. 9. 君は知らない
  10. 10. Just Before Dawn
  11. 11. 僕がいる未来
  12. 12. あのね
  13. 13. 君がいるから
  14. 14. Promise you
  15. 15. メッセージ
  16. 16. FLOWER
  17. 17. WELCOME TO THE NEW WORLD
  18. 18. Sky Drive
  19. 《ENCORE》
  20. EN-1. みんなへ
  21. EN-2. BAD THE NIGHT
  22. EN-3. Never End

お知らせ

■ライブ情報

THE BEAT GARDEN one man live tour 2019 「Message」
05/05(日)【東京】TSUTAYA O-WEST
05/24(金)【大阪】梅田CLUB QUATTRO
06/15(土)【愛知】名古屋RAD HALL
06/29(土)【岡山】岡山IMAGE
07/13(土)【宮城】仙台MACANA
07/21(日)【香川】高松DIME

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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