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SUPER BEAVER 初のホール・ツアー 初の中野サンプラザ公演をレポート!

SUPER BEAVER | 2019.04.19

「最初は手応えがわからなかった」

 ライブ後の関係者挨拶時に渋谷龍太(Vo)はそう零していた。百戦錬磨のライブ・バンド、SUPER BEAVERにとっても未知の空間や場所にチャレンジする際は、そういう心境に陥るものなのか。自信と不安は紙一重、あるいは表裏一体の中で今日のパフォーマンスを行っていたのかもしれない。ただ、「最初は・・・」と口にしていたということは中盤、後半にかけては徐々に手応えを得ながら、やり切ることができたのだろう。今度取材した際にはホール・ツアーの感触をじっくり聞いてみたいものだ。

 SUPER BEAVERの全国ツアー「都会のラクダ"ホール&ライブハウス"TOUR 2019 ~立ちと座りと、ラクダ放題~」は、3月5日を皮切りにツアー・タイトル通りにホールとライブハウスと会場のタイプを固定化せずに開催。それが10月まで続くという大掛かりなツアーである。

 そして、今日は中野サンプラザ公演2デイズの初日を迎え、バンド的にもこれが初のホール公演という貴重な場面に立ち会うことになった。

 これまでZepp Tokyo、豊洲PiT、幕張メッセ(イベントなど)、日本武道館など、大きな会場で観る機会も増えてきたSUPER BEAVER。武道館は例外として、彼らはスタンディング形式のライブハウスにこだわり続けてきたバンドである。今回は座席指定であり、中野サンプラザと言えば築46年目に突入した由緒正しきコンサート・ホールのひとつ。そこでどんなライブを繰り広げてくれるのか。ここに集まった観客の多く人たちがいつものSUPER BEAVERを期待する一方で、いつもとは違う何かを求めて足を運んだに違いない。

 そして、1曲目が始まった瞬間から息を飲んだ。いままでに味わったことが緊張感が体中を駆け巡る。これがホールで彼らを体験することなのかと思い、心臓が早鐘を打つように踊った。渋谷が声を発する前に息を吸い込む音さえもマイクは丁寧に拾い上げる。それから透明度の高い凛とした歌声が会場いっぱいに解き放たれると、すぐ隣で、耳元で歌われているような感覚に襲われた。いままで以上に「近さ」を感じずにはいられなかったのだ。柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原"30才"広明(Dr)の楽器陣3人の演奏も同様である。個々の音色は粒立ち鮮やかで、より立体感を帯びて迫ってくる。一人ひとりの奏でる音がSUPER BEAVERという音楽を形作っている。そんな根本部分を炙り出すようなリアルな手触りを感じるバンド・サウンドに新鮮な衝撃を受けた。もっと早くホール会場でやってくれたら良かったのに、とワガママを言いたくなるほどの至福の体験が待っていた。

 裏を返せば、勢いでごまかすことはできないし、ミスをすればすぐにわかってしまうマイナス面もホールという会場には潜んでいる。当然、バンド側もそれは織り込み済みだろう。

 昨年11月にリリースした最新シングル「予感」取材時に「音楽の精度を純粋に上げていきたい」(渋谷)、「勢いのあるライブだけで聴かせるには限界がある。土台をより強固にしていきたい」(柳沢)

 その発言からも明らかだが、メンバー自身は次のステージを見据えて、日々切磋琢磨していることが伝わってきた。ライブハウスからホールへ、会場のタイプや規模感に左右されず、変わらない自分たちを届けるために変わり続けるバンドの姿を垣間見た。

 SUPER BEAVERは常に「1対1」のコミュニケーションを求めてくる。この日も渋谷は「1対1だろ?」と観客に熱く呼びかけていた。集団や集合ではなく、ひとり一人の心に、魂に届けたいんだ!という意志は絶対に曲げない。それゆえにライブハウスにこだわり続けてきた側面もあると思う。ホールではお客さんとの間に距離が生じ、「1対1」の関係性を維持できない。そんな不安もあったのではないか。しかし、どうだろう。ホールという物質的な距離感は、言ってしまえば心の距離感に置き換えることもできる。自分たちの届けたいという強い意志があれば、また、届けるための努力を怠らなければ、ライブハウスだろうと、ホールだろうと、あなたの心を揺さぶることができる。SUPER BEAVERはそのとば口に遂に立ったのだ。 「初めてのホール、めちゃくちゃ気持ちいい!(開演前に)客側にも行ったけど、めちゃくちゃ見やすいでしょ?」(柳沢)、「弾きながら、気持ちいいなあと思って」(上杉)、「(会場が)めちゃくちゃ見やすい!」(藤原)

 メンバーも初のホールにテンションが上がっており、その心臓の高鳴りも演奏を勢いづかせていた。ライブハウス以上の熱気を持ち込む場面もあれば、ライブハウスとは一線を画す空気感を作り上げて、多くの観客を魅了する一幕もあった。けれど、変わらずこの日も「俺たちの音楽と対峙してくれる人のために、心の真ん中に届ける」(渋谷)ことを有言実行した彼ら。

 ライブの全行程を終え、万雷の拍手が中野サンプラザに鳴り響く。その光景こそが、初のホール公演の成功を物語っていたように思う。とはいえ、ツアーはまだ始まったばかりだ。今ツアーを通して、SUPER BEAVERはさらに人間力と表現力、スキルとアプローチに磨きを掛けていくだろう。それを想像するだけで、末恐ろしくなってくる。バンドにとっても、観客にとっても、未体験かつ刺激的なツアーになることは間違いない。とにかく、ほどよい緊張感をはらんだ忘れ難くも素晴しい一夜だったことを付け加えておく。

【取材・文:荒金良介】
【撮影:青木カズロー】

tag一覧 男性ボーカル ライブ J-POP SUPER BEAVER

リリース情報

予感

予感

2018年11月21日

[NOiD] / murffin discs

1, 予感
2, まごころ

お知らせ

■ライブ情報

都会のラクダ ″ホール&ライブハウス″ TOUR 2019~立ちと座りと、ラクダ放題~
03/05(火)Zepp Nagoya
03/07(木)Zepp Osaka Bayside
03/13(水)Zepp Tokyo
03/29(金)中野サンプラザ
03/30(土)中野サンプラザ
04/17(水)日本特殊陶業市民会館フォレストホール
04/18(木)オリックス劇場
05/17(金)BLUE LIVE 広島
05/19(日)広島上野学園ホール
05/23(木)新潟LOTS
05/25(土)新潟県民会館
06/07(金)仙台GIGS
06/09(日)東京エレクトロンホール宮城
06/14(金)札幌PENNY LANE 24
06/16(日)札幌市教育文化会館大ホール
09/19(木)高松festhalle
09/21(土)サンポートホール高松 大ホール
09/23(月・祝)名古屋国際会議場 センチュリーホール
09/25(水)Zepp Nagoya
10/10(木)福岡DRUM LOGOS
10/13(日)福岡サンパレス

都会のラクダ Tour 2019 〜今すぐお届け!本格、ラクダチェリーパイ!〜
05/12(日)群馬音楽センター "I ROCKSセット"
06/28(金)盛岡Club Change WAVE
06/30(日)ミュージック昭和セッション
07/18(木)松山Wstudio RED
07/21(日)周南RISING HALL
08/08(木)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
09/05(木)金沢EIGHT HALL
09/29(日)桜坂セントラル
10/03(木)横浜BAY HALL
10/07(月)鹿児島CAPARVO HALL
10/08(火)熊本B.9 V1

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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