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今年で4年目を迎えた04 Limited Sazabys主催フェス『YON FES 2019』<2日目>

04 Limited Sazabys | 2019.05.05

 「皆さんおはようございます。昨日に引き続き、完全なる晴天!」と04 Limited SazabysのGEN(Vo/Ba)が挨拶すると、「昨日より暑いので、水分を」とHIROKAZ(Gt)が呼びかけ、昨日同様の前座を経て『YON FES』2日目が開幕。

 「SKY STAGE」の一番手を務めたのはKEYTALKだ。「MATSURI BAYASHI」、「MONSTER DANCE」と必殺ナンバーを畳み掛け、瞬時に観客の心に火を付ける卓越した手腕を発揮。「(04 Limited Sazabysは)結果が出なかった頃からの仲間で刺激を受ける」と寺中友将(Vo/Gt)が述べた後、昔の思い出を振り返るように「夕映えの街、今」を04 Limited SazabysのKOUHEI(Dr/Cho)を迎えてプレイ。この盟友コラボに観客も沸き上がった。

 そして、「LAND STAGE」に現れたのはENTH。序盤の「ムーンレイカー」からクラウドサーフ続出の凄まじい活気を作り上げ、エッジ際立つパンク・サウンドでガシガシと攻め立てる。彼らは今回で3回目の出演となり、名古屋のバンドとしてかっこいいところを見せてくれとGENからメッセージをもらったようで、「HANGOVER」においては肩車した観客が前にドーッと押し寄せるなど、容赦なき暴れっぷりで深い爪痕を残してくれた。

04 Limited Sazabysに対するリスペクトの言葉で幕を開けたのはSUPER BEAVERである。「青い春」、「閃光」と続き、青空の下で聴くビーバーの曲がまた爽快極まりない。最新シングルの「予感」もライブで抜群に映えていた。「あなたがかっこいいと思ったものが宇宙一かっこいい。束とかじゃなく、お前ひとりで来い!」と渋谷龍太(Vo)らしい言葉を投げかけると、「秘密」では熱いコール&レスポンスを観客と交わす。馴れ合いではなく、04 Limited Sazabysに呼ばれたことに全身全霊で応える真摯なパフォーマンスが光っていた。

 次のHump Backは「かつてチケットを買って、ライブに観に行ってた。みんなと同じ04 Limited Sazabysのファンです! 夢みたい」とぴか(Ba)は憧れのステージに立てた喜びを素直に吐露する一方、「胸を張ってロック・バンドをやってます!」と林萌々子(Vo/Gt)は言い放ち、凛とした立ち姿のいいロック・サウンドで観客を魅了し続ける。「バンドとバンドで付き合ってくれるフォーリミに感謝! 名古屋、歌える?」と林は言うと、ラスト曲「星丘公園」で観客が頭から歌詞を歌い上げる光景が広がっていた。

 天国のような『YON FES』の雰囲気を、最上級の地獄に塗り替えてくれたのはSiMだ。「DiAMOND」から巨大なサークル・モッシュを作り上げ、イーヴルな爆音を次々と投下。「バンドがフェスをやることの大変さを『DEAD POP FESTiVAL』で痛いほどわかってる。ブレずにやり続けて素晴しい。おめでとう!」とMAH(Vo)は賛辞の言葉を送り、「KiLLiNG ME」で04 Limited SazabysのHIROKAZ(Gt)を迎えてプレイ。この異色コラボを体感できるのも『YON FES』ならではだ。

それから心地良い音色で胸をすくバンド・サウンドを繰り出すSPECIAL OTHERSが登場。通称スペアザのいちファンだというGENの思いが叶った「loop」をここで披露。ハンドマイク片手にGENが登場すると、04 Limited Sazabysではあり得ない難解な歌メロをしっかりと歌い上げるコラボに惹き付けられた。

 ここまで観てもわかるが、初日と比べて04 Limited Sazabysのメンバーが他のステージに飛び入りする場面が圧倒的に多い2日目。クリープハイプの出番が来ると、1曲目の「栞」からGENを呼び込み、尾崎世界観(Vo/Gt)と掛け合いヴォーカルを披露するレアな光景が続く。「(1回目以来)久しぶりにフェスに出れて、嬉しく思います」と尾崎が言うと、最後の「HE IS MINE」まで説得力のあるパフォーマンスを貫いていた。

 次は出演キャンセルのアーティストの代わりに急遽出演が決定したSurvive Said The Prophet。ここ最近は動員をグイグイと伸ばしている彼らは、この日も切れ味鋭い演奏力を叩き付ける。「このフェスに最後に呼ばれたバンドです!」とYosh(Vo)は口にしていたが、ライブハウスで鍛え上げた腕力を存分に見せつけ、アンセム曲「Network System」で観る者を激しく揺らす様が印象的だった。

  「大切な仲間の大切な日、準備できてますか? 1曲目から手加減しません!」と田邊駿一(Vo/Gt)が宣言すると、BLUE ENCOUNTは出し惜しみなく名曲「もっと光を」を炸裂。この曲を持って来るあたり、彼らの尋常ならざる本気度が伝わってきた。ライブ途中でベース・トラブルに見舞われたものの、メンバー3人で04 Limited Sazabysの「monolith」をカヴァーして場を乗り切る力量もさすが。04 Limited Sazabysとは夢を語り合った仲間と位置付けながら、「04 Limited Sazabysというバンド、音楽を作ってくれてありがとうございます!」と田邊が照れながらも発言。胸が熱くなる名シーンのひとつであった。

 『YON FES』も残すところ2組。「LAND STEGE」2日目のトリを飾ったハルカミライは、ド頭からフルスロットルのライブで観る者の魂を根こそぎ奪う。「SUB POP」のTシャツを着た橋本学(Vo)はステージ下に降り、全感情を爆発させたような歌声で攻め立てる。その底なしの熱量に多くの人が我を忘れて大騒ぎし、暴動寸前の熱気が渦巻いていた。ライブを観ながら、終始鳥肌が立つ圧巻のパフォーマンスだった。

 この2日間に及ぶ各バンドの熱戦を締め括るべく、「SKY STAGE」の大トリで登場した04 Limited Sazabys。初日とはセットリストを替え、「message」「fiction」と攻撃的なナンバーで幕開け。「Chicken race」では1万3千人の観客を踊らせ、気迫十分の演奏を突きつけてくる。「みんな楽しかった? こんな2日間があるなら、頑張れる。僕は太陽みたいな人になりたい」とGENは言い、スペアザの芹澤(Key)を招いて「Shine」を披露。その優しくも温かい歌声を浴びていると、ここ2日間の疲労も軽く吹き飛ぶほどだった。

さらに、「みんないいライブをやってくれて、みんなが本気で闘いに来てくれる。毎日すごいプレッシャーだったけど、04 Limited Sazabysがいちばんかっこいいと思われなきゃいけない。でも考え過ぎたら、ライブ猛者たちには勝てない」とGENは自身を鼓舞する長めのMCを挟んだ後にプレイした「Squall」は、間違いなくこの日のハイライトであった。切ないメロディが天高く飛翔し、歌詞が心の最深部に沁み込んでくる。そのエモーションの濃さに思わず涙腺が緩んでしまった。アンコールではKEYTALKの首藤義勝(Vo/Ba)を呼び込み、「Remenber」をプレイ。さらにSUPER BEAVERの柳沢亮太(Gt)、BLUE ENCOUNTの江口雄也(Gt)を迎えて再度演奏し、ステージはお祭り騒ぎの様相を呈して盛大に幕を閉じた。

 終演後、この日、胸に引っ掛かった言葉があり、それをGENにぶつけてみた。「"僕は太陽みたいな人になりたい"ってMCは事前に考えていたの?」と尋ねると、彼は「事前に用意してない」と否定した上で「この2日間は松原さんが快晴にしてくれたのかなって」と答えてくれた。神戸のライブハウス「太陽と虎」を経営、音楽プロデューサーの松原裕氏は『YON FES』開催の2日前に腎臓ガンで他界した。出演バンドはもちろん、いろんな人の支えがあって、フェスは成り立っている。多くの愛に包まれた『YON FES』にまた来たい。2日間を観終えて、心からそう思った。

【撮影:ヤオタケシ】
【撮影:浜野カズシ】
【撮影:ヤマダマサヒロ】
【撮影:日吉”JP”純平=jp】
【取材・文:荒金良介 】



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