前へ

次へ

まるりとりゅうが ライブイベント「まるりとりゅうがのへや」東京公演

まるりとりゅうが | 2019.05.07

 TwitterやYouTube、Instagramなど様々な発信手段を使いこなし、自己表現の場として独自の活動を展開する人が増えている昨今。この日Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREのステージに立っていたこの2人も、SNSでたくさんのフォロワーを獲得し、共感の輪を広げている注目のユニットだ。その名は<まるりとりゅうが>。小さい頃から合唱団に所属し、声楽を学んできたMaRuRiと、ニューヨークへ留学中にSNSで自作の楽曲を投稿したことをきっかけに、国内外からの反響を得たというRyuga。それぞれ別々の活動をしていたが、ライブでの共演やSNSでの交流などを通して昨年春にまるりとりゅうがを結成。秋にはデジタルシングル「気まぐれな時雨」でメジャーデビューを果たし、今年2月には1stミニアルバム『はじめまして。』もリリースしている。

 そんな2人が結成当初から大切にしてきたライブイベント「まるりとりゅうがのへや」。定期的に行なっているインスタライブをもっと身近に、そしてダイレクトな交流を楽しんでもらうべく開催されているもので、まずは東京のみでスタートし、その後大阪、福岡と規模を拡大。6回目となる今回は名古屋、札幌、仙台も加わって合計6ヶ所での開催になったことを見ても、彼らの注目度や人気の高さが伺えるはずだ。

 6ヶ所中の3本目として行われた東京公演。2人は上手からスッと登場し、アコギを爪弾きRyugaが「気まぐれな時雨」を歌い始めた。その少し後ろに位置するMaRuRiはハンドマイクを握りしめ、情感たっぷりに声を重ねていく。個々の才能やテクニックがあるに越したことはないのだろうけど、この2人は、おそらくそういったものの先にある相性みたいなものを肌で感じているのだろう。2人の歌を繋いでいる絶対的な信頼感みたいなものが、確かに伝わってくる1曲だった。2曲目、女の子らしさ全開の「聞き飽きちゃうくらいの愛を伝えて欲しいの」では、リードボーカルを取るMaRuRiの横で、歌詞をなぞるコミカルな小芝居(!?)で客席を笑わせるRyuga。お客さんも手拍子したり、爆笑したり、リラックスしたムードで楽しんでいる。2人の歌声に圧倒された1曲目とのギャップが最高だ。「時が止まればいいのに」は遠距離恋愛がテーマということで、男性側の気持ちと女性側の気持ちをそれぞれのボーカルで表現。福岡出身のMaRuRiの方言がリアルでキュートな1曲でもある。

 ライブ中盤は、お楽しみ企画が盛りだくさん。インスタライブ3分前を舞台にした絶妙な掛け合いで展開していく映像からスタートし、恒例となっているパジャマ姿の2人がステージに登場。事前に書いてもらったお客さんからの質問やリクエストに、時間が許す限り応えていこうというコーナーだ。この日歌ったのは、Ed Sheeranの「Shape Of You」、back numberの「HAPPY BIRTHDAY」、そしてC&Kの「みかんハート」の3曲。この「みかんハート」は、MaRuRiがSNSで注目を集めるきっかけとなった曲でもあるのだが、この日は急遽、2人のアカペラで歌うことに。普段インスタライブなどで色んなカバー曲を歌い、リクエストなどにも臨機応変に対応してきた2人だからこその瞬発力なのだろう。立って歌うか座って歌うのかでひと揉めしつつも(笑)、それまで弾いていたRyugaのアコギでパパッとキーを確認し、見事なハモリと呼吸感で歌い上げた。客席からはもちろん感動のため息と拍手が沸き起こっていたが、歌い終えた途端に本人たちは「意外と長かったね(笑)」「あと、(テンポが)遅すぎた」とマイペース(笑)。途中のMCや質問に答える場面もそうだったが、ざっくばらんな2人の会話や立ち居振る舞いはまさに「まるりとりゅうがのへや」というタイトルどおりだ。パジャマで気張らず、友達のような距離感でーーというか、2人のことを応援しているみんなもきっとSNSでのコミュニケーションを通して2人のことをすごく近くに感じているだろうから、この感じはもう当たり前なのかもしれない。そういえばお見送りする方を選ぶ抽選会の時も、記念写真を撮る時も、客席とかステージとか関係なく会話が飛び交っていたっけ(笑)。それこそ2人とお客さんの間にも信頼関係が出来上がっているからこそ、節度を持って自由に楽しむ、そんな空気感がすでに出来上がっているんだなと感じた中盤戦でもあった。

 ライブ後半は、まずそれぞれがソロでカバー曲を披露。Ryugaは昔「りゅうがのへや」という小規模なイベントをやっていたことや、今はこうしてたくさんの方が見に来てくれるようになったことへの感謝を話しつつ、弾き語りでwacciの「別の人の彼女になったよ」を。MaRuRiは誕生日に事務所の社長さんからプレゼントされたというアコギで、このイベント6回目にして初の弾き語りに挑戦。映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」でヒロインを演じる大原櫻子が歌った「ちっぽけな愛の歌」を、真摯に届けた。

「結成して1年。すごいスピードで環境が変わって、皆さんと会える機会も増えて嬉しいけど、これで止まるわけにはいかない。皆さんを色んなところに連れて行かなきゃいけないって使命が自分の中にあるし、これから出す曲も皆さんの心に響かないと意味がない。何年か経って”あの曲、懐いわ”とか”エモいわ”とか”学生時代、聴いてたな”って思ってもらえるような、人生に寄り添えるような曲になったらいいなと思いながら、1曲1曲本気で作ってます。みんなたくさん聴いてくれて、足を運んでくれて、本当にありがとうございます」(Ryuga)

 そんな風にまるりとりゅうがのこれまでとこれからを語ったあと、歌われたのは2人の出会いのきっかけとなった「好きなのに」。Ryugaがソロの時に初めて作ったオリジナルソングであり、MaRuRiがカバーしたいと申し出た曲だ。

「この曲がなかったら、仲良くもなってなかっただろうし(笑)」(Ryuga)
「お互い苦手タイプだったからね(笑)。何があるかわからんね」(MaRuRi)
「縁ってすごいなと思う」(Ryuga)

 1+1が2以上になることを証明するかのようなエモーショナルな2人のボーカルを堪能した後は、溢れ出す感情に胸が締め付けられるような「幸せになって」を続けて披露。男女が同じ曲の中でこれだけのハイトーンを美しく響かせるなんて、かなり難易度の高いミッションだと思う。そして最後は、まるりとりゅうがとして初めて作ったという「翼」。

「みんながくれるコメントは、僕たちの元気になる。言葉の力ってすごくて、言葉だけでこんなにウルッとするんだって最近すごく感じてます。「翼」は、僕たちの音楽でみんなを元気にできないかな、背中を押してあげられないかなと思って作った曲。もし辛い時とかにこの曲を聴いて乗り越えてくれたら、僕たちが音楽している意味があるなと思います」(Ryuga)

 夢や現実、自分の中にある弱さや決意を真っ直ぐに描いたこの曲を力強く歌いきり、ステージを後にしたまるりとりゅうが。掛け合いの面白さももちろん彼らの魅力だけど、歌の力を信じている2人の熱い気持ちこそがたくさんの人の心を動かしてきたんだろうなと思えたライブだった。

【取材・文:山田邦子】
【撮影:Nozomi Nakajo】

リリース情報

はじめまして。

はじめまして。

2019年02月20日

ユニバーサル ミュージック

01.幸せになって
02.時が止まればいいのに
03.聞き飽きちゃうくらいの愛を伝えて欲しいの
04.気まぐれな時雨
05好きなのに
06.翼

セットリスト

まるりとりゅうがのへや♯6
2019.4.16@Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

  1. 1.気まぐれな時雨
  2. 2.聞き飽きちゃうくらいの愛を伝えてほしいの
  3. 3.時が止まればいいのに
  4. 4.Shape Of You / Ed Sheeran(カバー)
    ※リクエストコーナー歌唱
  5. 5.HAPPY BIRTHDAY / back number(カバー)
    ※リクエストコーナー歌唱
  6. 6.みかんハート / C&K(カバー)
    ※リクエストコーナー歌唱
  7. 7.別の人の彼女になったよ / Wacci(カバー)
    ※Ryugaソロ歌唱
  8. 8.ちっぽけな愛の歌 / 大原櫻子(カバー)
    ※MaRuRiソロ歌唱
  9. 9.好きなのに
  10. 10.幸せになって
  11. 11.翼

トップに戻る