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ACE COLLECTIONが次世代ヒーローの片鱗を見せた、ファンクラブ限定 FREE LIVE「CHAPTER 3」

ACE COLLECTION | 2020.01.16

 「急募 ヒーロー」。そんな張り紙を出したくなるほど、現代にはヒーローが足りていないように感じる。アンパンマンという往年のスターだっているし、昨年はジョーカーのようなダークヒーローもでてきたじゃない。なんて声も聞こえてきそうだが、そういうことではないのだ。夢や希望を与えてくれるような少年漫画を地で行く、友情・努力・勝利(近年は、友情・個性・勝利らしいが)を生きるヒーローが不足している。

 そんななか、一筋の光に出会った。一つ屋根の下で共同生活をしていたほど仲が良く、コツコツと戦略を練り、メジャーデビューを引き寄せた4人組、ACE COLLECTION。友情・努力・勝利を持った彼らなら、2020年代を引っ張っていくヒーローになれるのではないか。1月14日、TSUTAYA O-EASTで開催されたファンクラブ限定FREE LIVE「CHAPTER 3」は、そんな可能性を感じる一夜となった。

 SEの「HELLO WORLD」が流れると、勢い余ったクラップが会場を満たした。RIKU(Dr)、奏(Ba)、LIKI(Gt)、たつや◎(Vo&Gt)の順にステージへ。曲の頂点に合わせ一斉に音を放つと、「LIFEメーカー」で第3章を封切った。イントロで奏はベースをグルグルと振り回し、MVさながらのパフォーマンス。余力を残す気配がないステージングは、“最初からクライマックス”という言葉がよく似合う。後光のように差し込む金色の照明は、ヒーローが登場したときの効果背景に見えて仕方なかった。
 たつや◎が「俺たちの魂を受け取ってくれ!」と宣言し、導かれたのは「BLACK HOLE」。音程差のあるメロディーラインをひらりひらりと蝶のように歌いこなし、妖艶さとテクニックで観客を魅了する。<砕けそうさ>というフレーズでにやりとほほ笑む姿に、どれだけの人が砕け散ったかわからない。ポップなリズムが引き立つ「君と花したい」では、ステージ中央に集結し仲よさそうに音を重ねる場面も。途中で歌詞を飛ばしてしまうハプニングもあったが、それすらACE COLLECTIONにとってはアトラクション。「やばい! けど楽しいのは、みんなのおかげです」と笑顔を見せる。“応援される素質”を彼らが持っていることを、十分に感じられる一幕だった。

 MCで奏は「俺、今年が厄年なんです。でも、だからこそ今年頑張れれば一生大丈夫ってことだよね!」と自身を鼓舞。ネガティブなことでさえ、ポジティブなことに転換していこうとする姿が、考えることで困難を越えてきたACE COLLECTIONらしい。

 「しっかりと発散してついてこれますか」という言葉をリードに、誘われたのは「鬱憤」だ。歯切れのよいLIKIのギターにRIKUのコンパクトなリズム、奏の響きを活かしたベースが絡みあうさまは、音が呼吸していて心地よい。たつや◎に「飛ぶよ!」と煽られ、サビではオーディエンスが一体となったジャンプ! <2年間と3ヶ月と5時間と52秒は無駄>というリリックに合わせ、掲げられた手が一斉に「2、3、5、5、2」と刻む姿は胸にグッと迫るものがあった。初ステージから1年にも満たないバンドであるにも関わらず、しっかりとライブでのお決まりができている。その事実は彼らがファンに愛されている証明の何ものでもないだろう。
 その後も、手足のコンビネーションを駆使したドラムソロがクールな「FIRE」、クラップが会場を包み込む「BLUE」と概念にとらわれないカラフルな作品が並ぶ。演奏中、ステージのフロント側に出てきて、横一列に並んだときは圧巻だった。あの光景は、戦隊ヒーローが全員揃ったときのそれだ。緊張こそしていたかもしれないが、不安や迷いを断ち切って覚悟を決めた人の強さが一人ひとりの表情から滲んでいた。

 ほのぼのとした仲の良さが伝わるMCを挟み、たつや◎が深くブレスをとる。優しい声に連れられ、爽やかで切ないラブソングの「シンデレラ」へ。目を伏せて言葉をひとつひとつ落とすさまは、大切な誰かを瞼の裏に描いているようだった。
 続くMCでは、ユニバーサルミュージックからのメジャーデビューを発表。彼らを祝福する拍手が、TSUTAYA O-EASTを満たす。その光景を嬉しそうに眺めながらも、凛とした空気をまとっている4人が印象的だった。「メジャーデビュー発表のあとは、絶対にこの曲だろって心から思ってます」、たつや◎がそう告げると「ROCK STAR」へなだれこむ。ACE COLLECTIONとして初めて書いた曲を、ここに持ってくるのだから本当に粋なチームである。メジャーアーティストとして残りの人生のスタートラインに彼らは立ったのだと、夢の続きを追いかけてロックスターになっていくのだと。音と言葉で訴えかけるような演奏を披露した。勢いやまぬまま「December 9」に突入しラストスパート。熱気は最高潮に達し、場内の一部ではサークルでヘドバンをしたり、モッシュをする姿も見受けられた。

 ラストを飾ったのは、ACE COLLECTION初のバラードである「約束のしおり」だ。薄暗いステージ上で青いスポットライトを一身に受け、たつや◎は言葉に命を吹き込んでいく。その姿はあまりにも優しく強く、目が離せないほどの求心力を放つ。クリーントーンのギターソロもエモーショナルかつメロディックに歌いこみ、オーディエンスの涙腺に畳みかける。かっこよく沸かせて魅せるだけで終わらず、聴かせるバンドでもあることを堂々と提示。ACE COLLECTIONの可能性を感じさせるのに、十分すぎる夜を作り上げた。

 ライブを観て感じたのは、彼らの決意の強さだ。MCで「バンドを組むときに、3人の人生をそれぞれが背負うと決めてACE COLLECTIONは始まった」と話していたが、まさしくそれを全うしていた。音楽をするか、死ぬか。それが言いすぎではないとわかるくらい、4人は腹をくくっている。守るものがある人は強い。歴史に名を刻んできたヒーローたちがそうだったように。今回のライブは第3章だったが、バンドとしてはまだまだプロローグといったところだろう。“時代の流行り”や“ウケるための音楽”から解き放たれ、自分の信じるものを追い求める4人のヒーローが、世の中を明るく照らしてくれる未来を大いに期待したい。

【取材・文:坂井彩花】
【撮影:鳥居洋介】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル ACE COLLECTION

リリース情報

約束のしおり

約束のしおり

2020年01月15日

ENS Entertainment

01.約束のしおり

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セットリスト

ファンクラブ限定 FREE LIVE
「CHAPTER 3」
2020.1.14@TSUTAYA O-EAST

  1. 01.HELLO WORLD
  2. 02.LIFEメーカー
  3. 03.BLACK HOLE
  4. 04.鬱憤
  5. 05.FIRE
  6. 06.BLUE
  7. 07.シンデレラ
  8. 08.ROCK STAR
  9. 09.December 9
  10. 10.約束のしおり

お知らせ

■ライブ情報

ACE COLLECTION ZEPP TOUR 2020
04/19(日) KT Zepp Yokohama
04/25(土) Zepp Fukuoka
05/04(月) Zepp Osaka Bayside
05/06(水) Zepp Nagoya
05/15(金) Zepp Tokyo



まるりとりゅうがFES
01/18(土) Zepp Tokyo

みやかわくん 大新年祭 2020
01/19(日) 中野サンプラザホール

Non Stop Rabbit present’s
「A.N.N official」

03/09(月) TSUTAYA O-EAST

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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