安室奈美恵のベストコラボレーションアルバム『Checkmate!』がいよいよ到着！

　2003年?2011年までに彼女が参加してきた数々のコラボレーションナンバーに加えて、新たに４組のアーティストとのコラボレーションを加えた強力な一枚だ。

　これまでにコラボをしてきたアーティストを振り返っても、元キングギドラのZEEBRAやライムスターのMummy-D、m-floのVERBALといった有名ラッパーとの共演があったり、Mondo Grossoの大沢伸一、Fantastic Plastic Machineの田中知之、m-floの☆Taku Takahashiからなるravexや、DJや幅広いプロデュース業でも知られるJHETTといった一流のクリエイター系アーティストとも絡み、同じ女性アーティストでもAIやDOUBLE、HeartsdalesなどのR&B／ヒップホップ系のアーティストとのコラボで、抜群にクールなナンバーの数々を聴かせてくれる。

　こうした豪華な名前を見るだけでも、安室奈美恵というアーティストのポテンシャルの高さを裏付けるに十分なのだが、同時に、アイコンとしてのバリューの高さまでを思い知らされたような気がする。

　さらに、今回特に注目したいのが新たな４組とのコラボであり、その人選とバランスの見事さだ。ロック系の女性ボーカルである土屋アンナに、K-POPの注目女性グループAFTERSCHOOL、CHEMISTRYでもR&B志向の強い川畑要、そしてジャニーズとの初共演となる山下智久というバラエティ豊かでキ興味深い名前が並んでいる。みんなの安室ちゃんだった90年代の最初のピークから、ここ数年はより本格的なアーティスト性を誇って再びトップに君臨している安室奈美恵だが、決してコアな音楽性にだけ向かうのではなく、こうしたポピュラリティも備えたメンバーにアプローチすることで、楽曲は本格的でありながらもリスナーに壁を作ることをしていない。そのセンスに脱帽なのだ。

　まだまだ底知れない才能を満点下に知らしめてくれた安室奈美恵のコラボレーションアルバム『Checkmate!』は、今後の彼女の進化にもさらなる可能性を感じさせる意義の大きな作品になるだろう。

【 文：小野瀬正人（memory motel）】