レビュー

9mm Parabellum Bullet | 2011.09.05

リリース形態として、他とは一線を画している新曲+ライヴ音源の9mm Parabellum BulletのEPスタイル。そのライヴ音源にしてもけっして1?2曲ではなく、1時間近くの大判振る舞い。これまで対バンやイベントライヴをほぼ丸丸収めたかのような充実のロングタイムを誇っている。
そんなEPとしては実に2年ぶりの新作となった今作は「カモメe.p.」。タイトル曲は、先日の横浜アリーナでのワンマンライヴの大舞台でも披露。この夏フェスでも数々の地にて中盤にプレイされ、その後の怒涛性への起爆へのアクセント的なナンバーでもあった、彼らの最新アルバム『Movement』のラストに収録されていた楽曲だ。これまでの彼らのミディアム曲と言えば、主に3拍子の曲が多かったのだが、同曲はどっしりとした8ビートが終始ジワジワと広がっていくナンバー。それが今回、彼ら史上初のストリングスが加えられ、新バージョンとして生まれ変わった。オープニングに配されたストリングスからして感動的な今回のバージョン。オリジナル以上に景色観も増し、寒々としていた原曲に対し、どこか温かみや前向きさや力強さが増した印象を受けた。やはり特筆すべきはストリングスとのベストマッチ。卓朗の歌もダブルに処理され、それがことさらの力強さを生み、哀愁性や劇的感が感動を伴って聴く者に押し迫ってくる。

そして、ライヴ音源の方は、チケットが入手困難だったライヴハウスツアーのワンマンライヴ音源から18曲を収録。さすがは至近距離ならではの臨場感と熱気がガッツリと伝わってくる。
話は戻り。オリジナルは、つげ義春の「リアリズムの宿」的な印象を受けた「カモメ」だったが、このバージョンは是非「はぐれ刑事シリーズ」等の刑事もののドラマのエンディングに是非起用してもらいたい(笑)。

【 文:池田スカオ和宏 】

tag一覧 シングル 男性ボーカル 9mm Parabellum Bullet

リリース情報

カモメ e.p.

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カモメ e.p.

発売日: 2011年09月07日

価格: ¥ 1,429(本体)+税

レーベル: EMIミュージックジャパン

収録曲

1. カモメ (Strings Version)
2. 56-Minute Live Track From “Movement Moment Tour 2011”

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