昨年、人気女優主演の連ドラの主題歌という、ビック・タイアップ付で、花々しいデビューを飾った、女性アーティスト・家入レオ。続くセカンドシングルもタイアップ付と、いい条件の中で、アーティストとしての歴史をスタートさせた彼女だが、この数カ月で、前述した“いい条件”を、しっかりと追い風にできた感がある。徐々に本人の露出が増えて行く中で、その実力が世の中に浸透してきたからだろう。今年、初出演した夏フェスで、入場規制がかかるほどの動員を記録したのが、ひとつの証拠ではあるまいか。
　話題性と実体が、最高の形で、リンクしてきた感がある。
　この状況で、楽しみになってくるのが、初のアルバムであるが、その前に、サード・シングル「Bless You」が発売となった。
　緊張感が繊細さや刹那につながる、ミディアム・ロック・チューン。彼女の特徴である、ハイトーンのボーカルが力強く響く１曲だ。ギリギリの高さで、時折、声が裏返るような独特の歌い方が、フックとなって聞く者の耳に残る個性も健在。孤独をテーマにした歌詞を含む、陰影ある全体の世界観は、誰もが思う“家入レオ”のイメージにぴったり、かも。
今後、本人の眼差し同様、“媚びないスタンス”で、どこまで楽曲のバリエーションを広げていけるか、個人的には興味深々。というわけで、アルバムも楽しみです。

【文・伊藤亜希】