今年の元旦に「ライヴ活動の無期限休止」を発表したモーモールルギャバンが、バンドの
＜第一章完結＞とも言える2ndミニアルバム
『モーモールル･℃･ギャバーノ』をリリースした。

　本作は新曲に加え、ギタリストを擁した4人編成で活動していたバンド結成当時の楽曲を再構築した、全5曲を収録。極上のメロディーをたたえながら、ときにノイジーに、ときにサイケデリックにはしゃぎ回る、この3人でしか生み出せないポップ感を炸裂させている。そして、新曲「ハイヒール・ブルース」は、歪んだベースがうねりをあげるファンキーなサウンドに乗せて、「ハイヒールで踏まれたい願望」を歌い上げるという、おバカだけどスタイリッシュな、実に彼ららしい1曲だ。

　これはどの曲にも言えることであり、このバンドの存在自体そうなのだが、モーモールルギャバンはとにかく「過剰」だ。全力でぶっちぎって行くハイテンションなライヴしかり、ハッピーの極限へひた走って行くサウンドしかり、「あなたが好きです」という気持ちが暴走した、ある種ピュアで、ある意味ホラーな歌詞しかり……。そんなモーモールルギャバンの真骨頂が、本作にはしっかり閉じ込められている。

　ライヴ活動休止期間に突入した3人だが、このページの右上にアップされているコメントムービーを観てもらえれば分かる通り、かなり良い感じの様子。そもそも、休止の理由が「より濃いモーモールルギャバンを追求するために」という前向きなものなので、＜休止＞というよりは＜リフレッシュ＞という感じなのかも。普通だったら、ちょっとお休みすることをわざわざ言う必要もないのかもしれないけれど、そこも敢えて言ってしまうという過剰っぷりが、ここでも発揮されたという感じだろうか。

　何はともあれ、充実の充電期間を経て、ドロッドロに濃ゆ~い状態でのカムバックをお待ちしております！

【文：山口 哲生】