2013年6月1日、2日に行われた東京ドーム公演を以って解散したFUNKY MONKEY BABYS。あれから2年半くらい経つが、未だにテレビやラジオ、街中などで彼らの曲を耳にすることがよくある。たくさんの作品を世に送り出し、ライヴ活動も精力的に行っていたファンキー加藤、モン吉、DJケミカルの姿は、ファンの心に今でも鮮やかに焼き付いているのだろう。そして、新しいリスナーとも出会い続けているのだと思う。そんなファンモンがシングル『そのまんま東へ』でメジャーデビューしたのが、2006年1月25日。それから丁度10年となる記念すべき日に3枚のベストアルバムが同時リリースされる。

　まず、全81曲を収録したCD7枚＋初公開の映像を交えたライヴヒストリーDVD1枚によって構成されているのが『FUNKY MONKEY BABYS 10th Anniversary“COMPLETE BEST”だ。“COMPLETE”という言葉を掲げているだけに、ラーメンの全部載せのような多彩な味わいの内容となっている。コラボソングである「ライジングサン（ケツメイシ×FUNKY MONKEY BABYS）」が収録されているというのは、特に注目すべきポイントだろう。2011年9月10日、宮城県で行われた東日本大震災復興応援企画イベント“『みちのく力くらべ』?いぐべおめぇだづ?”のために制作されたこのチャリティソングは、配信限定でのリリースだった。CD音源化を待ち望んでいた人が、たくさんいたのではないだろうか。

　そして、大切な人に愛を届けられる曲によって構成された『FUNKY MONKEY BABYS 10th Anniversary Best “LOVE”』、勇気が出るサウンドと言葉が満載の『FUNKY MONKEY BABYS 10th Anniversary Best “YELL”』、各々のテーマに沿った選曲によるベストアルバムもリリースされる。温かい想いに満ちたラブソング／一緒に歌うと気持ちが劇的に上向く応援歌――リスナーの心にたくさんのメッセージを全力で届けるファンモンならではの魅力を濃密に体感出来る内容となっている。

　今回のリリースにあたって、DJケミカルの明るい笑顔を見られるのも嬉しい。様々な著名人の味わい深い顔写真によるジャケットがファンモンのシングルの恒例となっていたが、アルバムのジャケットはDJケミカルが毎回飾ってきた。現在は家業を継いで仏門に入っている彼の最近の表情を捉えたこの写真は、ファンにとっての最高のプレゼントだと思う。今回のベストアルバムの隣に歴代のアルバムやシングルのジャケットもズラリと並べて眺めつつ様々なナンバーに耳を傾けてみるのとか、ずっと彼らを応援してきたファンにとって素敵なひと時となるのでは？　彼らの音楽をかけがえのない宝物として改めて強く抱き締められるだろう。そして、今作を機に彼らと向き合うみなさん、ようこそファンモンの世界へ。大好きになれる曲とたくさん出会えるはずだ。

【取材・文：田中 大】

• FUNKY MONKEY BABYS 10th Anniversary Best 特設サイト