レビュー

Mrs. GREEN APPLE | 2016.06.15

連載 第125週
Mrs. GREEN APPLE「サママ・フェスティバル!」


Mrs. GREEN APPLEの 今年の夏の過ごし方を、全部詰め込んだシングル

 なんてバランスのいいシングルなんだ!タイトル曲「サママ・フェスティバル!」は超アッパーなサマーチューン。次の「umbrella」 はちょっと淋しいミディアム・バラード。ラストの「ノニサクウタ」は明るくて軽快な2ビートナンバー。こんな完璧な夏仕様の6月リリースのシングルなんて、滅多にあるもんじゃない。夏に向けての最強トリオを引っ下げて、Mrs. GREEN APPLEは今年のフェス・シーズンに突入するつもりだ。

 「サママ・フェスティバル!」の看板フレーズは、♪足りないものばっか 探しちゃう僕たちは 「目の前」に気づけずに 今年もあっという間に終わっちゃう♪だ。もちろん“今年の夏”があっという間に終わっちゃうっていう意味だけど、大森元貴の歌を聴いてると、まるで年末があっという間に来ちゃうみたいに聴こえきて、このバンドの持つスピード感の神髄を見る思いがする。コーラスの♪wow♪ の部分の賑やかなメンバーの声の感じとか、本当に“サママ”な“フェスティバル”の雰囲気がよく出ている。

 「umbrella」 はいい感じでしっとりしたラブソング。看板フレーズは♪僕が傘になる 音になって 会いに行くから♪。最近、スピーカーの形を模した傘が開発されて、雨音を聴きながら楽しく歩けるようになった。まさかその傘をイメージしたわけではないだろうが、ロマンティックなセリフをちょっとキザに決める大森のハンサムボイスが切ない気分を盛り上げる。そこに薄くハモる声がまたいい効果を上げていて、かなりの名曲としてファンの間で人気が出そう。

 「ノニサクウタ」はカントリーやらアイリッシュやら、世界の2ビートのニュアンスを集めてMrs. GREEN APPLE流に仕上げている点が素晴らしい。ひとつのバンドがいろんな音楽をやるのは、とても楽しいことだ。そのバンドなりのカントリーの解釈や、そのバンドならではのブルースがあっていい。この「ノニサクウタ」は、友情や励ましのメッセージを盛り付ける器として2ビートのリズムを選択している。看板フレーズは、♪鳥が笑うように 君の毎日が楽しければいい♪だ。実際に鳥が笑うのかどうかはどうでもいい。この描写が呼び起こす感情が大事なのだ。

 いま、Mrs. GREEN APPLEは、 みんなに聴かせたい音楽がはっきりと見えている。バンドとして、ミュージシャンとして、いちばん幸せな時期にいる。彼らはどんな夏を過ごすつもりなのか。その答えを全部詰め込んだのが、このシングルだ。

【文:平山雄一】

tag一覧 Mrs. GREEN APPLE 男性ボーカル

リリース情報

サママ・フェスティバル!

サママ・フェスティバル!

発売日: 2016年06月15日

価格: ¥ 1,200(本体)+税

レーベル: ユニバーサル ミュージック

収録曲

1.サママ・フェスティバル!
2.umbrella
3.ノニサクウタ

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