レビュー

DEVIL NO ID | 2017.09.05

 グループ名やメンバーのビジュアル、そして過去作のジャケットの雰囲気からラウド系ガールズグループかと勘違いしていたが、全くそうではなかった。ダンスミュージックに特化したサウンドを武器にする沖縄出身3人組で、今作「シグナル」は3rdシングルとなる。

 今作もそうだが、彼女たちのサウンドで好感が持てるのは、どこかで聴いたことがあるようなEDMではなく、そういった要素を咀嚼してしっかりDEVIL NO IDとしての音を鳴らしている点。それでいながら、あらゆるダンスミュージックを取り入れることで容易に全体像を掴ませず、次に何が出てくるか予測不能なところも面白い。

 今作の表題曲は浮遊感のあるオープニングから、EDM的な気持ちのいいシンセサウンドが印象的なサビへと展開する構成。見た目から想像するにメンバー3人ともかなり年齢は若いと思われるが、karinとhanaのボーカルは非常に大人っぽい。ところどころ意図的なエフェクトが入っているため、ボーカリストとしての実力までは判断し難いが、クセがなく伸びやかな歌唱は聴いていて心地よい。

 と、ここまでならガールズポップの楽曲としてはわりと平均的だが、ラップを担当するmionがこのグループを特別な存在にしている。曲の中盤を超えたところから、それまでの清涼感のあるダンスサウンドからハードなベースミュージックへと変貌を遂げる。そして、満を持して登場するmionのハードめなラップが楽曲の景色を変えていく。このパートがフックとなり、最後のサビへと繋がる展開が聴き手のテンションをさらに高めるのだ。彼女のラップは続くカップリング曲「まよいのもり」でも同様の効果を生み出している。

 すでに配信限定シングルとしてリリースされている「まよいのもり」は「シグナル」と同じか、人によってはそれ以上にインパクトを受けるであろう好楽曲。けだるげな裏打ちのビートが印象的で、ここでもkarinとhanaの大人びたボーカルが効いている。ミックスの影響かどうかは分からないが、元気溢れるカラッとしたものではなく、憂いのあるウェットな声は、最近のガールズポップではわりと珍しいのではないか。

 そして、特筆すべき点は3人ともかなり踊れるということ。すでに公開済の「まよいのもり」のMVを観れば一目瞭然。軽やかでキレのある動き、そして3人の統率の取れたコンビネーションはかなりの武器になるだろう。ぜひ生で見てみたいものだ。

【文:阿刀 “DA” 大志】

tag一覧 J-POP DEVIL NO ID 女性ボーカル

リリース情報

シグナル

シグナル

発売日: 2017年09月06日

価格: ¥ 1,000(本体)+税

レーベル: Vap

収録曲

1.シグナル
2.まよいのもり
3.シグナル -Instrumental-
4.まよいのもり -Instrumental-

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