レビュー

アカシック | 2017.10.18

“誰も言えないような言葉”でポピュラリティを提示するアカシックの2ndアルバム

アカシックが2枚目となるアルバム『エロティシズム』をリリース。まず、湧き上がる表現欲のパワーを感じられる3曲目、ベースが牽引するファンキーな「邪魔」に心踊らされた。生命力と躍動感に満ちた硬質なビート。憂いを感じさせる「アスファルトに降伏して ゴミになりました」というキラーフレーズは、理姫(Vo)ならではの言葉の魅力、言葉の力だと思う。アカシックの本質は、“誰も言えないような言葉”でポピュラリティを提示することなのだ、と。


奥脇達也(G)による幅広くも痒い所に手が届くメロディアスな楽曲世界観、バンビこと黒川絢太(B)と山田康二郎(Ds)による多彩なナンバーに呼応するビートを存分に楽しめるのが「マイラグジュアリーナイト」。


さらに「ブラック」、「LOVE&YEN」、「日本の宝」、「エンジェルシンク」を聴いて思い出したのは、奥脇も敬愛するユニコーン全盛期のジャンルを超えていく音楽的挑戦だ。

他にも聴き所は多く、心を鷲掴みにされた感情を解き放つ様を描いた「裸-nude-」の力強さ。王道感強いポップ強度を持ち先行リリースされた「オレンジに塩コショウ」における喪失感を感じるサマーチューンのユニークさ。続く、アカシック最大のアンセムとなった「愛×Happy×クレイジー」の華麗なる突き抜け感。変化球で激ロッキンな「いちかばちかちゃん」の存在感の強さもヤバイ。


本作で聴ける「私」を耳にしてふと思った。女性ファッション誌に踊るキャッチコピー、「私らしい○○」、「自分らしく」という言い回し。女性社会につきまとってきた男性優位社会との摩擦から生まれたアイデンティティの確認の押し売り。理姫は、そんな堅苦しい世界から自分だけの言葉で逸脱しようとする様が、アカシックのポップの根源なんだなと気がついた。


ドラマティックな「you&i」、そしてラストナンバー「エロティシズム」の歌いはじめ“愛に邪魔なものは消す”というキラーワード。アカシックの楽曲に込められた情報量は多い。文脈から覗く様々な感情と風景。サウンドがシーンを演出するがごとく空気感を醸し出す。ラストまで聴いてからの1曲目「憂い切る身」が心に染みるのはなぜだろう。アカシックはセンチメンタル過剰に感情をかき乱すだけかき乱して解決しないままに去っていく。でも、そんな猫のようにわがままな(いい意味で)投げやりなポップ表現がクセになる。そしてまた1曲目からリピートしたくなる中毒性の高さ。

11月の終わりからは、全国6都市をめぐるアカシック史上最大のワンマン・ツアーもはじまる。オトナになった『エロティシズム』での世界観をいかに生音で表現していくかが楽しみだ。

【文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】




全国ワンマンツアー「Eroticism TOUR」
[2017年]
11/24(金) 札幌SOUND CRUE
11/26(日) 仙台space Zero
12/03(日) 福岡graf
12/10(日) 大阪シャングリラ
12/17(日) 名古屋APOLLO BASE
[2018年]
01/10(水) 東京 恵比寿LIQUIDROOM
http://www.akasick.info

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リリース情報

エロティシズム

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エロティシズム

発売日: 2017年10月18日

価格: ¥ 3,000(本体)+税

レーベル: ワーナーミュージック・ジャパン

収録曲

1 憂い切る身
2 いちかばちかちゃん
3 邪魔
4 裸-nude-
5 私
6 マイラグジュアリーナイト
7 ブラック
8 LOVE&YEN
9 オレンジに塩コショウ
10 日本の宝
11 愛×Happy×クレイジー
12 エンジェルシンク
13 you&i
14 エロティシズム

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