韓国出身の4人組ロックバンド、CNBLUEでギター＆ボーカルをつとめているイ・ジョンヒョンから2ndソロアルバム『METROPOLIS』が到着。

1stアルバム『SPARKLING NIGHT』ではバンドにブラスや男女のコーラス、ダンサーまでを加えたゴージャンスな編成で、ギターを持たずに踊りながらスウィングしたコンサートでファンを驚かせたジョンヒョン。『METROPOLIS』ではさらに新局面を押し広げて、都会的でオシャレな音にトライ。深夜、美しい夜景が広がるエリアをドライブしたくなるような洗練された楽曲たちを並べ、大人のためのスタイリッシュでアーバンなサウンドを作り上げた。

夜の都会の喧騒から抜け出すと浮遊感に包まれ、そこに広がったのは非日常の空間。そんなインスト「Intro」から今作の物語はスタート。そこから、シンセでも歌でもなく、ギターがフックとして浮かび上がるデザインのリード曲「Starry Places」へ。こちらは扇動的なギターフレーズが人々を躍らせるディープハウスチューン仕様。高速を2人でナイトクルーズしたくなるような「Starry～」に対して、ジョンヒョンのとろけるような甘く官能的なファルセットと、シンセの音色で陶酔させてアゲていく「Time Machine」は、メトロに乗って一夜のアバンチュールを楽しみたくなるようなナンバーになっている。

アコギ、口笛で構築し、シンガロングとハンドクラップを誘う「HEAD TRIP」、アコギのストロークと深いエコーをかけたボーカルが空間をきらめかせる「SHINE」は、オーガニックなサウンドをベースにした楽曲なのだが、いつものジョンヒョンが得意とするフォークやブルージーな方向ではない。心地よい現代版のハウスミュージックとして、歌を聴かせるオシャレなダンスミュージックに落としこんだところは、今作ならではのサウンドアレンジがいきた部分。

また、アルバムにはジョンヒョンが俳優として出演する日本映画『生きる街』の挿入歌「ひかりのまちで（Acoustic Version）」も収録。この曲はジョンヒョン自ら作詞・作曲したバラードで、《「ただいま」「おかえり」あなたの声が 宝物だと今 気付いた》という歌い出しから始まる2番、さらに後半へと向かって展開していく歌詞が素晴らしく感動的。ちょっと寂しさを含んだ、ソフトなジョンヒョンの声が、さらにその感動を倍増させる。ジョンヒョンはこの後、本作を引っさげて横浜と大阪でライブを開催。新しいソロライブでは、前回のダンスを超えるジョンヒョンの新たな一面が見られるかも。

【文：東條祥恵】