レビュー

あいみょん | 2018.11.14

 今年は4月に「満月の夜なら」、8月に「マリーゴールド」という2枚のシングルをリリースし、夏の大型フェスやイベントでもしっかりと存在感のある歌、音楽を届けてきたあいみょん。地上波のテレビ番組やファッション誌、カルチャー誌などでもたびたび取り上げられ、さまざまな角度から彼女の魅力にスポットが当たってきた1年だったように思う。いよいよスタートする『AIMYON TOUR 2018 -HONEY LADY BABY-』がチケット発売と同時に全公演完売するなど、年内もまだまだ話題を独占しそうな勢いだ。

 そんな中、すでに話題を集めているのがニューシングル「今夜このまま」。現在オンエア中の日本テレビ系水曜ドラマ『獣になれない私たち』のために書き下ろした、あいみょん初のドラマ主題歌だ。《苦いようで甘いようなこの泡に/くぐらせる想いが弾ける》という歌い出しからは、毎回主人公たちが美味しそうに(時には何かを洗い流すように)クラフトビールを飲んでいるバーのシーンを思い浮かべる方も多いはず。軽快なアコギのストロークと弾けるようなクラップ、キャッチーなメロディーラインにひと癖あるリズムが絡んでくるアレンジは、テレビから聴こえてきた時も、ライブ会場においても、爽やかに耳を奪っていくこと間違いなしだ。コメディタッチな要素をちりばめながらも、登場人物達が抱えている問題は意外と重かったりするこのドラマ。エンディングでこの曲が聴こえてくることで、ふっと気持ちが軽くしてくれるような役割も担っているように思う。仕事も、恋も、結婚も、家族も、人間関係も。全部大切だからこそ、考えれば考えるほど《やるせない/やりきれない》。全編船上で撮影されたMVでは、そんな感情を抱いたまま夜に溶けていくようなあいみょんの表情が捉えられているので、こちらもぜひ注目してほしい。

 カップリングには、まずDISH//に楽曲提供した「猫」のセルフカバーを。バンドサウンドでエモーショナルに感情を届けようとするDISH//のバージョンとは一転、やりきれない思いを切なく吐き出すようなあいみょんの弾き語りが、楽曲に落とし込まれた新たな表情を浮き彫りにしている。もう1曲は1stアルバムに収められた「風のささやき」。この2曲はいずれも今年10月7日に上野恩賜公園 野外ステージにて開催された『あいみょん×渋谷La.mama 共同企画「弾き語り-330-vol.6」』で収録されたもの。ドラマ主題歌を手がけるのも初めてだが、あいみょんが弾き語りのライブ音源を収録するのも初の試みとなっている。

【文:山田邦子】

リリース情報

今夜このまま

今夜このまま

発売日: 2018年11月14日

価格: ¥ 1,000(本体)+税

レーベル: ワーナーミュージックジャパン

収録曲

1.今夜このまま
2.猫(2018.10.7 Live at 上野恩賜公園野外ステージ)
3.風のささやき(2018.10.7 Live at 上野恩賜公園野外ステージ)
4.今夜このまま(instrumental)

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