レビュー

まふまふ | 2019.10.17

 とにかく曲がいい。10月16日リリース、まふまふ2年ぶりのソロアルバム『神楽色アーティファクト』は最高傑作の誕生だ。

 現在、Twitterフォロワー数160万人超、YouTubeチャンネル登録者数200万人、総再生回数10億回を突破し、ネットシーンを牽引してきた音楽シーンのイノベーター、まふまふ。自ら作詞・作曲、編曲、演奏、ミックス、マスタリングなども手がける才能に満ち溢れたマルチクリエイターだ。今年6月に、メットライフドームで2日間にわたって開催したワンマンライブと自身主催のイベントでは計7万人を動員。さらに驚くべきは2020年3月25日(水)に、単独公演「ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーまふまふわーるど2020@東京ドーム~」の開催が決定したことだ。ネット発アーティストとしての無限のパワーを見せつけ、その勢いはとどまることを知らず、メインストリームをも巻き込んでいく。

 どんなビッグネームのアーティストでもネットへの動画投稿が当たり前のマーケティング表現となった2019年。その先駆者であり開拓者が、遂に東京ドームのステージに立つ。まふまふが世の中に“再発見”される1枚、それが『神楽色アーティファクト』なのである。

 2017年にリリースしたアルバム『明日色ワールドエンド』は、インスト曲も織り込みアーティスティックに世界観を構築した1枚だった。しかし、『神楽色アーティファクト』ではCD収録分数ギリギリまでぶち込んだ全20曲を収録。まふまふの自由さ、表現したい幅の広さをすべて詰め込んだ作品となっている。

 「忍びのすゝめ」、「自壊プログラム」、「ジグソーパズル」、「サクリファイス」や「廃墟の国のアリス」のように、まふまふのイメージにジャストな王道ロックチューンがあれば、和を感じさせる壮大なロックバラード「朧月」、さらにアッパーなキラキラ・サイドを代表する「すーぱーぬこになれんかった」、アニソン文化を代表する田中秀和(MONACA)をアレンジャーに迎えた「女の子になりたい」のキャッチーな突き抜け感(途中、声色が変化していく絶妙なボーカリゼーションに注目)。キャッチーさ半端ないシンセポップに弾ける「動かざること山の如し」、アイドル文化を代表する佐々木裕をアレンジャーに迎えた「君のくれたアステリズム」、メットライフドーム公演でも披露した「曼珠沙華」。そして、心に直球で突き刺さる内面を描いたロックチューン「とおせんぼう」や、新境地を聴かせてくれた「傀儡の心臓」、「アートを科学する」、「あさきゆめみし」が解き放つ、せつなポップなナンバーたち。自己の存在を問いただす「生まれた意味などなかった。」へと立ち向かう凄み。そして、耳に残るメロディーが心をつかんで離さない、多くの人に聴いてほしい「それは恋の終わり」、「拝啓、桜舞い散るこの日に」というポップアンセムの存在。

 ロックもポップもアニソンもゲームソングもアイドルもヴィジュアル系も、日本が誇るポップミュージック・カルチャーをすべてまふまふ色に染めて表現する革命の1枚。心に響き渡るメロディーとサウンド、光と闇の両面を切り開く歌声と歌詞が誇る魔法めいた音楽のチカラ、それが『神楽色アーティファクト』なのだ。聴くべし。

【文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】

リリース情報

神楽色アーティファクト

神楽色アーティファクト

発売日: 2019年10月16日

価格: ¥ 2,000(本体)+税

レーベル: A-Sketch

収録曲

01.忍びのすゝめ
02.自壊プログラム
03.サクリファイス
04.ジグソーパズル
05.マルファンクション
06.朧月
07.すーぱーぬこになれんかった
08.女の子になりたい
09.動かざること山の如し
10.君のくれたアステリズム
11.リライトザサーガ
12.曼珠沙華
13.とおせんぼう
14.傀儡の心臓
15.廃墟の国のアリス
16.生まれた意味などなかった。
17.アートを科学する
18.それは恋の終わり
19.拝啓、桜舞い散るこの日に
20.あさきゆめみし

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