ロックンロールとフォーキー、2種が並んだSuperflyの両A面シングル

Superfly | 2011.03.09

6月からは32都市35公演におよぶ過去最大規模の全国ツアーが決まっているSuperfly。そろそろ3rdアルバムの完成も待ち遠しくなってきたところだが、そんなところに今年最初のシングルが届けられた。品川ヒロシが原作・脚本・監督を手掛けた映画『漫才ギャング』の主題歌であり、ドライヴ感のあるロックンロール・チューンとなった「Beep!!」。そして全国民放FMによる「MEET THE MUSIC 2011」のキャンペーンソングにして、オーガニックかつフォーキーなタッチが心地いい「Sunshine Sunshine」。久々の両A面シングルだ。この2曲についての話を聞いた。


EMTG : 今回は映画の主題歌と全国民放FMのキャンペーンソングの両A面シングルということで。
志帆:はい。「Beep!!」のほうは、先に映画の主題歌という話をいただいていて、それを意識しながら書いた曲ですね。で、「Sunshine Sunshine」のほうは、いただいた話とその頃に自分が考えていて書きたいと思っていたことがリンクしたので、スーっと書けた曲です。
EMTG : では、まず「Beep!!」の話ですが。映画のストーリーに沿って書いたわけですか?
志帆:そうです。先に台本をいただいて、それから監督の品川さんにもお会いして。品川さんは「Alright!!」をすごく気に入ってくださってて、“ああいう疾走感のある曲を書いてほしい”と。なんだっけな。“ジョギングしながら聴いたら、思わず速度をあげて走りたくなっちゃうような曲を”っていうようなことを、おっしゃってましたね(笑)
EMTG : 確かにそういう曲ですよね。映画のテーマにも共感できました?
志帆:はい。売れない漫才師が自分やまわりと向き合いながら“なんとか変わりたい”“変わらなきゃ前に進めない”って思って足掻いている、その気持ちがすごくポップに描かれた映画なんですよ。成功はしてないし、何も解決もしてないんですけど、でも少しずつ何かが変わり始めていく過程が描かれていて。私自身、もっと変わりたいと思いながらも、今でもつい弱気になってしまうところがあるんですけど、でも“変わりたい!”と思って一歩踏み出した時点で、人の気持ちは前より少しは強くなっていたりするんじゃないかと思って。そのあたりを、映画のテーマに重ねながら表現できたらいいなって思って書きました。
EMTG : 曲はスンナリできたんですか?
志帆:いや、これがけっこう苦戦したんですよ。やっぱり新しいタイプのロック・チューンを作っていきたいという気持ちがすごくあるので。でもこれはSuperflyの王道というか……。
EMTG : 王道ですよね、まさに。
志帆:うん。そこで、もうちょっと先に進んだ感じのもののほうがいいのかな?とか、いろいろ自分のなかで考えたりしてたんですよ。で、考えた結果、やっぱりここで王道をバコーンと出すのもいいんじゃないか、ってところに落ち着いて。
EMTG : 今回は新境地を見せるというよりも、あえて王道を選びとったんだろうなというのは、聴いていて感じました。
志帆:うんうん。そうなんですよね。あともうひとつ苦労したのは、これを作ってた時期の私が、「Eyes On Me」のような柔らかい曲を表現したい気持ちでいっぱいで、なかなかキツい感じのワードが出てこなくて。どうしてもフンワリしたワードを選びがちになっちゃってたんですね。で、これはマズいと思って、JAMさんという方に書きかけの歌詞を見ていただきながら一緒に仕上げていって。結果、JAMさんのおかげで、ちょっと「マニフェスト」の感じに近い姉御的なキャラクターを出してもらえたので、よかったなぁと。
EMTG : 確かに、「マニフェスト」的な姉御キャラですね。
志帆:「アンタはいつも ギリギリで逃げるでしょ?」っていうフレーズがあるんですけど、これなんか、自分からは絶対出てこない。ここが一番「マニフェスト」っぽいですね。こういう濃いキャラを演じて歌うのは、楽しくて好きです(笑)
EMTG : サウンドに関しては、いい意味でのラフさがありながら、以前に比べて重量感がグッと増しているのを感じます。
志帆:あー、嬉しいです。ラフさね。うん。実際は、音作りにはしっかり時間かけてるんですよ。ギターの左右の音の出方とか、時間をかけて探ってて。でも、その上でいい意味でのラフさを感じられるようにはしたくて。あと、“ダサカッコイイ”っていうのは自分のなかにキーワードとしてありましたね。キレイにカッコイイっていうものは、作ろうと思えば作れる気がするんですけど、それよりクセがありながらもカッコイイものにしたくて。多保くんのメロディも“ダサカッコイイ”ってところが特徴だと思うんですよ。
EMTG : ですね。あと間奏のギター・ソロとかも、近頃の洗練されたロックにはなかなかないもので。あれもまさしく、ダサカッコイイ。
志帆:うん。あそこは八橋義幸さんが弾いてるんです。「Free Planet」もそうでしたけど、最近、ギター・ソロを入れるのは私自身が意識してることで。みんなあんまりやらないし。でも曲を盛り上げるのにギター・ソロはすごく大事なポイントになると思ってるんですよ。
EMTG : そうですね。因みにこのギター・ソロは、ちょっとキッスっぽいような(笑)
志帆:おっ。実はナックのイメージだったんですけどね(笑)
EMTG : この曲、聴く人にはどんなふうに楽しんでもらいたいですか?
志帆:車で聴いてほしいです。カッコイイ車に乗って聴くと盛り上がるはず。でも、スピードの出し過ぎには注意して(笑)
EMTG : そしてもう1曲、「Sunshine Sunshine」。この曲は久しぶりに1stアルバムの頃のSuperflyを思い起こさせるテイストですよね。
志帆:そうですね。オーガニックというか、土っぽい感じをしっかり出せた曲で。私自身、好きなサウンドです。
EMTG : 既にFMでも頻繁に流れてますが、ラジオフレンドリーだし、聴き心地がすごくいい。歌うことの喜びが素直に出ている曲ですよね。
志帆:FMのキャンペーンソングということで、音楽に関することを書いてほしいというお題があったんですけど、私自身、最近よく考えていたのが、“歌ったあとって、なんでこんなにスッキリするのかな?”ってことで。で、あるときふと、“あ、歌うときって思いっきり息を吸って、はいて、ずっと呼吸を繰り返している状態だからなんだ”って気づいたんですよ。当たり前のことなんですけど、そうやって呼吸することで自分が今ここにいるってことを実感できてるんだなぁって。呼吸って、生きてないとしないですからね。
EMTG : この曲はどんなときに聴いてほしいですか?
志帆:心が疲れていたりとか、ちょっと立ち止まって深呼吸したいなと思ってるときに聴いてほしいし、できれば大きな声で歌ってもらいたいですね。そうやって心のモヤモヤを晴らしてもらえればいいなって。ホント、そういう曲を作りたいと思いながら作ったんですよ。なので、ぜひ、ご利用ください(笑)

【 取材・文:内本順一 】

tag一覧 女性ボーカル 映画 Superfly

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リリース情報

Beep!!/Sunshine Sunshine

Beep!!/Sunshine Sunshine

2011年03月09日

ワーナーミュージック・ジャパン

1. Beep!!
2. Sunshine Sunshine
3. Different Ways

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INFORMATION

■ライブ情報

Superfly TOUR 2011
過去最大規模の全国ツアー決定!32都市35公演!!

◆6月25日(土)
戸田市文化会館
[問]H.I.P 03-3475-9999

◆6月28日(火)
静岡市民文化会館 大ホール
[問]サンデーフォーク静岡 054-284-9999

◆6月30日(木)
広島市文化交流会館
[問]夢番地 広島 082-249-3571

◆7月2日(土)
島根県民会館
[問]夢番地 岡山 086-231-3531

◆7月4日(月)
倉敷市民会館
[問]夢番地 岡山 086-231-3531

◆7月7日(木)
三重県文化会館 大ホール
[問]サンデーフォーク 052-320-9100

◆7月9日(土)
名古屋センチュリーホール
[問]サンデーフォーク 052-320-9100

◆7月11日(月)
神戸国際会館こくさいホール
[問]キョードーチケットセンター 06-7732-8888

◆7月13日(水)
大阪国際会議場メインホール
[問]キョードーチケットセンター 06-7732-8888

◆7月14日(木)
大阪国際会議場メインホール
[問]キョードーチケットセンター 06-7732-8888

◆7月19日(火)
京都会館第一ホール
[問]キョードーチケットセンター 06-7732-8888

◆7月21日(木)
富山県民会館
[問]キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100

◆7月22日(金)
石川県・本多の森ホール
[問]キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100

◆8月4日(木)
東京国際フォーラム ホールA
[問]H.I.P 03-3475-9999

◆8月5日(金)
東京国際フォーラム ホールA
[問]H.I.P 03-3475-9999

◆8月10日(水)
新潟県民会館 大ホール
[問]キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100

◆8月12日(金)
福岡サンパレス
[問]キョードー西日本 092-714-0159

◆8月14日(日)
鹿児島市民文化ホール第一
[問]キョードー西日本 092-714-0159

◆8月16日(火)
熊本市民会館 大ホール
[問]キョードー西日本 092-714-0159

◆8月17日(水)
宮崎市民文化ホール
[問]キョードー西日本 092-714-0159

◆8月27日(土)
宇都宮市文化会館 大ホール
[問]キョードー東北 022-217-7788

◆8月29日(月)
神奈川県民ホール
[問]H.I.P 03-3475-9999

◆9月1日(木)
北海道・ニトリ文化ホール
[問]マウントアライブ 011-211-5600

◆9月2日(金)
北海道・ニトリ文化ホール
[問]マウントアライブ 011-211-5600

◆9月4日(日)
釧路市民文化会館 大ホール
[問]マウントアライブ 011-211-5600

◆9月7日(水)
青森市文化会館 大ホール
[問]G.I.P 022-222-9999

◆9月9日(金)
盛岡市民文化ホール
[問]G.I.P 022-222-9999

◆9月11日(日)
山形県県民会館
[問]G.I.P 022-222-9999

◆9月13日(火)
仙台サンプラザホール
[問]G.I.P 022-222-9999

◆9月15日(木)
長野・ホクト文化ホール 大ホール
[問]キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100

◆9月18日(日)
徳島市立文化センター
[問]DUKE 高松 087-822-2520

◆9月19日(月)
香川・アルファあなぶきホール
[問]DUKE 高松 087-822-2520

◆9月21日(水)
高知県立県民文化ホール
[問]DUKE 高知 088-822-4488

◆9月23日(金)
愛媛・ひめぎんホール・メインホール
[問]DUKE 松山 089-947-3535

◆10月2日(日)
沖縄コンベンションセンター劇場
[問]キョードー西日本 092-714-0159

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