バンドにとってキーポイントとなるNICO Touches the Wallsのニューアルバム!

NICO Touches the Walls | 2011.04.06

 バンドにとってキーポイントとなるサード・アルバムを、見事な傑作に仕上げたNICO Touches the Walls。同世代バンドの中で圧倒的な演奏力を持つ彼らが、“Passion×messenger”=“PASSENGER”という熱くストレートなテーマを得て、ついに爆発した感じ。1曲目「ロデオ」から、強烈な個性を持った楽曲が並ぶ。

 バンドの明らかなパワーアップを見せつけたシングル「Diver」の勢いそのままにスパイシーなロックが展開される中で、底抜けに明るい「友情讃歌」やピアノ・バラード「君だけ」、ラストは変拍子が重量感のあるリリックを運ぶ「Passenger」で結ばれる。

“PASSENGER”は“旅客”という意味を持つ。光村龍哉(vo,g)、古村大介(g)、対馬祥太郎(dr)、坂倉心悟(b)の4人のメンバーは、この1年間、どんな旅をしてきたのか、訊いてみた。


EMTG:『PASSENGER』の制作を開始したのは、いつ?
光村:さかのぼれば、去年3月の武道館の後ですね。
EMTG:武道館ライブは大きな経験だったんだね。
光村:そうです。メジャー・デビューしてから以降の、大きな区切りだったと思う。理想を追いかけまくって、デカい目標ばっか見て走ってた。で、武道館にたくさんの人が見に来てくれて、幸せになっちゃって。
古村:“幸せ”ねー(笑)。
EMTG:目標を達成しちゃった感じだったのかな(笑)。
光村:うーん、そうかもしれないですね。理想を追いかけてたから、逆に悩み多きバンドでもあったんですよ。なので、あれだけたくさんの人を前にしたら、たどり着いちゃった気がしたのも事実だった。それから2ヵ月くらいは、何にもできなくて。それで、今までワンマンをやったことのない場所を回る“ミチナキミチ”ツアーをやることにしたんです。それまでは武道館を用意して、そこで待ってたんですけど、自分たちから会いに行くツアーにしたかった。
EMTG:やってみて、どうだった?
古村:長崎は遠かった!
光村:東京から直接、車で行ったんですけど、遠かった。よく他のバンドから話には聞いてたけど、本当に車内で会話がなくなる(笑)。しかも、お客さんがタフで。
EMTG:タフって?
光村:「見に来たぜ。さあ、どうしてくれる?」って感じで、身構えて僕たちを待ってた。緊張するけど、1曲1曲でイワせなきゃいけない。インディーの時の気持ちに近かったです。で、曲を追うごとにお客さんと打ち解けていった。そのときに、まだまだこっちから届けにいかなきゃって思いました。同時に、各地で1曲は新曲を作ってやっちゃおうって決めて、このツアーで8曲作った。その中に「Diver」があった。
EMTG:「Diver」はシングルになったけど、アルバム『PASSENGER』にとっても重要な曲だよね。
光村:最初、作ったときは、ライブのことしか考えてなかった。1曲目から大合唱になる曲を作ろうと思って。だから“ミチナキミチ”ツアーのときは、アレンジもテンポも違ってたんですよ。会場を包み込むイメージの、もっとゆっくりした、ミディアム・バラードだった。でもライブでやってみると、違った。もっと突き刺すような感じにしないと、目の前に人に届かない。歌詞もどんどん変えていって。
EMTG:歌詞やテンポが変わっていくのを目の当たりにして、メンバーはどう思ったの?
対馬:ドラムのパターンもそのたびに変えて。でも前のイメージも残ってるから、大変だった。
坂倉:変わっていくテンポに、しばらく慣れなかったですね。歌詞が変わっていく様を身近に見てたんで、「Diver」がライブで育っていくのを感じてましたね。
EMTG:「Diver」を聴いていると、歌詞の“減圧症”っていう言葉に強い意志を感じる。
光村:歌詞をもっと深いところに響かせたいと思ってた。表面的な言葉をいくら並べても、ダメ。最初の歌詞はもっと風景描写とかが多かったんだけど、ライブの瞬間に届くように、もっと直接的な言葉に変えていった。
EMTG:ライブで試しながら直すって、いいね。
光村:それまで、自分たちは本当のところを出してこなかった気がしたんですね。目の前にお客さんがいて、リアクションが欲しいんだったら、自分たちの実態を出すのは無視できないテーマ。きれいごとだけじゃダメ。心の扉の内側を開けてしまったら、そこからもっと言葉が出てくる気がしたんですよね。それで、「Diver」から『PASSENGER』が始まったと思う。
EMTG:「Diver」がしっかり作り込んだ曲の代表なら、「友情讃歌」はラフで楽しい曲の代表だと思う。その2曲が揃っているから、『PASSENGER』は幸せなアルバムだと思う。
光村:「友情讃歌」は高校生のときに、文化祭の後夜祭で歌いたくて書いたんですよ。デビュー前のワンマンで、曲が足りなくて一回だけやって封印してた。それを去年の学園祭ツアーのときに引っ張り出して、やってみた。
古村:そうしたら、お客さんの反応がよかったんですよ。自分たちでも、「これは何だ?!」って(笑)。
光村:レコーディングしてない曲だし、コケてもいいやって7割くらい思って(笑)、タイムマシンで5年前にさかのぼってやってみた。その感じがよかったので、アルバムに入っているのはリハスタで録っちゃったテイクです。学園祭がなかったら、この曲はボツになってた。
EMTG:シンプルでいい曲だと思ったら、高校生の書いた曲だったんだ(笑)。それを今のバンドでやるって、素敵だなあ。
光村:ですね(笑)。
EMTG:そしてタイトル曲の「Passenger」は?
光村:レコーディングの最後に書いたんです。原曲は昔からあって、アコギとエレがキとハーモニカでデモを録ってた。制作を進める中で、今回のアルバムは去年、旅して生まれた曲の集合体になるなっていうことが分かってきて、“PASSENGER=旅客”、それと“Passion×messenger”っていう自分たちの信念を込めてアルバム・タイトルを決めた。同じタイトルの曲がなくてもよかったんですけど、でも“核”になる曲は必要だった。この一年半の流れにケリをつける気持ちで「Passenger」を作ったら、自分でも恥ずかしいくらいに自分たちの素性が出ちゃって(笑)。これをレコーディングして、すっきりしました。
坂倉:最後にレコーディングしたこの曲で、アルバムの個性の強い曲たちに一本、スジが通ったと思います。
EMTG:他のメンバーは、このアルバム・タイトルをどう思ってるのかな?
対馬:自分って生き物としては、“Passion”に素直に生きてきたと思うんですよ。でも武道館を終えて、自分の底にあるものが見えなくなってたんだなって気付いた。自分たちは、Passionを伝えてナンボ。裸になってぶつかりたくなった。“Passion×messenger”って、ありのままの自分たちのこと。日に日に、それが深くしみこんでくるのを感じてます。
坂倉:武道館からこのアルバムまでの道のり、ひたすらライブを続けてきたこの1年間の自分たちの活動にぴったりのタイトルだと思う。
古村:そう、重ねてきたライブがアルバムに大きく影響してる。“Passion×messenger”って、人として誰もがあるべき姿だと思う。今まで自分たちは、テーマを“先”に設定してた。でも今回、“Passion×messenger”っていうテーマが、自分たちの“中”から出てきたのは、自分たちが変わったから。ここから何かが始まる。音楽を通してやることが、ここから変わっていきそうな気がします。
光村:どこかに行き着くつもりでアルバムを作ってたわけじゃない。武道館で自分たちがミュージシャンでいていい、音楽の中で生きていて、生かされていていいって承認してもらった。それを感じながら、変化していったこの1年のドキュメンタリーになっていると思う。自分たちの存在を、音楽に残していきたいっていう意思表示ができた。一生、このモードで音楽と向き合っていくターニングポイントになったと思います。“Passion×messenger”っていう言葉を背負っていくっていうより、それを吐き出せたからスッキリしましたね。

【 取材・文:平山雄一 】

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ビデオコメント

リリース情報

PASSENGER

PASSENGER

2011年04月06日

KRE

1. ロデオ
2. 妄想隊員A
3. Diver
4. ページ1
5. 君だけ
6. SURVIVE
7. 容疑者
8. 友情讃歌
9. マトリョーシカ
10. サドンデスゲーム
11. Passenger

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●光村龍哉(vo,g)
マカロニ・ウェスタン

イタリアで作られた西部劇映画のこと。プロデューサーの岡野ハジメさんと、“マカロニ・ウェスタン”のサントラみたいなアルバムを作ってみたいねって話し合ってます。

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NICO Touches the Walls

HPでこれまでのライブのセットリストをチェックして、次のライブのセットリストを考えたりするときに便利です。

●対馬祥太郎(dr)
インド

ニコニコ動画をテレビ代わりに見ていて、インド音楽を検索して「これ、面白い」ってみんなに教えたりしてました。

●古村大介(g)
アナログ人間なので、検索ワードの意味が分かりません(笑)。


■ライブ情報

♪NICO Touches the Walls 2011
◆4月13日(水)
柏PALOOZA
[問]SOGO TOKYO
03-3405-9999

◆4月16日(土)
新木場STUDIO COAST
[問]SOGO TOKYO
03-3405-9999

◆4月23日(土)
Zepp Nagoya
[問]サンデーフォークプロモーション
052-320-9100

◆4月24日(日)
Zepp Osaka
[問]キョードーインフォメーション
06-7732-8888

◆5月6日(金)
Live House浜松 窓枠
[問]サンデーフォーク静岡
054-284-9999

◆5月8日(日)
金沢EIGHT HALL
[問]FOB金沢
076-232-2424

◆5月13日(金)
広島CLUB QUATTRO
[問]夢番地広島
082-249-3571

◆5月14日(土)
福岡DRUM LOGOS
[問]キョードー西日本
092-714-0159

◆5月16日(月)
岡山CRAZYMAMA KINGDOM
[問]夢番地岡山
086-231-3531

◆5月18日(水)
高松オリーブホール
[問]デューク高松
087-822-2520

◆5月26日(木)
札幌ペニーレーン24
[問]マウントアライブ
011-211-5600

◆5月28日(土)
Zepp Sendai
[問]GIP
022-222-9999

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