春の息吹の如く、解放感と共に、真っすぐ、広がりながら伸びていくmiwaの歌声

miwa | 2011.04.04

昨年春、シングル「don’t cry any more」でデビューした、シンガーソングライターmiwa。本年最初のシングル「春になったら」が、NTT DOCOMO“ガンバレ受験生’10-’11」のタイアップソングなるなど、彼女の歌声を耳にした方も多いのでは。その伸びやかな歌声は、春の息吹の如く。厳しい冬を越えた解放感が、真っすぐに、広がりながら伸びていく。

デビュー当時、19歳だった彼女も、20歳になった。 デビュー以降、精力的にライヴを行う一方で制作されていたファースト・アルバムが完成。タイトルは『guitarissimo』。濃密な本人の時間と、音楽に対して真っすぐに立ち向かう姿勢が感じられる、充実の内容に仕上がった。

産みの苦しみを笑顔で振り返るーーそんな強さを持った、可能性の登場だ。

EMTG:音楽をやろうと思ったきっかけは?
miwa : 父の影響で、小さい頃からキャロルキングを聴いてたんです。彼女の歌を物心ついた頃から自然に耳にしていて。誰なんだろうって、気がついたのが中学生で。それから、どんな人なのかを知って「あ、シンガーソングライターっていう形があるんだ。自分で曲を作って、自分が思う事を歌詞にして歌うって、どういうんだろう?」って思ったんですね。私、小さい頃からクラシックのピアノやっていて、そこから独学でコードを勉強して、コードを並べて曲を作ってみようって、鼻歌くらいなんですけど、作って、歌詞をのせた。これが曲を作った最初。それが中3くらいでした。
EMTG:子ども心に、キャロルキングの歌、声など、どう聴こえてました?
miwa : 独特のハスキーな声だけど、暖かみもあるし。なんか……音楽があったかいものだなっていう風に感じさせてくれていましたね。声も独特だけど暖かいし、曲自体が持ってるあったかさみたいなのも感じていて。当時は、J-POPも他の洋楽も聴いていたんですけど、でも、キャロルキングとかジェイムスティラーとか、あの時代の音楽の暖かさが、すごく好きだったんですよね。最近の音楽って、やっぱり……こう……音質がクリアでとんがってるって印象があるんです。いろいろ機材も進化してるし、圧倒的な世界観があると思うんですけど、でも、あの時代は、音色とか曲が持ってるメロディーとかも、すごくほっこりするし、聴いてても、自然に明るい気持ちなれると思うんですよね。
EMTG:キャロルキングの歌をコピーして歌ったりは?
miwa : しました、しました(笑)。私、シェリルクロウとかも好きで。で、彼女を見て、乾いた音のロックとか、カントリーロックが好きになってギターを始めてたんです。その時、ギターでキャロルキングをカバーしましたね。やっぱり自分で歌ってみたいなと思って、一生懸命、耳でコピーして。高校1年生ぐらいだったかな。
EMTG:実際にカバーしてみて感じた事は?
miwa : シンプルなコード進行なのに、メロディに個性があって。でも口ずさみやすいっていう。なんて名曲なんだろうって、改めて気付きましたね。歌詞もそれまで何気なく聴いていただけだったですけど、改めて読んでみて……当時、高1年ながらにも感じるものがたくさんありましたね。今はまた、別の事も感じたりするんですよね。
EMTG:音楽の暖かさという言葉が出てきましたが、そこをもっと具体的に言うと?
miwa : 音色だったり、音楽をやっている人同志の関係性だったり……。時代的なものもあると思うし、こう……本当、音にその人が滲んでいるっていうところが好きで、そこに暖かさを感じてるのかもしれない。
EMTG:音楽ひとつに、いろいろな暖かさを感じるって事?
miwa : そうですね。今言われて、こう……自分で分析してみたら、本当にそうかもしれない(笑)。でも音楽に刺激も求めていて。熱くなれるものもありつつ、癒されたり、ほっこりする気持ちも大切だし。生活のリズムや、気分によって、聴きたいものが変わる……それが音楽なのかなって、それが音楽の楽しみ方のひとつなのかなって、小さい頃からなんとなく思っていたんですよね。だから気分によって好きなティストが変わったり、その時の友達関係や恋愛によっても、共感する部分が変わったりとかするんだと思うんですよね。
EMTG:ギターで曲を作り始めた時、ピアノとはまた違った形が出てきました?
miwa : 出てきましたね。ピアノで作っていた時は、バラードが多かったんですけど、アコースティックギターで作り始めたら、アップテンポの曲も出てきて。楽器によって、出てくる曲が変わるんだなって思いましたね。今はエレキでも作ったりしてて。それでまた違った曲調の曲が出来たりとか。すごく面白いなぁと思うんですよね。他の楽器にも興味があって。今、ライヴとか観に行ったりすると、ベースとドラムの人ばっかり見てるんですよ。なんか……ベースとドラムで出すグル―ヴが、すごくいいなと思っていて。デビューしてから、いろんな人と、バンドでセッションする機会があって。やる人によって、アコギの気分が変わったりして。レコーディングする中でも、そういう事を毎回感じて、ベースとドラムにすごく興味が出てきたんですよね。アコギだけじゃなくて、歌もそうで。私が作った曲なんだけど、一緒にバンドサウンドを作ってくれてるっていうのが、すごく伝わって来て、それでテンションもあがるし、気分も違ってくるっていうのがわかったんですよね。だから今は、バンドでやるのがすごく楽しい。毎回、違った発見があるし、1人でやってた時と比べて、曲の表情も違うし。すごく刺激があるんです。
EMTG:アルバム『guitarissimo』は、シングルではわからなかった音楽性が垣間見られる作品になりましたね。とても内容が濃い。
miwa : あぁ、ありがとうございます! そこをいちばん感じて欲しかったんですよ。シングル5枚でも、結構違う楽曲を届けてきたけど、それだけじゃなくて、もっとこういう面もあるよっていうのを聴いてもらいたいって思って作ったアルバムなんですよね。
EMTG:歌詞についてはどうでしょう? 自分の歌詞をどう分析します?
miwa : 歌詞は、最初曲を作り始めた時は、友達に向けて……とか、自分の中にあるもので書いてたんですね。でもそうじゃないって思って。自分自身も、例えばキャロルキングとかが書いた歌詞に共感したりしたけど、どこに共感してるんだろうって考えたですね。で、歌の中にある情景が、自分の中の情景に重なって、共感してるんだなってわかって。そこからは、曲のリアルさも大切だけど、聴く人が想像する余地を残しておくっていうか。リアルさを突き詰めるんじゃなくて、聴いた人が、いろんなイメージをできる曲をしようって思ったんですよね。そこは、すごく歌詞に出てきてると思います。変化してる部分だと思います。すごく意識して、言葉を選ぶようになっていったんですよね。
EMTG:アルバムを作っていく中で、いろんな事を知って、いろんな変化があったみたいですね。
miwa : 本当にそうなんです。
EMTG:その過程、楽しかった? それとも大変だった?
miwa : 作っている時は、結構大変だったんじゃないかなぁ、と(笑)。もう、間にあわないんじゃないかってくらい、ギリギリのせめぎ合いで。でもギリギリの中で、諦めないでいいものを作りたいし、自分の中で納得できるものをやりたいっていう。例えば、曲順ひとつとっても、何度も並べ替えて聴いてみて。結局、マスタリングの前日、夜中までかかって、これがいちばんお薦めの順番みたいなのが決まって、この順番にしたんですよね。最後まで飽きずに聴けるっていう形になったんで、諦めずにやって良かったなと思いましたね。

【 取材・文:伊藤亜希 】

tag一覧 アルバム miwa 女性ボーカル

リリース情報

guitarissimo

このアルバムを購入

guitarissimo

発売日: 2011年04月06日

価格: ¥ 3,334(本体)+税

レーベル: SMR

収録曲

1. ありえない!!
2. don’t cry anymore
3. friend ~君が笑えば~
4. 春になったら
5. hys-
6. オトシモノ
7. Dear days
8. 醒めない夢
9. chAngE
10. めぐろ川
11. ハツナツ
12. リトルガール
13. 僕らの未来
14. つよくなりたい

ビデオコメント

INFORMATION

■マイ検索ワード
miwa
井戸 お化け


R-1グランプリ2011で優勝された方のネタで。名前は佐久間一行さんって言うんです。「井戸 お化け」で検索すると出てくるんですよ。メイクさんがすごくお笑いに詳しい方で。「こんな面白い人がいるよ」って教えてくれて。それで今、ちょっとはまっているんですよ(笑)


■ライブ情報

♪miwa live tour 2011 “guitarissimo”
◆6月4日(土)
大阪府・BIG CAT
[問]キョードーインフォメーション
06-7732-8888

◆6月5日(日)
愛知県・DIAMOND HALL
[問]サンデーフォークプロモーション
052-320-9100

◆6月11日(土)
福岡県・IMS HALL
[問]キョードー西日本
092-714-0159

◆6月19日(日)
東京都・SHIBUYA-AX
[問]キョードー東京
0570-064-708

トップに戻る