始まりはここにある。アンジェラ・アキ1年2ヶ月ぶりのニュー・シングルが到着!

アンジェラ・アキ | 2011.06.02

 現在、フジテレビ系ドラマ「名前をなくした女神」の主題歌としてもオンエアされているアンジェラ・アキの新曲「始まりのバラード」。アコースティックギターの弾き語りというスタイルも話題となった前作「輝く人」から実に1年2ヶ月ぶりのリリースとなる本作は、たとえどんなにかすかな光になろうとも、信じる力が希望となり、始まりになるんだというメッセージを伝える究極のラブバラードだ。


EMTG:「始まりのバラード」は現在オンエア中のドラマ「名前をなくした女神」の主題歌ですね。
アンジェラ・アキ:ドラマも見てるんですけど、これはかなりおもしろいですよ。最終回はどうなっちゃうんだろう!?って、今からドキドキしてます(笑)。
EMTG:(笑)。今回は書き下ろしですか?
アンジェラ・アキ:はい、ドラマのために書き下ろしました。ある人はダンナさんとの間に問題を抱えてて、ある人は自分の感情と上手く向き合えない、ある人は依存症があってとか、みんないろんな葛藤を抱えてという……。そういう葛藤する女性たちの歌としてドラマのために書き下ろしたんですけど、実は書いている途中に震災があって。
EMTG:今年の3月ですね。
アンジェラ・アキ:そこに偏る感じではなかったんだけど、タイトルとかはどうしようとかすごく迷いましたよね。私の場合、普通はサビ頭だったりサビのリフレインだったりする部分から付けることが多いんだけど、今回は<世界一長い夜>でもないしなあって思いながら。
EMTG:タイトルを考える時点では、歌詞はもう出来上がってたんですか?
アンジェラ・アキ:最後の部分はまだでしたね。やっぱりその作ってたときの気持ちが――たぶんこれはいろんなアーティストが言ってると思うけど、やっぱり影響されるし、考えるし、責任も感じるわけで。だから何だって言うわけじゃないですけど、この歌詞の最後の部分に出てくる<始まりのバラード>というキーワードや、この歌に込めた再生っていう意味での気持ちは、震災があったからっていうこととどうしても切り離せないところがある、と思います。
EMTG:心理的な影響が大きかった、と。
アンジェラ・アキ:大きかったですね。あと、今までは自分さえ妥協していないと思えればいいとか、自分を励ませればいいかなとか思っていた部分があったんですね。それが、たとえば歌詞の1行を聴いて、「あぁ、そうか……」って思える人がいるんだったらその人のために歌うっていう気持ちが、初めて芽生えたっていうと滑稽に聴こえるかもしれないけど、なんだかそういう感情が生まれたんですよ。
今まで私にとって歌っていうのは内面的なものだったけど、それがすごく解放されたっていうか。
EMTG:今回の歌詞はそこが全然違いますよね。自分が立ってる位置も、視点も。
アンジェラ・アキ:そうそう。だからこう、そっと寄り添うような感じになってるんですよね。さっき葛藤っていう話をしましたけど、それはドラマの中に限ったことじゃないんですよね。
こういう状況の中で、それぞれ十人十色の葛藤がある。だからこそ、それぞれの中での始まり・スタートっていう感じの曲になってくれたらなあってすごく思ったんです。
EMTG:<始まりはここにある>という力強い歌詞も印象的でした。
アンジェラ・アキ:「ネバーエンディングストーリー」って映画があったでしょう?私、あのお話が大好きなんですよ。物語の最後で、プリンセス(幼ごころの君)が、ナッシング("無")に破壊されてしまった自分の宇宙(ファンタージェン)のカケラを主人公のバスチアンに手渡すシーンがあるんだけど、信じる力が、その小さなカケラをまたよみがえらせるの。
始まりっていうものはこんな小さなカケラかもしれないけど、ちゃんと手で包んであげればそこにあって、信じた時にまた始まるんだよっていう。この曲を書くとき、なんだかあのイメージがすごくあったんですよね。
EMTG:そういう視点に気が付くと、いろんなものが見えてくる気がします。
アンジェラ・アキ:そうそう。それに、どさくさの中にいると見えないんだけど、一歩下がってみたり、そこからフッと離れた時に、実はこうだったんだっていうのが見えることもあったりするわけで。
EMTG:一方、カップリングの「I Have a Dream」はワシントン・ナショナル・ギャラリー展のテーマソングにもなってますね。
アンジェラ・アキ:私も大学時代に何度か行ったことがあるんだけど、ここはワシントンにあるとても大きなプライベートコレクションの美術館なんです。今では当たり前な手法となったけど、当時は前衛的でなかなか受け入れられなかった印象派のコレクションがワシントンからやってくる。
ワシントンといえば、私にとっては黒人と白人の平等を訴えたマーチン・ルーサー・キングでもあるので、彼の有名なスピーチから「I Have a Dream」っていうタイトルにしたんです。前例のないことを当たり前にしてきた、そういう夢を叶えていく人たちの象徴的な歌を作りたいなと思ったんですよね。
EMTG:叶える前にはぐれた夢や満たされない約束はどこにいるの?って、すごくハッとさせられた表現でした。
アンジェラ・アキ:ここでは、"夢"を「君」と歌ってるんです。夢は自分の中から生まれてきたものなのに、叶える前に忘れてしまったりしたらどこに行っちゃうんだろう?ってふと思ったんですよね。本当に呼び戻したいんだったら、ちゃんと名前を呼んで、ちゃんと顔を思い出して、ちゃんと呼び戻すことをしないといけない。
結局、最初は「I Have a Dream」、自分の中に生まれた夢ってとこから始まってるんだから、それを思い出そうっていう歌にしたかったんです。
EMTG:そしてもう1曲はおなじみのカバー曲。今回はRADIOHEADの「CREEP」です。
アンジェラ・アキ:もともとこの曲が大好きで、3年ぐらい前には書いてたんです。ずーっとひとりの人を追いかけて追いかけて、でも叶わないっていう変質者の歌なんだけど、こういうシングルに毒を混ぜ込んどくのもいいかなと思って(笑)。
でもこれ、実は世界中でカバーされてる曲なんですよ。それくらいみんなの心に何か響くものがあるいい曲だから、私はあえて日本語にしようと思って入れてみました。ブレスとか入れてちょっと怖い感じになってるけど(笑)、ぜひ聴いてみて下さい。

【取材・文:山田邦子】

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リリース情報

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2011年06月08日

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2.I Have a Dream
3.Creep

[DVD特典]
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2010年夏、ふるさと・徳島で行われた一夜限りのスペシャル・ライブの模様を初収録。
「手紙 ?拝啓 十五の君へ?」を完全収録。

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