2011年、2枚目の新作。UNICORN全開?ニューミニアルバム『Z II(ゼッツー)』発売!!

UNICORN | 2011.09.02

 今年のユニコーンの活動は、アルバム『Z』から始まり、ツアー“ユニコーンがやって来るzzz...”をスタート。前半のホール・バージョンを8月末に見事に終了させて、2年前に復活したユニコーンが、コンスタントに活動するバンドであることを証明した。

 そして、わずか3ヵ月のインターバルで、6曲入りミニアルバム『ZII』がリリースされる。この展開は若手バンド以上にタフなもので、ユニコーンが今、バンドとしてノリに乗っていることを告げている。

 『ZII』はタイトルからして『Z』の続編、あるいは兄弟アルバムと思われる。オープニングの「手島いさむ大百科」は、今回のツアーで“センター”を務める手島がひたすらしゃべくりまくる奇想天外な曲。一方でラストの「晴天ナリ」は、バンドをリードする阿部義晴の感動大作 。変幻自在のアルバムワークと言えるだろう。しかも奥田民生は『ZII』のリリースが決定した直後のあるホールの楽屋で、「ユニコーンとしては、こういうアルバムを作りたかった」という謎の言葉を残している。

 一見、ベテラン。が、実態は若々しいエネルギー渦巻くユニコーンというモンスター・バンドの、多分に戦略的でユーモアにあふれたクセモノ・ミニアルバムについて聞いてみた。

EMTG:エラい速いペースのリリースですけど?
阿部:ロスにレコーディングに行って、シングルとかアルバム曲とかは考えずに、録れるだけ録ってみようということでやってた。で、アルバム1枚に入れるには、曲が多かったんですよ。その時点で選択肢は、何曲かオクラにして1枚で出すか、2枚組にするか、ばらばらに2枚出すか。同時に、ツアーのスケジュールが決まってきていて、夏フェスをはさんで、前半はホール、後半はアリーナになっていた。だったらツアーの中間にアイテムがあったほうがいいんじゃないかなってことになって。
EMTG:うおっ、無計画にやってたわけじゃないんだね。
奥田:失礼な(笑)。ちゃんと計画してますよ。
EMTG:そういえばOTは、前に「こういうアルバムを作りたかった」って言ってたね。
奥田:そうですよ、適当にやってませんよ(笑)。
EMTG:えーっ、「手島いさむ大百科」も?
奥田:いい曲じゃないですか。あのしゃべりは、俺が編集したんですよ。
手島:息継ぎがないくらいしゃべってる。あそこまでしゃべらないでしょ、俺は。
奥田:いやいや、あれはそんなに編集してないよ。けっこうテッシーがしゃべってるまんまだよ。
手島:えっ、そうなの?(笑)。
川西:終わってもまだしゃべってるっていうのがいいよね(笑)。
奥田:家に持って帰って、何回も何回も聴いて、リズムに合うように編集したから、俺はもう聴きたくない。
EMTG:ほーら、やっぱり変な曲じゃん(笑)
奥田:いやいや、編集で聴き過ぎたから、イライラしてさ(笑)。
阿部:俺は、一回は聴く(笑)。
EBI:最初、デモテープを聴いて、「手島いさむ物語」っていうタイトルを聞いて、面白くなりそうだなって思ったんですよね。
EMTG:えーっ、これが「手島いさむ物語」だったの?
手島:最初は、自叙伝になるはずだったんですよ。
川西:でも、あんまりうまくいかなかったから、途中からインタビュー形式にして。僕とEBIとかが聞き手になって。
EBI:テッシーの楽屋でのテンションを出そうっていう企画で。
手島:俺、普段、こんなにしゃべってないよ。
奥田:あんなもんだよ。俺たちは楽屋で毎日浴びとるっちゅーの(笑)。
手島:誰も俺の話を聞いてくれないから。いつも聞いてくれるのはEBIだけで。
奥田:だからEBIを聞き役にしたんだって(笑)。
EMTG:で、途中からタイトルが変わった。
奥田:『Z』に入ってる「手島いさむ物語」のほうがぴったりだったから、そっちにタイトルを取られた形。
EMTG:珍しいケースだね(笑)
奥田:そうね(笑)。
EMTG:なんでこれが1曲目なの?
阿部:1曲目しかないでしょ(笑)。
奥田:最近、いろんなものが意味持ち過ぎだよ。適当でいいんだよ。
EMTG:ほーら、適当じゃん(笑)
奥田:そういう意味じゃなくて(笑)。楽屋のテッシーは、ほんとにこんな感じなんで、みなさんがそれを楽しんでくれれば。
EMTG:2曲目の「レディオ体操」は堂々たる民生節!
奥田:ソロとユニコーンで、テンションを変えて曲を作ってるわけではないんで。こういうグルーヴも必要でしょ。少しは良心がないと(笑)。
EMTG:4曲目の「いちぢく」はEBIくんの作詞作曲だ。
EBI:これはね、アレンジが民生くんのアイデア。リズムとか、実験的ですよ。みんなで楽しそうにいろんなことやってくれて、嬉しいですよ。
川西:そうじゃなくて、EBIは時差ぼけで寝てるし。
阿部:音の出てないヘッドホンをつけてレコーディングしようとするし。
奥田:使いもんにならん。なのでEBIを差し置いて、代わりにやってやったのよ。この曲は地味めなリズムがいいと思ったから、ドラムじゃないものを使ったりしてレコーディングして。俺たちがそうやってバックを作ったのに、EBIは日本に帰ってきてからこっそり自分だけで歌入れしちゃって。できてるんだよ、いつの間に(笑)。
EMTG:♪和えかに咲く 果敢無き花♪とか、歌詞が面白い。
EBI:文学少年ですから。
奥田:どこがやねん。
川西:本読んでろとこ、見たことないよ!
奥田:ネットで難しい言葉とか、ずーっと探してたりね。
EBI:ネット世代ですからね(笑)。
EMTG:あはは。川西くん作詞作曲の5曲目「メダカの格好」も面白かった。
阿部:川西さんの曲って、理解するまでに時間がかかるんだよ。
奥田:パーツ、パーツになってるからね。
阿部:整理するとこから始まる。
手島:そうそう。最初のデモでは、どんな曲かわからんのですよ。
川西:自分でも、みんなよく拾ってくれるなって、常々思ってるんですよ。
奥田:それでも、凡人の俺たちには拾い切れないけどね。アレンジしてメインになる部分を入れると、普通になってしまってつまらなくなってしまう。川西さんしか作れない曲なんだよ。しかも、本人にしか歌えない。「ブルース」だって、本当はああいう曲じゃないのよね。
阿部:天才ですよ。
EBI:歌入れするまで分からないけど、川西さんの歌が入ると「あ、これでいいんだ」って思う(笑)。
EMTG:ユニコーンは本当にバラエティに富んだソングライターが揃ってるなあ、ま、よく言えば、だけど(笑)。
全員:(爆笑)。
阿部:日本に帰ってきて、録った曲の中から、最初に『ZII』に入れる曲を決めて。
手島:こっちに何を入れるか決めてから、『Z』を構成していった。
奥田:そういう意味では『ZII』は『Z』よりコンセプトがはっきりしてる。だから「こういうアルバムが作りたかった」って言ったんですよ。アルバムとはこういうものだと思いますよ。
EMTG:なるほど、そういう意味なんだ。
手島:タイトルは『Zくん』っていう案もあった。
EBI:『Zくん』、よかったのにな(笑)。
EMTG:(笑)そして始まるアリーナ・ツアーは?
奥田:『ZII』の曲はほとんどやりますよ。
EMTG:“センター”はテッシーのまま? それとも選挙するの?
奥田:センターはあくまでテッシーですよ。
手島:名義上ね(笑)
奥田:そんなことはない。テッシーは4番バッターですよ。今年の横浜の4番は、まったく打たないけど(笑)。
阿部:ただ、「テッシーの存在を脅かすライバル出現か?!」っていうのが出てくる可能性がある。
川西:“出し物”が変わるっていうか。
奥田:出し物っ~ていうな(笑)。ちゃんとしたライブだろが。
EMTG:「ユニコーンツアー 2011 ユニコーンがやって来るZZZ...」アリーナ編も楽しみにしてますっ。
【取材・文 平山雄一】

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リリース情報

ZII

ZII

2011年08月31日

KRE

ディスク:1
1. 手島いさむ大百科
2. レディオ体操
3. ぶたぶた (ZIIver)
4. いちじく
5. メダカの格好
6. 晴天ナリ
ディスク:2
1. デジタルスープ (Music Clip)
2. 頼みたいぜ (Music Clip)
3. Z LIFE (Music Clip)
4. SAMURAI 5 (Music Clip)
5. さらばビッチ (Music Clip)
6. ウルトラヘブン・スーパーマイルド (Music Clip)
7. AGONY (Music Clip)
8. 手島いさむ物語 (Music Clip)
9. Making of 手島いさむ物語 Music Clip
10. Uc Goes To Hollywood Part3 ~ Back to Japan

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お知らせ

ライブ情報

ユニコーンツアー2011 ユニコーンがやって来る zzz...
9/5(月) 日本武道館
9/6(火) 日本武道館
9/16(金) 名古屋日本ガイシホール
9/17(土) 名古屋日本ガイシホール
10/8(土) さいたまスーパーアリーナ
10/9(日) さいたまスーパーアリーナ
10/15(土)グリーンアリーナ
10/18(火)大阪城ホール
10/19(水)大阪城ホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください

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