9月末より全国ツアー(全49公演)が始まるゴスペラーズから新曲が到着!動画コメントも!

ゴスペラーズ | 2011.09.29

9月30日から、全49公演を行う全国ツアー「ゴスペラーズ坂ツアー2011~2012“ハモリズム”」がスタートするゴスペラーズ。
 本ツアー直前に発売となるニュー・シングル「BRIDGE」は、5人が歌い紡ぐミディアム・チューンだ。ゴスペル然とした空気感が特徴ながら、歌詞が心に降り積もり目の前に風景を描く、春の息吹のような生命力が感じられる1曲である。作詞はゴスペラーズ。作曲は村上てつや。東日本大震災の被災地復興への願いを込めた期間限定生産の新曲について、ゴスペラーズの5人が語る。

EMTG:「BRIDGE」は、チャリティーソングとしての発売ですね。
北山:震災の後、ゴスペラーズに出来る事って何だろう……って、メンバーそれぞれ考える事があったんですよ。これは、今、多くの人が考える事だとも思うんですね。そういう中で、毎年やっているSOUL POWERというイベントから派生したSOUL POWER ALLSTARSというグループのチャリティーソング「WE GOT SOUL POWER」に、ゴスペラーズも参加させてもらった。それが、すごくいい経験になって、実感として自分達の中に落ちてくるものがたくさんあったんです。この曲があって、実際、ゴスペラーズでも何かやりたいって足並みが揃ったところもあったと思います。それで、メンバー全員が、それぞれ曲を書いたんです。
安岡:震災復興への取り組みって本当にいろんな形があると思ったんですよ。でも、せっかくだから、ゴスペラーズを好きな人達にも協力してもらえたら……と思った。そう考えた時に、そういう僕らを好きな人達が待っているモノって、ライヴ以外では新曲だと思ったんですよね。それで曲を作ろう、ツアー前に出そうってなった時点で、スケジュール的には、もうかなりギリギリ、本当のタイムリミットに近かったんですよね。でも間に合うならやろう、と。
村上:それこそ、デモ楽曲を1日で1曲あげる、みたいな感じ。まぁ、俺がいちばん制作に時間がかかったんですけどね。
黒沢:で、結果としては、メンバー全員曲デモ楽曲を出した。でもそこには“1人1曲ね”なんてノルマは全然なくて。自然にみんなで、作ってみようって感じでしたね。曲調とかも決めずに、自分の中にある思いに結びつけばいいっていう。そういう思いは、曲を作る上で、全員にあったと思いますね。
EMTG:そういう曲の中で、「BRIDGE」が選ばれた決め手は?
酒井:全員がハンコを押せる曲だったっていうところなんじゃないですかね。やっぱり5人の曲を、5人の言葉をっていう方向に向かっていった中で、全員が“これだったら”って思える曲だった。それまでは、アルバムの制作という事もあったと思うんだけど、作曲で、新しいゴスペラーズの曲をっていうトライをしてると思うんですね。でも今回は、その方向じゃない……本当に、メンバー全員の……曲を作ると言う矢印が、求心力のように、ひとつの方向に集まったんじゃないかな、と。
黒沢:5人が同じ思いを持っていた、だから、出てきた曲、決まった曲に対しても、自分の思いを乗せやすかったというのはありますね。「BRIDGE」も、デモの段階では派手では無かったけど、今、僕たちが歌うべき歌は、こういう歌なのかなって思った。普段のシングルだったら、もうちょっと派手にしようよって意見も出てるかもしれないけど、今回はそうじゃなかったんですよね。あとは、やっぱり「BRIDGE」ってタイトルに、すごくインパクトあったんですよ。
EMTG:村上さん、タイトルも最初から「BRIDGE」で?
村上:そうですね。もう……本当にストレートに言いますけど、5月に5人で被災地に行って歌ってきたんですよ。いちばん被害が大きいと報道されていた地区の中のひとつに行ったんですね。そこで本当に、壊れた橋を見たっていう。僕らは、その地区の学校の体育館で歌わせてもらったんですけど、その街の中心部に行くのに、架設の橋みたいなのを渡って行ったんです。つまり、本当に、生活のための必要最小限の……コンクリートの、街のメインであろう橋も砕けて無かった。小さな橋なんて、もちろん微塵もない状態。強烈な光景でしたよ。この橋を、1個1個つなぐ……道がつながるっていうのが、まず何より必要なんだろうなって、そんなことを実感したんです。実感した事が大きくて。頭の中では、考える事があるかもしれない、大変だって思うかもしれないけど、実感するって、なかなか無いと思ったんですよね。だから、自分の中で、強烈に残ったんです。今回の曲も、例えばラブソングでもいいと思ったんですけど、やっぱりその光景から離れられなかったんですね。で、そういう自分に、嘘はついちゃいけないと思った。もちろん、普段嘘ついてるわけじゃないけど、なんていうのかな、曲を作るテクニックのひとつとして、こうすれば……こうなるだろう、聴いた人はこう感じるんじゃないか……みたいな意図を考える時もある。今回は、そういうものとは離れたいって思いが強くあったんです。本当に……大声を出そうって意味ではなく、腹から声出して歌える曲、そういう曲が必要なんだろう、と。こういう気持ちと「BRIDGE」って言葉が自分の中でつながった。あとは、僕、前のシングル「NEVER STOP」(本年5月発売)を作ってる頃に、「ディス・リトル・ライト・オブ・マイン」って曲を良く聴いていたんですよ。ゴスペルのスタンダードナンバーと言われる1曲で、ゴスペルとして歌われているんだけど、あまり抑揚の激しくない、どちらかといえば、讃美歌に近いような曲。この曲の歌詞が、日本語に訳すと“自分の中の小さなあかりをずっと絶やさずに、灯していきましょう、灯していきましょう、灯していきましょう”みたいな繰り返しで。この“ともしび”と“橋”っていうのが、自分の中で離れなくなったんですよね。曲を作った時点では、何がともしびなのかっていうところまでは、出てないんです。でも、とにかくともしびを掲げて、橋を渡す、と。言葉のイメージとしては、それだけで作っていった。できるだけ飾らないもので……って、作っていったんですよね。
EMTG:作詞クレジットが「ゴスペラーズ」になっているのも特徴。
村上:みんなで歌い継ぐって事が、この曲は大切だろうなと思っていて。で、この曲でいくって決まった時“まさに橋をつないで灯のリレーをするわけでしょ?”っていう歌詞の意味も含めて、じゃあやっぱり、歌詞も1人ずつ、全員で書こうと。各自が書けるだけ書いて、結果として、他のメンバーが書いた言葉を歌ってもいいじゃないか、と。そしたら、安岡と酒井が書いた歌詞の中に、同じような組み立てのストーリーがあって。それを軸にして、言葉をチョイスしながら、まとめていったんですね。そこから、歌詞に合うメンバーは誰かって話をしながら、歌うパートを決めていった。歌いだしが僕っていうのは、そこから曲を作っているから、決まっていたんだけど、あとは、物語を作って、みんなで、誰の声に合う、キャラに合うというと考えて決めていったんです。
EMTG:この曲の歌詞って、見えるものから、聴こえるものに移り変わっていってる、そこがすごくリアルに感じられました。街が日常を取り戻すことのひとつに、生活音とか雑踏とか、音が増えていくってあるんじゃないか、そういう、人間が元々持っている生命力みたいなものをイメージできる歌詞でした。
酒井: 実際、レコーディングでも、曲に生命力みたいなものが入ってくれないかなっていうことを思いながら歌っていたっていうのもありましたね。あと、レコーディングでいうと、コーラスの1本録りっていうのは、今回のトピックスかな、と。それで、生々しさというか……人間くささのようなものが、出てきてると思うから。
村上:リードは普通に1人ずつセパレートで録ってるんですけど、コーラスは全部、リード以外の4人で一斉に録ってるんですよ。
安岡:いわゆる1本マイクで、そこに4人向かって歌ってる。
村上:本当に空気感でいっているので、そこらへんの混じり具合に、ゴスペラーズの空気感が濃密に出てるかもしれないな、と。
安岡:この曲のメインボーカルは、基本、淡々とした朗読。何を言っているかがわかるかっていうのが大事で、そこが、この曲のすべてだと言ってもいいと思うんですよ。
EMTG:カップリングが「永遠に-a cappella -」。新作に「永遠に」のアカペラ・バージョンを収録した経緯は?
村上:今年の5月にテレビ番組で「永遠に」のアカペラ・バージョンを歌ったんですよ。それで、被災地に行った時にも、歌うことができたんですけど、やっぱりすごく……すごくこの楽曲と、アカペラの力みたいなものを感じたんです。聴いてくれた人が、喜んでくれたんですよね。だから、カップリングなら、この曲がいいんじゃないかと思ったんですよ。
北山:以前から、アカペラ曲のレパートリーを増やすっていうのが、今後、ゴスペラーズにとって、ひとつのテーマになってくるんじゃないかなんて話もしてて。そういう中で「永遠に」は、やっぱり、ゴスペラーズ的にはでかい曲だし。
村上:この曲をアカペラ作品としてリリースすれば、いろんな意味で喜んでくれる人が多いのではないか、と。そういう理由での「永遠に- a cappella -」。
EMTG:すべて録りなおしたんですよね。
村上:もちろん。まさか、黒沢のリードだけは、オリジナルバージョンです、なんてことはない(笑)。
黒沢:そんなことになったら……お願いですから、歌わせてくださいって言います、僕(笑)。なぜか俺だけ、レコーディング中、3日間、自宅待機とかって……うっわーっ。
村上:それは、やだな(笑)。
酒井:映像も、当時、2000年の黒沢薫と共演とかやったら面白いんじゃない?(一同大爆笑)
村上:でもこの曲、コード進行難しいからレコーディング大変でしたよ。改めて“アカペラ、つっれ?っ!”みたいな(一同爆笑)。
EMTG:原曲が、アカペラっぽい構成の曲じゃないですもんね。
村上:そうそうそう。
黒沢:全然終わらないんだよね、この曲。
北山:そう。ほんっと、終わらないアカペラっていうのを、久々に体験しました(一同笑)。

【 取材・文:伊藤亜希 】

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リリース情報

BRIDGE

BRIDGE

2011年09月28日

KRE

1. BRIDGE
2. 永遠に -a cappella-

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お知らせ

■ライブ情報

ゴスペラーズ坂ツアー2011?2012“ハモリズム”
2011/09/30 オリンパスホール八王子(新八王子市民会館)
2011/10/02 森のホール21(松戸市文化会館)
2011/10/05 コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
2011/10/08 茨城・小美玉市小川文化センター(アピオス)
2011/10/10 神奈川県民ホール 大ホール
2011/10/13 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール
2011/10/14 なら100年会館 大ホール
2011/10/16 神戸国際会館 こくさいホール
2011/10/20 大宮ソニックシティ 大ホール
2011/10/22 青森市文化会館
2011/10/23 秋田・能代市文化会館
2011/10/25 山形・天童市市民文化会館
2011/10/28 三重・四日市市文化会館 第1ホール
2011/10/29 岐阜・土岐市文化プラザ・サンホール
2011/11/02 宮崎・都城市総合文化ホール
2011/11/03 宝山ホール(鹿児島県文化センター)
2011/11/05 佐賀市文化会館
2011/11/06 アルモニーサンク北九州ソレイユホール(旧九州厚生年金会館)
2011/11/11 群馬・桐生市市民文化会館
2011/11/13 よこすか芸術劇場
2011/11/20 仙台サンプラザホール
2011/11/22 釧路市民文化会館(大ホール)
2011/11/24 ニトリ文化ホール(さっぽろ芸術文化の館)
2011/11/26 東京国際フォーラム ホールA
2011/11/27 東京国際フォーラム ホールA
2011/12/01 新潟県民会館
2011/12/03 本多の森ホール(旧石川厚生年金会館)
2011/12/04 福井・フェニックスプラザ
2011/12/09 広島ALSOKホール
2011/12/11 岡山・倉敷市民会館
2011/12/16 沖縄コンベンション劇場
2011/12/20 崇城大学市民ホール(熊本市民会館)
2011/12/21 福岡サンパレスホテル&ホール
2011/12/23 島根県民会館
2011/12/24 とりぎん文化会館(鳥取県民文化会館)梨花ホール
2011/12/26 高知県民文化ホール
2012/01/06 グランキューブ大阪 メインホール
2012/01/07 グランキューブ大阪 メインホール
2012/01/09 和歌山市民会館 大ホール
2012/01/12 静岡・富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
2012/01/14 名古屋国際会議場センチュリーホール
2012/01/15 名古屋国際会議場センチュリーホール
2012/01/17 埼玉・熊谷会館
2012/01/20 香川・サンポートホール高松
2012/01/21 徳島・鳴門市文化会館
2012/01/25 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
2012/01/27 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
2012/01/28 苗場プリンスホテル ブリザーディウム

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