ニューシングル「Present」は、flumpoolが今感じたことを真摯に伝えてくれるメッセージソング

flumpool | 2011.12.07

今年はアルバムリリース、ツアー、そして7月と9月にもシングルをリリースと、精力的に1年を駆け抜けてきたflumpool。そんな彼らが12月7日にシングル「Present」のリリースと、12月10、11日の2日間にわたるさいたまスーパーアリーナ公演で2011年を締めくくる。そこで彼らが伝えたかったことは何か? この1年を振り返りつつ、シングルと今年最後のライブにかける意気込みを話してもらった。

EMTG:クリスマス・シーズンに「Present」というシングルをリリースされますね。非常にタイムリーなんですが、前々からこの時期にシングルを出す予定はあったんですか?
山村隆太:突発的と言えば突発的かもしれないですね。順序的に言うと、まず12月10、11日にさいたまスーパーアリーナでのライブが決まったところから始まるんですよ。このライブをやろうと思ったのは、今年このまま終わりたくないっていう気持ちが強かったからなんです。で、せっかくライブが決まったんで、じゃあシングルをもう1枚、年内に出そうかと。そんな気持ちを歌にして届けたいと思ったのがリリースのキッカケでした。
EMTG:そもそも12月のライブをやることになったのも、かなり急でしたよね。
山村隆太:なかなかやりたくても出来る会場ではなかったんですけど、運良くその日なら出来るという話をいただきまして。前から今年の年末は、どこかでライブをやりたいと思ってたんです。
EMTG:ではシングルに話を戻しまして、今回は「Present」しかり、収録曲全体にクリスマスのテイストを感じますね。直球のカバー曲も入ってますし。
阪井一生:「Present」の原曲は前からあったんです。時期的にも寒い時期に作ったんで、12月に発表するなら、この曲がハマるんじゃないかと。アレンジもキラキラした感じになったし、さいたまスーパーアリーナでは自分達で演奏して、直接みんなに届けたいなって思いました。
EMTG:歌詞にはすごく普遍的な愛が表現されてるんですけど、楽曲のイメージは曲調から引き出されたんですか?
山村隆太:んー、今回はそういう感じじゃなく、素直に今思っていたことをそのまま書きました。いろんなことがあったし、今までの1年とは違いますよね。震災がその一番大きな理由だと思うんですが、その中で自分達自身も不安を感じたし、世の中にも辛いことや悲しいことも多かった――。ライブをやろうと思ったのも、その不安を抱えたまま年を越えたくないと思ったからなんです。もう一度今年経験したことを振り返って理解するっていうのかな。今年を振り返った時、今まで歌ってきた夢や希望というテーマが、今回は今ひとつピンとこなくて。やっぱり大変な時期に思い浮かぶ人や物事が全てだと思ったし、これまで見えてこなかった自分の中の大切なものも見えてきて……良くも悪くもね。そんな年だったからこそ、一番大切なのは身近にあるものや家族なんじゃないかって。そこにもう一度感謝しつつ、ライブや曲を通して、今まで支えてくれた人達や今年1年で新しく繋がれた絆をもう一度再確認したいと思ったんです。「Present」には特にそんな気持ちを乗せたいと思いました。
EMTG:確かに今年は、改めて絆というものについて考えた人はたくさんいたと思いますしね。特に歌詞の“皺くちゃになってもその手 握っていたい”っていうフレーズが暖かいなぁと感じました。
山村隆太:だからこそ深い意味でのラブソングを書きたいと思ったんです。単純に“好き”とか“嫌い”とか、感情を歌うだけのものにはしたくなくて。同性異性関わらずに、ずっと大切に抱きしめていられるものを書きたかったんですよ。それがそのフレーズになったんです。
EMTG:リズム隊のおふたりとしては、こういうバラードナンバーへのアプローチはどう考えましたか?
小倉誠司:ドラムに関しては、すんなり叩くだけではキレイ過ぎる曲で終わってしまうと思ったんです。それをバンドサウンドに持っていこうと考えながら叩きました。
尼川元気:いつも以上にストリングスがガッツリと入っているので、僕はストレートに弾いてます。
EMTG:そしてタイトルの「Present」ですが、表記もいろいろ考えられたと思います。日本語で“贈り物”でもよかったかもしれないし、そのあたりはいかがですか?
山村隆太:“Present”には英語で“現在”っていう意味もあるんですよ。“今あること”を伝えたいと思っていたし、ちょうどいい言葉かなと思って「Present」にしました。もちろん“贈り物”っていう意味はありますけど、今思ったことを形にしたくて作り始めた曲だったんで。
EMTG:続きましてカップリングの「『ありがとう』くらいじゃ伝えきれない気持ちを」についてですが、根底にあるものは「Present」と同じ……なのかな?
山村隆太:同じです! この曲はクリスマスソングに寄せて作りました。
阪井一生:僕もまさにクリスマスソングを作ろうと思って作曲したんです。イメージではかなり完成していたんですけど、実際に形にしようとするとイメージが違っていて悩みました(苦笑)。この曲にたどり着くまでに10曲ぐらい作りましたかね。
EMTG:そんなに!
阪井一生:リズムが跳ねているというか、街で自然と流れているような、そんなイメージで作ったんですけど……難しかったです。
EMTG:結果、大成功じゃないですか! 歌詞のテーマは「Present」も近いかもしれませんが、どう変化をつけましたか?
山村隆太:テーマとしては一緒でしたけど、時期的にもクリスマスソングを作りたいなってみんなで話し合って。歌詞もクリスマスの家族っていうイメージになったと思います。
EMTG:歌詞の最後にも、ちゃっかり“Present”という言葉も入ってますしね。
山村隆太:そうですね。もうどっちが“Present”でもおかしくなかった曲だと思います。
EMTG:アレンジは完全にクリスマスソングで、楽しそうなトラックになってますが、演奏している時の気分は? やっぱり楽しそうに演奏してました?(笑)。
小倉誠司:flumpoolではこういうシャッフルビートは初めてでしたし、自分としては久々に叩くリズムだったので、少し難しかった面もありました。でも、軽やかなビートって、ホントに叩いてると楽しくなるんですよ(笑)。もちろん聴いてくれる人も、この曲を聴いて楽しいクリスマスを迎えて欲しいと思いますね。
尼川元気:僕は鈴のリズムを意識しました(笑)。去年の冬にもクリスマスを感じさせるような曲(=「Snowy Nights Serenade~心までも繋ぎたい~」(昨年のFC限定DVDシングル(販売終了)、2010年12月15日~2010年12月28日の期間限定配信シングル)を出したんですけど、バラードだったので、今年はこういう曲が出来てよかったなと思います。
EMTG:3曲目のカバー曲は説明不要の王道ソング「Happy Xmas(War Is Over)」ですね。
山村隆太:はい。ここでもう1曲入れたくなって、それでこの時期に聴いて欲しい曲は何かを考えたんです。そこで、カバーはこれまでやってなかったし、いいんじゃないかと。で、ジョン・レノンの曲を選びました。僕にとってのクリスマスソングはやっぱりこれなので。あと、偶然ですが、リリース日もジョン・レノンの命日に近くて。カバーするにあたって、とても責任の重い曲だとは思ったんですけど、自分達も含め、日本の人達の心の平和を望みたくて、選びました。
EMTG:あとは、さいたまスーパーアリーナのライブで今年を締めくくっていただくわけですが、今回のシングルには初回限定盤に“わっしょいTENUGUI”がつきますね。これはライブで回してくれと?(笑)。
山村隆太:今回のライブは祭りのイメージが強くて(笑)。確かに辛いこともあったけど、最後はパーティーにしたいなって思うんですよ。その中で出てきたアイデアです。
EMTG:シメに2012年の抱負をひと言!
山村隆太:今回のさいたまのライブには、全国から来てくれる方も結構いらっしゃるんですよ。だから、来年はまた自分達の足で皆さんのところに行きたいです。やっぱりライブが全てだと思っているんで。できれば直接、音を届けにいきたいですね。

【 取材・文:海江敦士 】

tag一覧 シングル 男性ボーカル flumpool

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リリース情報

Present

Present

2011年12月07日

A-Sketch

1. Present
2. 『ありがとう』くらいじゃ伝えきれない気持ちを
3. Happy Xmas(War Is Over)
4. Present (Instrumental)
5. 『ありがとう』くらいじゃ伝えきれない気持ちを(Instrumental)

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■ライブ情報

3月31日(土) 埼玉:三郷市文化会館
4月01日(日) 神奈川:グリーンホール相模大野
4月07日(土) 徳島:鳴門市文化会館
4月08日(日) 香川:アルファあなぶきホール 大ホール(香川県県民ホール)
4月12日(木) 静岡:静岡市民文化会館
4月14日(土) 岐阜:長良川国際会議場
4月15日(日) 三重:四日市市文化会館
4月17日(火) 和歌山:和歌山市民会館
4月19日(木) 滋賀:びわ湖ホール
4月21日(土) 奈良:なら100年会館
4月28日(土) 大分:大分iichikoグランシアタ
4月30日(月・祝) 長崎:長崎ブリックホール
5月03日(木・祝) 長野:まつもと市民芸術館
5月05日(土) 宮城:仙台サンプラザホール
5月06日(日) 宮城:仙台サンプラザホール
5月11日(金) 石川:本多の森ホール (旧石川厚生年金会館)
5月13日(日) 福井:福井フェニックスプラザ 大ホール
5月18日(金) 熊本:崇城大学市民ホール(熊本市民会館)
5月20日(日) 鹿児島:鹿児島市民文化ホール第一
5月23日(水) 兵庫:神戸国際会館こくさいホール
5月26日(土) 高知:高知県民文化ホール オレンジホール
5月27日(日) 愛媛:松山市民会館 大ホール
5月31日(木) 岡山:倉敷市民会館
6月02日(土) 鳥取:米子コンベンションセンター BiG SHiP
6月09日(土) 東京:TOKYO DOME CITY HALL
6月10日(日) 東京:TOKYO DOME CITY HALL
6月16日(土) 秋田:秋田県民会館
6月23日(土) 神奈川:神奈川県立県民ホール
6月24日(日) 神奈川:神奈川県立県民ホール
6月30日(土) 福岡:福岡サンパレスホテル&ホール
7月01日(日) 福岡:福岡サンパレスホテル&ホール
7月07日(土) 新潟:新潟県民会館
7月08日(日) 新潟:新潟県民会館
7月14日(土) 北海道:ニトリ文化ホール(さっぽろ芸術文化の館)
7月16日(月・祝) 北海道:旭川市民文化会館 大ホール
7月28日(土) 山口:山口市民会館
7月30日(月) 広島:広島ALSOKホール
7月31日(火) 広島:広島ALSOKホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください

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