清水翔太feat.小田和正、こだわり抜いた名曲。42歳の歳の差コラボ。

清水翔太 | 2012.02.20

EMTG:2012年一発目のシングル「君さえいれば」は、小田和正さんとのコラボレート作品になる訳だけど、小田さんとご一緒することになったきっかけは?
清水:2009年に、『クリスマスの約束』っていう小田さんの番組にゲストとして呼んで頂いたのが出逢いのきっかけだったんです。そこで初めて小田さんとお会いして、そこからの2年間で少しずつ近寄って行きながら交流を深めさせて頂いた感じだったんです(笑)。なかなか僕も積極的に近寄っていけるタイプでもないし、小田さんもすごくもの静かな方なので、じわじわと距離を縮めていった感じでしたね(笑)。
今回は僕の方から、コラボレートしてほしいなっていう無理なお願いをしたところ、とても快く引き受けてくれたんです。小田さんは本当に良い方で、若い世代の人たちがいろんなことにチャレンジしていくことに対して、すごく協力的なんです。それもあって、今回も、僕の夢を叶えてくれようという想いで参加してくれたんだと思います。絶対に無理なお願いだと思っていたので、すごく光栄なことだと思ってます
EMTG:42歳の歳の差なんだって?
清水:はい。僕もいろんな方とコラボレートさせて頂いていますけど、こんなに大きく歳の差がある大先輩とは初めてなんでとにかく緊張しましたね。昔から小田さんは尊敬していた方でしたし、とにかく緊張しましたね。
EMTG:「君さえいれば」のクレジットは、翔太の作詞作曲で、小田さんが編曲とされているけど、どういう流れで制作されていったの?
清水:まず、2人でどういう曲がいいかっていうのをお話させてもらって、その後、僕が曲と歌詞を作って、完成した作品を小田さんに見てもらったんです。実はこの曲の他にもう1曲あったんですが、小田さんがこの曲を選んでくれて、楽曲に少し違うフレーズやアレンジを加えて下さったり、歌詞に少し手を加えて下さったりした形で戻してくれたんです。そこからミュージシャンの方も含めいろいろと音を煮詰めていき、出来上がったという流れでしたね。
EMTG:直接のやり取りの中で印象的だったことってあった?
清水:いっぱいありましたよ。特に歌詞に関してはすごく感じるモノがありましたね。小田さん的に歌詞でこだわっているところは、より具体的に書くことらしいんです。“何故か切ない”とか“何故か寂しい”っていうような、なんとなくぼんやりしている曖昧な表現は良くないって言われたんです。
その“何故か”を、より具体的に表現すべきだっていうのを教わったんです。その“何故か”こそが大事だって。なるほどなって思いましたね。すごく印象深かったのは、最初に僕の歌詞を読んでくれたとき、【少年は静かに大人になった】っていうフレーズが気に入ったって言ってくれたんです。もぉ、“イェ?イ!やったぁ!”って感じで(笑)、純粋に嬉しかったですね。今回、小田さんと一緒に歌わせてもらうっていうのを意識して書いた曲と歌詞だったので、僕の中に常に小田さんがあったんです。
EMTG:【少年は静かに大人になった】っていうのは小田さんのこと!?
清水:あははは。いや、そういう訳じゃないんですけど(笑)。でも、たしかに、小田さんは静かに大人になった感じしますよね(笑)。いやいや、でも、そこまで具体的に小田さんを思い浮かべながら書いたというより、なんだろうな、歌を歌う道を選んだ僕の中で、小田さんはすごく大きな存在の人だなって感じたことが、【君さえいれば ただそれだけでいきてゆける気がする 僕は強くなる】っていう言葉になっているような気がするんです。【少年は静かに大人になった】っていうフレーズも、そんな中にあるひとつの想いだったというか。
EMTG:とらえ方によってはラブソングにも聞こえる歌詞でもあるしね。
清水:そうなんですよ。僕にとって大切な人でもある小田さんへの想いを書いたモノではあるけど、好きな人や愛する人に置き換えて聴いてもらえると思いますね。“君”が人ではなく、夢や目標であってもいいし。何か大切な存在があることで、笑えるし、光が見えてくると思うし、強くなれる。そんな気持ちが伝わってくれるんじゃないかなと思います。
この歌詞は、僕がこの曲を作ったときの、本当に正直な気持ちだったりするんです。小田さんとご一緒したいっていう想いがすごく強かったのもあって、逆にどういう作品を作ったらいいのかすごく悩んだんです。プレッシャーもありましたし、ギリギリまで悩んだんですけど、あぁ、そうだ、この気持ちを素直に作品にすればいいんだ!と思ってこの曲を作ったんです。
この世界に飛び込んで、すごく素敵な景色を見られる反面、いろいろと上手くいかないことや、いろんなしがらみや、作品を生み出す苦労もあったりするし、壁にぶつかることもあるし、まだまだ苦労が足りない自分がこんなことを言うのは甘えてると思うんですけど、少し疲れてしまっていた自分も居たんです。けど、憧れの先輩でもあった小田さんと一緒に歌えることで、何かが変わるんじゃないかって思えたんです。その想いをそのまま曲と歌詞にしたのが「君さえいれば」なんです。だから、僕にとって、この歌詞の中の“君”は、小田さんなんです。
EMTG:なるほど。まさに、翔太にとって小田さんは光だったんだね。
清水:そうなんです!実際に声を重ねてみて、改めて小田さんの存在のすごさに気づきましたね。
EMTG:声の存在感がすごいからね。あの透き通る声は唯一無二だと思う。けど、翔太の声の丸みとあたたかみも、小田さんの声に負けていない存在感を放っていたし。
清水:ありがとうございます。でも本当に勉強になりました。完成させるまで気が抜けなかったというか。作り始めてからずっと試行錯誤してた感じだったので。
EMTG:それだけ翔太の中で大きなモノだったってことだよね。
清水:そうなんですよ。自分の中であまりにも大き過ぎたんで、正直、今、大仕事を終えた後の状態になってて、何もする気がなくなってるんです(笑)
EMTG:あははは。それは困るね、この先には4枚目のアルバムのリリースも控えてるんだから(笑)!
清水:ですよね(笑)。でも、ホント、達成感というか、満足感に浸ってるというか、達観した想いがあって、正直次のステップになかなか進めないっていうか、やっとホッとしたんですよ(笑)。だから、今は何もやる気がないというか(笑)。ま、でも、いつまでもそんな満足感に浸っていてはダメなので、そろそろ頑張り始めようかと思ってますけど(笑)。
本当にこの先歌い続けていく意味と幸せと大切さを再確認させてもらった1曲になりましたね。そんなひとつの節目をもらえた1曲だったので、アルバムにはその先の清水翔太を感じてもらえると思います。僕には、やらなくちゃいけないこともないし、やってはいけないこともないんだなって気づけたというか。清水翔太サウンドでありつつも、他に居ないんじゃないかな?っていうことにもチャレンジしてたり、原点回帰であったりもしますので、楽しみにしててほしいですね。
EMTG:なるほど。カップリングの「Get Over U」は?随分難易度の高い楽曲だよね。
清水:そうなんです!この曲は、1年半前くらいに作ってストックしてあったお気に入りの曲で、本当はアルバムの中に入れようと思っていた曲でもあったんです。でも、アルバムの中に入れてしまうとライヴで歌わなくちゃいけないじゃないですか!けど、この曲、相当難しくてライヴでは歌えないというか(笑)。難しいというか、作り方が全体像を考えて流れで作っていったんじゃなく、部分部分で“いいな”と思ったトラックをいくつも作っていって、それを後から繋ぎあわせていくという作り方をしていったのもあって、通して歌うということをまったく考えずに作った楽曲だったんです。だから、すごく歌い辛いんですよ。
レコーディングではちゃんと流れで歌ってはいるんですけど、1曲歌い切るのは至難の業で(笑)。ぜひ、カラオケで挑戦してみて下さい!とにかく実際に歌うと難しさが伝わると思います。それもあって、これは音源でじっくりと聴いてもらう1曲にしようということで、アルバムではなくカップリング曲としてここに入れることにしたんです。歌詞も失った恋に対しての未練がいっぱい詰まっているので、そんな深い後悔を、ぜひじっくりと聴いてみて下さい(笑)!
EMTG:はい(笑)。曲調としてはすごく翔太らしい1曲だからね。そして。3曲目には中島みゆきさんの「化粧」が収録されていますが。
清水:今から3、4年くらい前かな。たまたま聴いて、衝撃を受けたんです。なんじゃコレ!?って思ったんです。こんな泣ける曲が世の中にあるのか!?って。歌詞もメロディも全部が泣けたんです。こんな歌詞、今の時代に書ける人居ないんじゃないかなって。歌ってみたいって思ったんです。いままでは自分の作った曲と歌詞を歌ってきたけど、プロの歌い手として、言葉や感情を歌に乗せるというか、演じることもやってみたいなと思ったんです。
EMTG:なるほど。自分の歌詞は、演じるという感覚ではないからね。
清水:そうなんです。自分が作って自分が歌う歌は、そのままの感情なので、歌い方で見せていくほうに力が入っていたというか。
EMTG:フェイクとかね。
清水:そうですそうです。メロディの動きとかね。でも、今、すごくやってみたいなと思っているのは、歌の中にあるドラマをただただ鮮明に表現してみたいなっていうところなんです。まさに自分がやりたかったことに、この曲はピッタリだったんですよ。感情をそのまま伝えたかったこともあり、ピアノだけで一発録りしたんです。一発録りならではの緊張感も伝わると思いますね。今回はシングルですが、いろんな清水翔太を見せられた1枚だと思うので、ぜひ、多くの方に楽しんでいただけたらと思います。

【取材・文:武市尚子】

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リリース情報

君さえいれば(初回限定盤)

君さえいれば(初回限定盤)

2012年02月22日

SMR

1. 君さえいれば
2. Get Over U
3. 化粧
4. 君さえいれば -instrumental-

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アイスの賞味期限
最近検索したのは【アイスの賞味期限】です(笑)。
僕、冬にアイスクリームを食べるのが好きなんですけど、今年の冬は特にハマっちゃったんです。買い物に行くと必ずたくさん買い込んで、冷凍庫にストックしておくんですけど、ある日、ふと、“アイスクリームにも賞味期限ってあるのかな?”って思って、ネットで調べてみたんですよ。
そしたら、あったんです!でも、結構長くて安心したんですよね(笑)。ってことで。清水翔太今年の冬一押しアイスを言わせてもらってもいいですか!?
今年の一押しは、『ガリガリ君』の【夕張メロンミルク味 チョコチップ】です!これめちゃめちゃ美味しいですから!美味し過ぎてあんまり売ってないですから!間違いないです。食べてみて下さい!あ、1つ注意が。普通『ガリガリ君』は80円なんですけど、これは【リッチ】なんで、100円でリッチなんで、80円だけ持って買いに行くと買えないので、103円持って買いに行って下さいね!間違いなく美味しいですから(絶賛)!

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