清水翔太、4枚目のアルバム「Naturally」リリース!

清水翔太 | 2012.03.22

4枚目のアルバム『Naturally』で清水翔太がかかげたテーマは“自然体”。素直に好きな音楽に向き合って生まれてきたサウンドは、まさに彼の原液とも言うべきもの。本格派のR&Bのグルーヴに加え、感情のほとばしるソウルフルなボーカルは必聴!同世代からの絶大な支持を集めてきた彼が、さらに幅広い層に訴えかけることになりそうだ。今回はアルバム収録曲の中から、ポイントになりそうな曲を中心に語ってもらい、制作における心の変化をさらけだしてもらった。

EMTG:まず、象徴的なアルバムタイトルの『Naturally』の意味をおききしたいんですが。
清水:一番主な理由は“自然体の清水翔太”っていう意味です。全体的なテーマに原点回帰っていうのがあって、それは自分にとってデビュー前を意味する部分でもあるんですよ。デビューしてプロになって、求められるものがあまりに多かったし、いろんなことに気をつかいすぎたってことは、3枚目のアルバム(=『COLIRS』)取材でも話してたんですけど。そもそもデビュー前、大阪でひとりで曲を作ってた頃って、今より機材もショボかったし、知識も技術もなかったのに、それでもどこか惹かれるものがあって。だから、ムリにいい感じに曲を作ろうとせず、とにかく音楽が好きで、曲を作りたいっていう衝動と向き合って制作したいと思ったんです。
EMTG:『COLORS』からの流れが、より明確になった感じですね。
清水:今の時代、何でも修正できるし、何をするにしても“それっぽく見せる”ことができるじゃないですか。でも、そこに寄りすぎると、何が自分なのか分からなくなるというか。そうやって作りすぎた自分がパブリックイメージになってしまって、“そういうんじゃないんだけどな、ホントは”って気持ちがずっとあったわけです。だから、本当の自分自身で作品を作らないと意味がないって気づいたんです。そもそもアーティストって本来、自然体の自分を見せることなんじゃないかと。それで、無理矢理にでも“清水翔太”っていうひとりの人間でありたいと思ったんですね。そう思った時から“自然体でいる”ことが大きなテーマになっていたので、それをアルバムタイトルにしました。
EMTG:自然体になるまでに、かなりの時間がかかったんですね。
清水:難しいことだと思います。もちろん音楽業界もビジネスですし。その分、ミュージシャンとして腹をくくる部分もありますけどね。音楽1本でやってるんだっていうプライドや、それを裏付ける技術やパフォーマンスが必要ですから。そういう覚悟をもってしても、自然体ってすごく大事だなって思います。
EMTG:結果“清水翔太が好きな音楽”が、すごく出た作品になりましたね。サウンド的にも、ブラックミュージックを掘り下げた人にはたまらないトラックだと思いますよ。まず個人的に注目したのは「Gamble」。妖しげなタイトルでセクシーチューンかと思ったら、そうではなかったという(笑)。
清水:「Gamble」っていうワードからして、清水翔太のイメージとは離れた感じですからね(笑)。ただ、ここでは遊び心をメインにまとめました。
EMTG:6曲目の「Overflow」では、ファルセットや後半のフェイクが鳥肌ものですね。
清水:この曲では、違う自分を引き出せたかな。アルバムのポイントになる曲だと思うんですが、歌のテイクがこれまでと違うんです。というのも、僕って基本的にキレイな歌が好きなんですよ。細かいところまで気になるので、いつもキレイに歌おうとしてたんです。
EMTG:要するに丁寧に歌っていたと。
清水:はい。でも、最終的にはライブが大事だなって思うんですよ。いろんな人からも清水翔太はライブがいいって言っていただいて、じゃあ何がいいのかって言ったら、その瞬間のソウルがあるからで。CDになると何テイクも録れるんで、ソウルが薄れる部分があるような気がしたんですね。それで、小田(和正)さんとコラボしたシングル(=「君さえいれば」)のカップリングでは中島みゆきさんの「化粧」をカバーして、そこで一発録りをしてみたり。歌の録り方を変えてみようって思ってた時期だったんです。多少荒削りでもソウルを感じるような、ライブをそのまま収録するような感じで録れたらいいなと。
EMTG:この曲はこの先、ライブで歌ってもCD通りにはならないでしょうね。
清水:いつもはフェイクもレコーディング前に考えたりするんですよ。でも、これはもうノリで全部バーッて録ってみて“いいや、これで”っていう(笑)。
EMTG:いい意味でね(笑)。で、これはどうしても突っ込みたかったんですが、ある意味、清水翔太らしい楽曲となった「your song」……この歌詞の中で「どんな歌も僕が君に歌うこの歌には敵わないんだよ」ってフレーズがあるんですが、これ、前々回の取材で“マイ検索ワード”で検索した“敵わない”のことですよね。
清水:あー、そうだ!この曲ですよ!
EMTG:ちょうど取材した時に、この曲を作ってたんだっていうのがリアルに伝わったんで、嬉しかったです(笑)。
清水:よく気づきましたね(笑)。この曲で苦労したのはその“敵わない”の部分だけで(笑)、トラック自体はまさにザ・清水翔太だと思います。ちょっと弱気な男性の恋愛を表現していて。今回、はっちゃけた収録曲が多いんで、少しはザ・清水翔太っていうか、天使側の顔も入れておかないと(笑)。
EMTG:(笑)。クールでソウルフルな部分もあれば、クリーンな清水翔太も存在するのは事実ですから。あと、9曲目の「Picture Perfect」も気になります。これ、すごく売れっ子の女性アーティストを描いているような歌詞なんですが……モデルは実在するんでしょうか?
清水:基本的にはいないんです(笑)。この曲では自分にとって現実味のないことを歌いたくて。僕って、身近なことばかり書いてきたんで、逆に全然知らないことを書いてみたくなったんです。そういうことをしないと、ソングライターとして成長できないような気がして。もっと遠い世界のこととか、本当は存在しないものとか。そういうものを書いてみようと思ったんです。
EMTG:歌詞では、華やかな世界で活きながら孤独を感じる主人公が描かれてますね。
清水:実は少しだけ、自分の中の目標があって。artist’s artistっていうか、自分と同じアーティストの人達から尊敬されたり、愛される作品も作ってみたいなと。実際にこれを聴いた同業の方達が共感してくれたら面白いなって思ってました。だって、一般の人は共感しづらいじゃないですか。これまではそういう曲って、絶対に書かなかったんですけど。
EMTG:なるほど。一方、10曲目の「Only me, Only you」は、ジャジーな曲で、これはご自身のルーツを感じる曲ですね。
清水:1stアルバム(=『Umbrella』)でジャズを1回やってますけど、僕自身はジャズが大好きなんです。でも、自分の作風からすると、こういう曲をアルバムに入れるのは、かなり飛び道具なんですよね。今回は久々に“やるか!”って感じで(笑)。
EMTG:チャレンジも多くされたんですね。で、アルバム最後に「マダオワラナイ」でシメてるのもいいなと思いました。
清水:この位置しかなかったです(笑)。結構新しいパターンですよ。今までアルバムはしっとりした曲で終わってたんで、最後にひとアゲするのは新しいですね。また頭から聴こうかなっていう感じになるかなと思って。
EMTG:そのアルバムをかかげたツアーも予定されてますが、ツアー前半がライブハウスで後半がホール(最終日は7月の日本武道館)ですよね。これって内容も変わるんですか?
清水:内容は変わらないと思いますよ。ただ、武道館はもしかしたらゲストが来るかもしれないですけど……それは僕の4年間の人徳がどう活きてくるかですね(笑)。あ、でも先に言っておきたいのは、シングルでコラボした小田(和正)さんが来てくれるんじゃないかってみんな期待すると思うけど、ツアー中はないです(笑)。まぁ、武道館はわからないですけどね(笑)。
EMTG:あったら楽しいですね。でもやっぱりこの『Naturally』を生で再現しているライブはじっくり体験したいです。
清水:僕が音を奏でている姿……ただ、それだけを見てもらえれば満足です。別に派手な演出も映像もいらないし、オシャレな衣装をたくさん着替える必要もないし、ただ音を奏でて歌っているっていう。歌そのものでお客さんを楽しませたいと思ってます。

【取材・文:海江敦士】

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ビデオコメント

リリース情報

Naturally(初回盤)

Naturally(初回盤)

2012年03月21日

SMR

ディスク:1
1. Get Back
2. The Day
3. 君さえいれば w/小田和正
4. Gamble
5. love
6. Overflow
7. your song
8. 冬が終わる前に
9. Picture Perfect
10. Only me, Only you
11. Tonight
12. マダオワラナイ
ディスク:2
1. love (Music Video)
2. マダオワラナイ (Music Video)
3. 冬が終わる前に (Music Video)
4. 君さえいれば w/小田和正 (Music Video)
5. Commentary of Naturally

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清水翔太 痩せた
最近、アルバム制作も終わったので、少し時間が出来たのでダイエットを始めたんです。3週間で6kgくらい体重が落ちました(笑)。痩せてからテレビや雑誌などはまだほとんど出てないんですが、体重が増えるとネット上で“清水翔太 太った”みたいなことを言われるんで(苦笑)、それがちょっと不本意で。
6kg痩せたんで次は誰か“清水翔太 痩せた”って言ってないかなって思って検索しました(笑)。結果は……ヒットしなかったです(笑)。

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