『GOLD』と『SILVER』。ネクストレベルへの架け橋を担った、Hilcrhymeの2種の光輝くベスト盤

Hilcrhyme | 2012.04.26

 Hilcrhymeがデビュー3周年を迎え、シングル曲を中心とした『Best of Hilcrhyme~GOLD~』、カップリング曲を中心とした『Best of Hilcrhyme~SILVER~』、さらにその2枚をセットにしてDVDとライヴヒストリー写真集も付けた『Best of Hilcrhyme~BEST RAP~』の3種類のベスト・アルバムをリリースした。 おなじみのヒット曲に加え、彼らの様々な音楽性や、これまでのチャレンジが、余すところなく詰め込まれたこの盤たちは、まさにHilcrhymeの、これまでの3年間の集大成ともいうべき輝きを、それぞれが放っている。

EMTG:メジャー・デビューから約3年経って、今回ベスト・アルバムをリリースすることになったいきさつから教えて下さい。
TOC:“ひと区切り”という意味合いはありますね。たぶんそれがいちばん大きいんじゃないかな。メジャー・デビューから3年経って、アルバムを3枚出して、ツアーも3回やって、ここで一度、いい意味で精算したかったというか。次への架け橋的なベスト盤という解釈です。
DJ KATSU:3年やってきて、4年目からもっと上に行くために、いろいろと考えることもあって、その4年目からの新しい動きに対しての、ひとつの区切りかなと思っています。
EMTG:今回、『GOLD』と『SILVER』の2種類のベスト盤に分けて制作されたのには、どういう思いがあるのでしょうか?
TOC:『GOLD』はシングル曲をリリース順に並べたのと、あと全国ツアーでファン投票をして、人気が高かったり、自分たちも入れたいと思った曲を収録しています。一方『SILVER』は、今までに出したカップリング曲とボーナス・トラックを全部入れて、1枚のアルバムに仕立てました。たぶん『SILVER』というものの存在が大きいですね、自分たちにとっては。以前からカップリング曲ばかりを集めたアルバムは作りたいと思っていて、あえてアルバムには、あまり入れてこなかったんです。それで今回ベスト盤の話が出てきて、じゃあ、カップリング曲を中心に集めた盤も一緒に出そうと。『GOLD』を買って興味を持ってくれた人が、『SILVER』も聴いてくれて、”あ、こんな一面もあるんだ…”と、更に自分たちを知ってもらいたかったところもあったし。むしろ『SILVER』が元になって、『GOLD』ができたといっても過言じゃないほど、『SILVER』もぼくたちにとって大切な作品なんです。そして、どっちも光り輝いているという意味で、この『GOLD』と『SILVER』というタイトルにしました。
EMTG:『SILVER』は、カップリング曲の集合体にもかかわらず、アルバムとしてすごくストーリーがありますよね。
TOC:実は4枚目のシングルあたりから、カップリング・アルバムを作ることを狙っていたから、5枚目からは、アルバムを意識して曲作りをしてました。だから、アルバムとしてもちゃんと成立できたなとは思っています。
EMTG:実際、こういう形でこれまでの3年間を総括してみて、いかがでした?
TOC:年表みたいなアルバムだなと。実際、『BEST RAP』の方には年代順の写真集もついているし(笑)。それでこの3年間を振り返って、一言で表わすと “あがいていた”って感じかな。
EMTG:外から見ていると、「春夏秋冬」でブレイクして、そのまま順風満帆だったようなイメージがありますが。
TOC:その時は順風満帆でした(笑)。でもそこからあがき、もがきましたね。商業ベースで音楽を鳴らすことについての変な概念があったし、何もわかっていなかったから。「臆病な狼」とかは、その象徴だなって、今となっては思っています。でも、それがあったおかげで、100パーセントとはいえないけど、すごく冷静にいることができてるんじゃないかな。
DJ KATSU:デビュー当時は、トラック・メイカーとして、技術的にもまだまだでしたからね。でもこの3年間で、一流の人たちと一緒に音楽を作らせていただいた結果、吸収することがすごくいっぱいあって。それこそ今年の目標は、それを形にしていくということですから。今は、そのための変化や、新しい試みもどんどん試しているので、そういった確実に次に繋がる作品を作ってこれたということは、このベスト盤を聴いて実感しました。
EMTG:『GOLD』には、「春夏秋冬」のフルオーケストラver.がボーナス・トラックとして収録されていますね。
TOC:オーケストラとのレコーディングは、ディレクターからの提案だったんですけど、やってみたいなって思いました。今回新たにミュージックビデオも作りましたけど、元の「春夏秋冬」のミュージックビデオは、デビュー直後ということもあって、撮影のことをあまり覚えていないんです。フワフワしてたというか。“ディレクターって、何?”とか(笑)。とてもいいビデオなんですけど、自分はただ演じただけなんで。それに対して今回は、<自分はこういう風にしたい>というのをディレクターと話し合い、理解して、ちゃんと消化した上で、演者としてもキチンと演じることができました。「春夏秋冬」という曲を、もう一度見つめ直せたなという感覚はありますね。
EMTG:フル・オーケストラとの共演って、ヒップ・ホップからは最も遠いところにあるじゃないですか。でもそういうバージョンができて、楽曲としても素晴らしいのが、とても興味深かったです。
TOC:実は、オレらは“ラップ・ユニット”とは言ってたけど、「ヒップ・ホップ・ユニットだ!!」、なんてことは一度も言ったことはなくて。一般的認知としては、ヒップ・ホップ=ラップかもしれないけど、オレらにとっては、全然違う。特にKATSUは、ずっとヒップ・ホップ畑でやってきた男じゃないから、Hilcrhymeはヒップ・ホップではなくて、いろんなトラックに乗ってるラップなんです。そこをちゃんと言いたくて。フルオーケストラver.は、ある意味その象徴かなと。
EMTG:一方、『SILVER』には、「内容のない手紙」のセルフ・カバーと、ライブでのインストゥルメンタル・トラックが2曲収録されていますね。
TOC:「内容のない手紙」は、NEWSに提供した楽曲のセルフ・カバーです。NEWSを意識して作ったんですけど、オレたちの王道の曲だなという感覚があります。
DJ KATSU:インスト曲は、2枚目と3枚目のアルバムに入っている曲のライブ・バージョンなんですけど、『SILVER』というアルバムには合うんじゃないかと思って、今回収録しました。Hilcrhymeは知っているけど、カップリング曲は知らない、ライブに行ったことがないという人もたくさんいるだろうと思って、”ライブではこんなこともやっていますよ”ということが、これで少しでも広まってくれれば嬉しいですね。
EMTG:ではこのベスト・アルバムで、ファンの人に伝えたいメッセージなどはありますか?
TOC:(ファンの人には)“これ聴いて、ちょっと待っててね”、かな(笑)。まっ、そのためのベスト盤でもあります。これで今までを振り返ってもらいつつ、次のシングルを待っててね、と。あと、今までHilcrhymeを名前しか、もしくは数曲しか知らなかった人に対しては、1枚だけでいいから、ぜひ聴いてみてほしいなとは思ってます。少し踏み込んで、聴いてみてほしいですね。
DJ KATSU:3年間がきれいに詰まっていると思います。いいものって、人に教えたくなるじゃないですか。Hilcrhymeが少しでもいいなと思ってくれている人が、友達に教えるのには、いちばん適したアルバムだと思います。これをきっかけに、Hilcrhymeの深い部分も広めていきたいので、『GOLD』から入って、ぜひ『SILVER』にまでいってほしいです。絶対後悔はさせませんから。

【取材・文:熊谷美広】

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リリース情報

Best of Hilcrhyme~BEST RAP~(初回盤)

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Best of Hilcrhyme~BEST RAP~(初回盤)

発売日: 2012年04月25日

価格: ¥ 5,696(本体)+税

レーベル: ユニバーサルJ

収録曲

ディスク:1
1. 純也と真菜実
2. 春夏秋冬
3. もうバイバイ
4. 大丈夫
5. ルーズリーフ
6. トラヴェルマシン
7. 臆病な狼
8. no one
9. パーソナルCOLOR
10. チャイルドプレイ
11. BOYHOOD
12. RIDERS HIGH
13. No.109
14. Changes
15. マイクリスマスキャロル
16. 春夏秋冬 ~フルオーケストラver.~
ディスク:2
1. 朱ノ鷺
2. Little Samba~情熱の金曜日~
3. 友よ
4. 光
5. 息吹
6. East Area
7. 押韻見聞録
8. ♪メリーゴーラン♪
9. ツボミ
10. Please Cry
11. 内容の無い手紙
12. SKY DRIVE at ”MESSAGE TOUR 2011”
13. Extraction -Instrumental- at ”RISING TOUR 2012”

+DVD(MUSIC VIDEO収録)+豪華ライブ写真集

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Best of Hilcrhyme~GOLD~

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Best of Hilcrhyme~GOLD~

発売日: 2012年04月25日

価格: ¥ 2,914(本体)+税

レーベル: ユニバーサルJ

収録曲

1. 純也と真菜実
2. 春夏秋冬
3. もうバイバイ
4. 大丈夫
5. ルーズリーフ
6. トラヴェルマシン
7. 臆病な狼
8. no one
9. パーソナルCOLOR
10. チャイルドプレイ
11. BOYHOOD
12. RIDERS HIGH
13. No.109
14. Changes
15. マイクリスマスキャロル
16. 春夏秋冬 ~フルオーケストラver.~

リリース情報

Best of Hilcrhyme~SILVER~

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Best of Hilcrhyme~SILVER~

発売日: 2012年04月25日

価格: ¥ 2,753(本体)+税

レーベル: ユニバーサルJ

収録曲

1. 朱ノ鷺
2. Little Samba~情熱の金曜日~
3. 友よ
4. 光
5. 息吹
6. East Area
7. 押韻見聞録
8. ♪メリーゴーラン♪
9. ツボミ
10. Please Cry
11. 内容の無い手紙
12. SKY DRIVE at ”MESSAGE TOUR 2011”
13. Extraction -Instrumental- at ”RISING TOUR 2012”

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コレット・カー(Colette Carr)

女性アーティストなんですけど、YouTubeで見て、CDが欲しくなって、カタカナで打ったり、アルファベットで打ったり、いろいろと検索したんですけど、なかなか上手く探し切れず。アメリカのCherrytreeというレーベルから出ている、というところまではたどり着いたんですけど、日本ではまだCDは売っていないし、配信もしていないみたいなんです。なんとかCDがほしいですね。

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