布袋寅泰、オーケストラと共演するスーパーライブについて語る!

布袋寅泰 | 2012.05.25

 話題のライブ 布袋寅泰 GREATEST SUPER LIVE“GUITAR × SYMPHONY”にロンドンから参加するリズム・セクションのメンバーが決定した。ドラムはIan Thomas。エリック・クラプトンやスティングなど名立たるアーティストと共演していて、布袋寅泰も彼に絶大なる信頼を寄せている。ベースはJerry Meehan。一昨年のFuji Rock Festival2010で実現した布袋とロキシー・ミュージックの共演の際、Jerryはロキシーの一員として来日していた。彼はまたブライアン・フェリーのソロ活動でもベースを担当している。イギリスのロックシーンを代表する二人のグルーヴは、布袋とシンフォニーが融合して生まれるサウンドワールドを、大きく広げてくれるに違いない。

 今年2月1日の50才バースデー・ライブで30thアニバーサリーイヤーを見事に締めくくった布袋の、新たな一歩と言える“GUITAR × SYMPHONY”のオフィシャル・インタビューは現在、彼のホームページにアップされているが、今回のメンバー決定を受けてEMTG MUSICではそこでは掲載しきれなかった部分を特別に掲載することになった。この貴重なインタビューを読んで“GUITAR × SYMPHONY”に興味を抱いた人は、武道館に足を運ぶべし!

EMTG:いよいよメンバーが決定しましたが。
布袋:Ian ThomasとJerry Meehan。最高です。アレンジ&指揮のサイモン・ヘイルの仲間たちだから、基本的にはネームバリューだけでなく、本当にいいミュージシャンです。この3人でバンドを組みたいぐらい。海外アーティストとやると「行くところまで行ける」から、僕のギターも変わるんですよね。すごく楽しみです。
EMTG:アレンジとオーケストラの指揮を取るサイモン・ヘイルには、どんなことを期待していますか?
布袋:年齢的にはサイモンの方が2つ下くらい、僕が少し上ですかね。彼はイギリスの音楽シーンで活躍している人なので、ロンドンのミュージカルや演劇の要素がアレンジの中に入ってくると思います。クイーンにしてもどこか演劇的ですよね。ロンドンらしさが絶対に出てくると思う。
EMTG:ロック+オーケストラというスタイルでインスピレーションを受けた作品はありますか?
布袋:スティングもそうだし、メタリカやピーター・ゲイブリエルとか、最近、ロックピース+オーケストラっていくつかの名演があるじゃないですか。メタリカはマイケル・ケイメンがアレンジしてたんですよ。あれはギター・リフをストリングスに起こしていて、素晴らしかった。なので、自分もいつかはやりたいなと思ってました。僕にはいろんな夢があるけれど、オーケストラとの共演というのも大きな夢の一つであったので、とても今回嬉しいんですよね。
EMTG:布袋さんが初めてオーケストラと共演したのは、いつだったんですか?
布袋:“愛・地球博”が初めてのオーケストラとの共演だったんだけれども、まだその時は自分もつたなかったのもあるし、オーケストラとの共演の醍醐味を100%生かしたコンサートには力が及ばなかった部分もあって、いつか絶対リベンジじゃないけれど完璧な形でやりたいなと思ってました。
EMTG:“愛・地球博”ではどんなところが難しかったんですか?
布袋:バンドに対してオーケストラがいて、“バンドVSオーケストラ”というか、バンドがオーケストラにオンしている感じだった。でも今回はオーケストラの中にバンドが入っていくという感じ。僕もオーケストラの一部になるときもある。“VS”じゃなくオーケストラとともに表現する。それは大きな違いですね。
EMTG:今回は歌いながら弾くわけですけど。
布袋:僕はいわゆるギタリスト&ボーカリストであって、そういうギタリストだから出来る事ってすごく多いと思うんですよ。実際、バンドでツアーをやっていても、“バンドと僕”じゃなくて、僕もバンドの一員で、イントロから始まって、みんなとビートを重ねていく。きっと、オーケストラとやる時もそうなると思います。結局、オーケストラの中のエレクトリック・ギター担当という事なんで。
ギタリストがオーケストラとやるって言うと、イングヴェイ・マルムスティーンとか、もろにクラッシック・スタイルのハードロッカーっていうイメージがあると思う。でも、僕はリズム主体のエッジの効いたフリーキーでアバンギャルドなタイプのギタリストだから、それとは違う面白味が出ると思いますよね。クラプトンとも違うし。そういう意味で言うと、バイオリンに近いかもしれない。ジェフ・ベックをみていると、彼はもうバイオリニストですよね。だから今回は、ジェフ・ベックやブライアン・セッツァーのイメージに近いと思います。
EMTG:今回、何か特別な構想はありますか?
布袋:マイケル・ケイメンと一緒にやった「ギター・コンチェルト」という作品があって、マイケルは残念ながら亡くなってしまったけど、彼は僕をいろんなワールドワイドな世界に連れていってくれた。例えばアトランタ・オリンピックの閉会式や、そこから繋がってデビッド・ボウイや多くの海外のミュージシャンと引き合わせてくれた。彼と一緒に作った「ギター・コンチェルト」は最近、フィギュアの小塚崇彦君が演技で使ってくれていて、知っている方も多いと思うんだけど、あれは本当はクラプトンがやることになっていたんですよ。でもクラプトンの息子さんが事故で亡くなってクラプトンがそのプロジェクトから降りてしまって、マイケルは諦めていたんだけど、たまたま奈良で行われたイベント“あおによし”(1994年)で出会った僕にその大役を預けてくれた。僕としては初めての全編オーケストラとの記念すべきレコーディングだったんだけれども、彼が生きている時も「いつか絶対にこれを生でやろう」と約束していた。でも結局、それは叶わなかった。彼が亡くなった後も、僕はやろうと思い続けてた。今回はその思いも載せて、武道館で「ギター・コンチェルト」からのピースもやりたいと思ってます。
EMTG:最後に、今回の抱負を。
布袋:自分に負荷がかかるぐらいのものに挑戦していかないと、同じ所にとどまってしまうしね。きっと大いなる挑戦になると思う。そこから見えてくるものもたくさん有ると思う。だから、本当に楽しみなライブですね。

【取材・文:平山雄一】

リリース情報

WE ARE DREAMER ~50th BIRTHDAY SPECIAL CELEBRATION GIG~

このアルバムを購入

WE ARE DREAMER ~50th BIRTHDAY SPECIAL CELEBRATION GIG~

発売日: 2012年06月19日

価格: ¥ 5,715(本体)+税

レーベル: EMI MUSIC JAPAN

収録曲

ディスク:1
1. B・BLUE
2. RAMBLING MAN
3. TEENAGE EMOTION
4. RADIO! RADIO! RADIO!
5. BEAT EMOTION
6. TWO OF US
7. さよならアンディ・ウォーホル
8. ANGEL WALTZ
9. ハウリング
10. 薔薇と雨
11. BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY
12. ~Amazing Grace~上を向いて歩こう~
13. RUSSIAN ROULETTE
14. スリル
15. バンビーナ
16. CAPTAIN ROCK
17. MERRY - GO
18. PLASTIC BOMB
19. 恋をとめないで
20. DREAMIN’
21. IDENTITY
ディスク:2
1. JUSTY(ENCORE1)
2. NO.NEW YORK(ENCORE1)
3. FULL MOON PARTY(ENCORE1)
4. FLY INTO YOUR DREAM(ENCORE2)
5. LONELY★WILD(ENCORE2)

リリース情報

30th ANNIVERSARY ANTHOLOGY III“一期一会"

このアルバムを購入

30th ANNIVERSARY ANTHOLOGY III“一期一会"

発売日: 2012年06月19日

価格: ¥ 4,762(本体)+税

レーベル: EMI MUSIC JAPAN

収録曲

ディスク:1
1. DREAMIN’
2. IMAGE DOWN
3. MARIONETTE
4. BE MY BABY
5. GOOD SAVAGE
6. さらば青春の光
7. DIVING WITH MY CAR
8. YOU
9. ラストシーン
10. PRIDE
11. MIRROR BALL
12. GUITARHYTHM
13. MATERIALS
14. スリル
15. POISON
16. バンビーナ
17. C’MON EVERYBODY
18. GLORIOUS DAYS
ディスク:2
1. NO. NEWYORK(ENCORE1)
2. 恋をとめないで(ENCORE1)
3. PROMISE(ENCORE2)
4. LONELY★WILD(ENCORE2)

関連記事

お知らせ

■ライブ情報

布袋寅泰 GREATEST SUPER LIVE
"GUITAR × SYMPHONY"
HOTEI with THE ORCHESTRA ~World Premiere~
Powered by MINI ROADSTER.

2012/06/18(月)日本武道館
2012/06/18(火)日本武道館
※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルHPをご覧ください。

トップに戻る