志磨遼平の新バンド“ドレスコーズ”デビューシングル「Trash」をリリース!

ドレスコーズ | 2012.07.02

 毛皮のマリーズを解散した志磨遼平が、バンド“ドレスコーズ”のボーカルとして新しい一歩を踏み出す。メンバーの丸山康太(g)、菅大智(dr)、山中治雄(b)は恐ろしく個性的なミュージシャンたちで、どこか懐かしく、それでいてハッとする新鮮な音楽を紡ぎだす。そのモチベーションは、それぞれが自分の出したい音を持ちながら、理想のバンドに巡り会わずにここまで来たことから来ている。彼らは志磨に出会うと、ずっと秘めてきた思いを爆発させた。そうして完成したデビュー・シングル「Trash」は、美しいメロディと暴力的なサウンドが同居するドレスコーズならではのロック・チューンになっている。妖しいラテン風味の「TANGO,JAJ」、詩的ミュージシャンのボリス・ヴィアンを彷彿とさせる「パラードの犬」の3曲で、バンドはその第一印象を世に問う。

EMTG:楽しそうなバンドだね!
志磨:そうなんですよ、とても楽しい(笑)。バンドって、得てしておもろいですからね。元○○バンドの誰それと誰それが集まったっていうのじゃおもろくないから、気の合う友達に「バンドしない?」って電話して組んだんですよ。そしたら、何かの思し召しみたいに、みんなヒマで(笑)。それでスタジオに入って「禁じられた遊び」とかはっぴいえんどの「はいからはくち」とかカバーしたところから始まりました。「はいからはくち」は僕が歌えなかったんで、菅さんが歌いました。
EMTG:やっぱ、楽しそう。でも「禁じられた遊び」はシブいなあ(笑)。
丸山:オレ、途中で転調があるの知らなかったですからね。弾けませんでした(笑)。
菅:僕も転調、知らなかったです。
EMTG:ドラムは転調、関係ないでしょ(笑)。
志磨:その他は、デッド・ケネディーズとかザ・フーとかコステロとかザ・キュアとか。
EMTG:ザ・キュアも、シブ過ぎ!(笑)。
志磨:「枯葉」もやりましたよ。
EMTG:ジャズ・スタンダードの「枯葉」?
志磨:そうそう。
EMTG:最初に電話もらったとき、どんな感じだったんですか?
丸山:「遊ぼうぜ?」って電話かかってきて、「もしかしたらバンドに誘われてる?」ってウキウキして待ち合わせの野方駅に行ったつもりが。
志磨:なぜか丸山くんは高円寺の駅に行っちゃってて。
丸山:「やべー、この話、なかったことになるの?」って思って焦った。
志磨:「そっちに行こうか?」って言ったら、「いや、これから急いで野方に行きます」って言って、駆けてきた。お腹空いてるっていうんで、焼肉屋に行ったんですよ。
丸山:そうしたら、その焼肉屋で、エリック・ドルフィーがかかってて。
EMTG:ジャズのエリック・ドルフィー?
丸山:そうです。僕は転機のときに、なぜかいつもエリック・ドルフィーがかかってるんです。なので、「あ、そういうことなんだ」って思いました。
EMTG:なんかドラマティックだなあ。山中くんは?
山中:僕がいちばん後から入ったんですけど、今はもう「この4人のバンド」っていう感覚です。気が合うって言ったらそうなんですけど、いちばん重要なのは“刺激の強い音”を出してるかどうかなんで、このバンドはすごい刺激的ですよ。
志磨:今、刺激が強いって言ってくれたけど、僕は元々インドア遊びが好きで、本屋やCD屋に行ってみんなの知らない本や音楽を聴いて知識を得るのがおもろくて、悦に入ってた。でもそれが何の役にも立たないくらい、この3人はいろんなこと知ってて、お茶してしゃべってるときも素敵なんですよ。憧れの人たちといる感じです。
菅:志磨さん以外の3人は、志磨さんがいなければ出会ってなかったかもしれない。自分の志向でバンドを組もうと思ったら、ギリギリ会ってるか、会ってないか、ぐらい。特にベースの山中さんは、全然ジャンルが違うし。
志磨:でも、レコーディングのとき、リズム隊二人の姿を遠くから見てたら、雰囲気もぴったり似合ってた。一緒にやったらおもろいかもって思った、僕の勘が当たりましたね(笑)。
EMTG:楽しそうなバンドだなあ。
丸山:楽しいです。みんな、本気を出せるっていうか、本気出そうと思える人達だから。自分の溜めてきたものを出すチャンスなんて一生来ないのかなと思ってたんで、それが突然やってきて、「ラッキー!!」です。他では絶対NGのフレーズも弾ける。自分の中の引き出しを、どこまでも開けられるっていうか。
山中:タブーがないっていうか。
EMTG:「Trash」はどんなふうに作ったの?
菅:みんなで僕の家に集まって、ザ・フーのビデオを見ながら、ご飯食べたんです。
志磨:そしたら菅さんの作ったブリ大根がおいしくて、嬉しくなって、こんな曲もあるんだよねって「Trash」を聴かせました。メンバーに聴かせるときは緊張するんですけど、ブリ大根のおかげです(笑)。
山中:僕は8ビートをやったことがなくて。8ビートって堂々としてるじゃないですか。僕はそんなに堂々とした人間じゃないから(笑)。でも、これは目をそらさずにやりましたね。
志磨:「Trash」は、メンバーそれぞれがどんな音を出すのか、分かった上でできるようになった曲です。
丸山:声が楽器と一体になってる。
山中:いい歌だよね。
菅:ひとことで言えば“ドラム・ポップ”。“ギター・ポップ”があるんなら、ドラム・ポップがあってもいいじゃないですか。
EMTG:それにしたって、ドラムの音、デカ過ぎでしょ(笑)。
菅:やっぱ・・ですよね。僕もデカいと思ってます。でも志磨さんが「大丈夫!」って言うから(笑)。
志磨:「Trash」は、前田敦子さんが出てる映画『苦役列車』の主題歌なんですけど、この前、あっちゃんに会ったら「いい曲ですね。大好きです」って言ってもらって。あっちゃんにも伝わったから、それでいいです。
EMTG:よかったね。じゃ、最後の質問なんだけど、志磨くんはいつもビーサン履いてたのに、今日はちゃんとした靴を履いてる。なんで?
志磨:それは、僕があっちゃんに会うレベルの人間になったからですよ。あれ?? あっちゃんに会ったときは、まだビーサン履いてたか(笑)。あのですね、この前、サラリーマンの友達から、「お前がビーサン履いてるから、ファンの子たちがみんなボロボロのビーサン履いてる。そろそろ30才なんだから、ちゃんとした靴を履きなよ」って言われて、確かにそうだなと思いまして。
EMTG:あははは、聞かなきゃよかった(笑)。

【取材・文:平山雄一】

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ビデオコメント

リリース情報

Trash(初回盤)

Trash(初回盤)

2012年07月11日

日本コロムビア

1. Trash
2. TANGO,JAJ
3. パラードの犬

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お知らせ

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●志磨
寝る前 かゆい

 寝る前に身体がかゆくなるので、最初は寒冷ジンマシンかと思ったんですけど、春になっても治らない。調べてみたら、寝る前に筋肉がゆるんで、体温が上がるとかゆくなるのは「老人性皮膚炎」って出て。「もう、アカンなあ」と思いましたね。

●丸山
ジョニー・モープト

 イギリスのロック・ミュージシャンで、歌詞を知りたくて調べたんですけど、動画はあっても、歌詞は出てなかった。

●菅
おっぱい 整形外科

 おっぱいの下をぶつけて痛かったんで、調べました。

●山中
竜巻太郎

 すごいドラマーです。ジャンベも叩きます。


■ライブ情報

「LIVE BURGER SPECIAL」
2012/09/5(水)Zepp Tokyo

※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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