注目度急上昇中のアーティスト“さめざめ”がファーストシングルをリリース!

さめざめ | 2012.07.02

 恋愛に身を焦がし、危険だとわかっていても、その渦の中にダイヴする。妄想の中にある希望。現実の中にある戦慄。本音の中に見え隠れするのは、主人公の中だけのロマンス。女性はいつでも、彼女が描くラブソングの中では“孤独な主人公”だ。
 さめざめ。作詞・作曲を手掛けるのが、笛田さおり。その鮮烈な歌詞をきっかけに、この半年で、ネットやライブハウスを中心に噂を呼び、現在も注目度急上昇中のアーティストである。
 “鮮烈”と前述した歌詞は、例えば「コンドームをつけないこの勇気を愛してよ」とか「愛とか夢とか恋とかSEXとか」など、言葉そのものはもちろん、行為の描写も生々しい。しかしながらそこに、若干のいなたさはあれど、隠微さをほとんど感じないのは、さめざめの楽曲の中では、SEXが恋愛において“特別なもの”じゃないからだろう。もっと言ってしまえば、人が恋愛するなら、日々当たり前に存在している行為だ。しかし、ほとんどの人が、あえて言葉にしようとしない。誰もが、知ってるくせに、知らんふりしている。
 そんな、常識の禁断に、あっけらかんと触れ、ストレートに表現してくるアーティストの登場だ。
l  さめざめ。本年1月に全国発売されたファーストアルバム『スカートの中は宇宙』に続き、7月4日にファーストシングル「ズボンのチャック/スカートめくり」をリリース。その中心人物、笛田さおり。彼女に、その独特の言語感覚を中心に、新曲のこと、バンドのことなど、いろいろ話を聞いた。

EMTG:シングルの「ズボンのチャック/スカートめくり」。まず、タイトルから印象的ですね。“ズボン”と“スカート”が対比されてるし。面白いですよね。
笛田:ありがとうございます(笑)。そうなんですよね、2つ並べてみたら、自分でもちょっとびっくりしたくらいで。「ズボンのチャック」は去年できた曲なんですよ。今って“ズボン”のことを“パンツ”っていうじゃないですか。
EMTG:あぁ、はい、わかります。流行に加えて、年齢的なものもあるかも。急に“ズボン”じゃなくて“パンツ”とか“デニム”って言いだす時期ありますよね。
笛田:そうなんですよね。思春期から30代くらいで、急に“パンツ”って言いだすような(笑)。自分の中でも、“ズボン”って言葉に対して、何か感じるものがあったんですね。そしたらまぁ、ちょっと、曲のテーマにしたいなって思っている男性がいまして(笑)。その男性がパンツって言葉に馴染が無い、と。だから、ズボン、ズボンって言っている、と。あぁそうか、私と同じくらいの年頃でも、プライドを持って“ズボン”って言葉を使っている人がいるんだな、と。やっぱ日本人は、ズボンだよなと思った。で、その時、ズボンのチャックって、男性にとっては普通に開けるものじゃないですか。お手洗い行った時も必ずあけるし。でも女性が、ズボンのチャックを開ける時って……普通は、なかなかない。開けるんだったら、まさしくそうなる時しか無いじゃないですか。で、いざ、そうなった時も、ベルトがちょっと面倒くさかったりすると、開け方が難しい(笑)。それが何か、鍵みたいだなって。部屋の鍵みたいだなと思って、“ズボンのチャック”って言葉、素敵だなと思って、そこをテーマにして曲を作ろうと思ったんですよね。
EMTG:今おっしゃったように、言葉、ひとつひとつにこだわって、チョイスしていく方?
笛田:そうですね。小学生の時から知っているとか、聞き馴染のある言葉の方が、自分の人生の中では印象が強かったりするので。そういう意味では、何か懐かしい部分を出していきたいっていうのはありますね。「スカートめくり」とか、まさにそう(笑)。
EMTG:自分の中で、廃れない言葉、という感覚?
笛田:あぁ、そうだと思います。あとは、昭和の時の曲の方がいいなと思ったりもします。今、5年とか10年とかは流行っている言葉があったとしても、例えば20年後には、昭和の時代の言葉に戻ってるんじゃないかなとも思うし。「ズボンのチャック」も「スカートめくり」も、まさに、そういう気持ちもあって、選んだ言葉なんですよね。
EMTG:今回のシングルも、1月に全国発売になったファーストアルバムも、私にとっては、すごく痛快で素敵な作品でした。
笛田:ありがとうございます!
EMTG:なぜそう思ったかと言うと、個人的に、SEXという言葉や、行為そのものに対する表現のスタンスが、愛や恋、夢とかと平等、他の言葉と並列だった。今までこんなスタイル無いと思って、痛快だったんです。聴いていて、内田春菊さんの漫画を思い出したんですよね。
笛田:あぁ、私、漫画、良く読むんですよ。大好きなんです。内田春菊さんとかもそうなんですけど、魚喃キリコさんとか、少女漫画より大人な感じの漫画が特に。
EMTG:単行本のサイズが大きくて棚が違う漫画ですね?
笛田:そうです、そうです。読んでて“そう言えば、こういうことを歌ってる人いないなー”って思ってたりもしましたね。良く読んでいたので、その……思春期を越えたぐらいの少女漫画的なものの、情景描写とかは、自分の頭の中にすごく入ってるし、影響も受けていると思います。実際に、台詞からフレーズを思いついたりしたこともありますし。漫画からインスピレーションをもらうことは、結構あると思いますね。
EMTG:なるほど。漫画でなく、小説などはどうです?
笛田:女性作家をかなり読み漁りまして(笑)。よしもとばななさん、山田詠美さん、唯川恵みさんとか。女性作家の、ちょっとドロドロした感じとか、コンプレックスを持ってる人の作品とか、すごく好きだったんですよね。高校生の頃に、すごく読みましたね。普通に漫画も読んでましたけど、高校の頃は普通の少女漫画で。さっき言った大人の感じの漫画は、もっと後から知って。知った時は、結構、衝撃で。なんでもっと早く知らなかったんだろうって思ったくらい(笑)。
EMTG:では作品全体の歌詞の質問に。赤裸々、生々しいと言われる事も多いと思うんです。特に、SEXとか出てくると、言葉だけで目立ってイメージが先行するところもあると思いますし。
笛田:そうですね。言葉が、特化されやすいとは思っています。SEXとか、コンドームって言葉を不快だと思われる方がいらっしゃるのもわかってるし、承知の上で書いているんですね。ただ、その言葉や行為を、特別視するほどのものでは無いとも思っているんです。それはどうしてかって言ったら、恋人同士であれば、大人になったら、そういうこと……ここではSEXですけど、それは普通にあることで。付き合っている男女の日常生活だったら、ごく当たり前のフレーズなんじゃないのかな、と(笑)。それを、言葉にするかしないかだと思うんですね。私は、そこをあえて隠さないで書いたんで、普通に歌詞の中に、そういう言葉が出てきてるって感じなんですよね。
EMTG:今のようなスタイルになったのは、いつから?
笛田:曲を書き始めた時は、今のスタイルとはちょっとちがていました。恋愛ものというよりは、人生とか、もっと生きていく上でどうか、みたいな内容が多かったんです。それが自分が成長していくのと一緒に変わっていって、今のスタイルになった。アルバムに入っている「愛とか夢とか恋とかSEXとか」ってい曲を作った時、あぁ、こういう風に、恋愛や夢や、性的なものに悩んでいたりとか、頑張っている人の曲を作りたいな、そういう曲をメインにしたバンドをやりたいなと思った。それが、さめざめをスタートさせる、きっかけだったんですよね。そこからは、今言ったようなことを意識して曲を作る事が多いんですよね。ただ、曲によっては、当然、まったくSEXとかエッチって言葉が出てこない曲もあって。その言葉を使わないで表現するやり方で書いてるんですよね。あえてこの曲は“SEX”って入れる、逆にあえて入れない、みたいな。言葉遊びっていうんじゃないんですけど、このメロディにはこの言葉が必要って考えた中で、この曲は“抱き合っている”でいいって思えば、そうなりますし。なんかあえてこう……、いちいちエッチとか、SEXとかを言いたいわけでは、決して無いんですよ。でも、今はそこが目立っているのも、もちろんわかってます(笑)。だからもっとたくさん、曲を作りたい、出していきたいなと思ってますし、ライヴもやりたいと思っているんですよね。

【取材・文:伊藤亜希】

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リリース情報

ズボンのチャック/スカートめくり

ズボンのチャック/スカートめくり

2012年07月04日

samezame RECORDS

1. ズボンのチャック
2. スカートめくり
3. コンドームをつけないこの勇気を愛してよ(カラオケバージョン)
4. 恋人みたいに。(カラオケバージョン)

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新しい曲を作っていて、“幽体離脱”って言葉を書いたんですよ。で、この言葉に、自分が思っているのと違うイメージがあるんじゃないかと思って調べました。


■ライブ情報

さめざめpresents “12年7月、チャック全開”
7月10日(火)渋谷WWW
TREASURE05X〜glowing treasures 1st day〜
8月11日(土)名古屋ELL/ell.FITS ALL/ell.SIZE
さめざめpresents “12年11月、ハート限界”
11月2日(金)心斎橋Pangea

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