UNISON SQUARE GARDENのニューシングルは、『劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-』主題歌

UNISON SQUARE GARDEN | 2012.09.18

 UNISON SQUARE GARDENが、『劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-』の主題歌となる7thシングル「リニアブルーを聴きながら」を完成させた。心地よい疾走感がありながら、しっかりとサビは引きつけるという、アレンジの妙が光るキラーチューンである。さらに今作は、シングルでありながら4曲も収録。メッセージもユーモアも歌心も封じ込めて、多角的でありながらポップという彼らの魅力を伝えている。メジャーフィールドへのさらなる飛躍を願いながら、全員に思いっきり語ってもらった。

EMTG:7月に1年ぶりの音源となるシングル「流星のスコール」を出したばかりなのに、畳み掛けますね。
田淵智也:たまたまですね。でも、今までそういうことやってなかったし、やりたかったので。スピード感って大事だと思っていたから。
EMTG:そこに『劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-』の主題歌というタイミングも重なって。何か映像なり脚本なり、素材は見たんですか?
田淵智也:何も見ていないし、オリジナル作品だから原作がないんですよ。ただ去年、テレビアニメ版の『TIGER & BUNNY』の主題歌として「オリオンをなぞる」を書き下ろした時も、一話の脚本さえ見ない状態で書いたんです。それでも、もっとこの作品で曲が書けるっていう自信があったので、劇場版の話が来る前から、 “次も来ねえかな、来ねえかな”って思っていたというか(笑)。ガンダムの台詞で、アムロが「僕の方が上手く操縦できるんだ」っていう言葉がありますけど、それと同じで「黙って俺に書かせろ!」っていう。
斎藤宏介:「オリオンをなぞる」を受け入れてもらった時に、UNISON SQUARE GARDENとしてやってきた姿勢が間違ってなかったって自信を持てたので、この曲に対して、バンドに対して、自分がどう関わるか考えていくことだけが正解だと思っていたので、不安はなかったです。
鈴木貴雄:また、UNISON SQUARE GARDENがやりたいことと、この作品が表現したいことが、ほぼイコールだと思ったんです。アニメのヒーローは、いろいろあっても絶対に弱みを見せないし、常に笑顔でカッコいい。それを見て、俺はバンドでこういうことをしたいって再確認できたので。だから1曲で、自分らが今持っている全ての側面が詰まっているものにしたかったんです。
EMTG:じゃあ、大きなタイアップとは言え、聴きやすくしなきゃ、とかいう気負いもなく?
田淵智也:はい。元々のUNISON SQUARE GARDENのテーマがポップでありたいっていうところにあるし、『TIGER & BUNNY』サイドは、UNISON SQUARE GARDENの音楽を気に入ってくれたので、やりたいようにやりましたね。結果的にバランスは上手くいきましたけど。
鈴木貴雄:僕らって、まず自分たちが楽しむことを追求して、その結果がセールスにも出るだろうって信じているので。
EMTG:そして、タイトルと歌詞に出てくる“リニアブルー”って言葉は、聴きなれない言葉なんですけど、だからこそ引っ掛かるというか。
田淵智也:それはリリックを作る時に、凄く大事にしていることで。メロディに詞がのった時に、独自性のある言葉の方がぐっとくるというか。耳触りのいい言葉よりも、 “何つった、今!?”っていう方が、単純に聴いていて楽しいし。“リニアブルー”って造語なんですけど、『リニアブルーを聴きながら』っていう歌詞がサビの頭にくることで、聴いた人それぞれの答えが出るじゃないですか。それが、UNISON SQUARE GARDENの音楽が果たしたい役目だと思っているので、そう言って頂けるのは嬉しいですね。
EMTG:そして、シングルなのに4曲も入っているところも聴きどころです。
田淵智也:泥臭い感じで、チャンスに突っ込んでやろう、みたいな(笑)。特に、『TIGER & BUNNY』で初めて聴いたり、今作だけを聴いたりする人もいると思うので、その中でUNISON SQUARE GARDENの魅力を余すことなく伝えたいって思っていて。UNISON SQUARE GARDENは総合力だと思っているので。単純に自分たちが飽きないようにいろんな曲を作ってるんです。
EMTG:2曲目の「さわれない歌」は、ポップなんですけど、めちゃめちゃ裸のメロディと歌詞ですね。
田淵智也:わりとそうですね。自分の書きたいテーマが赤裸々に出たし、こういう価値観があることを知って欲しいっていうエゴは凄くあるかな。ポップで在りたい自分たちが、敢えてこういうことを言いたいと思ったし、そういう人たちがいないと、のんべんだらり平和な世の中になるだろうし、思考停止しちゃうだろうしって、被害妄想じゃないけどそういうことを思っていて。
EMTG:歌詞を解釈すると、“みんなと考え方や行動が同じじゃなくてもいい”っていう気持ちが籠もっているのかと思ったんですけど、どうですか?
田淵智也:……ありがとうございます(笑)。あんまり説明し過ぎると、生々しくなってしまう曲もあるだろうけど、いろんな推察をしてくれた方がいいと思っていて。そういうところとも、奇しくも繋がってくるんですけど、自分がこれだって思うものが、みんなと一緒であることが好きな人もいるだろうけど、その必要はないし、そういう価値観をポップなバンドが歌うことで、発見になるんじゃないかなって。今でこそネットがいっぱいあるから広い世界を知れるけど、学校や家族って共同体でしか人間は生きられないし、その中で“多数決で決まってるものは正義”って思われるのはかわいそうなことだし。自分がそういう価値観を持って生きてきたので、間違ってないですって研究発表じゃないですけど(笑)。ステージに立つからにはそういうことを言いたいという思いが少なからずあるから。
EMTG:3曲目の「三日月の夜の真ん中」は、斎藤さんの作詞/作曲ですね。
斎藤宏介:「スカースデイル」で初めて作詞/作曲をやってから、結構作ってきたんですけど、自分がやりたい曲の幅が広がった時期があって。その中で、自分が思うUNISON SQUARE GARDENを自分なりに提示したらバンドのプラスに作用するんじゃないかなって思ったのが、この曲なんです。
鈴木貴雄:もっと宏介には曲を書いて欲しいな(笑)。みんな書けるバンドはいいじゃないですか、ユニコーンやビートルズみたいに。俺も、今はドラムやバンドのグッズを作るので精一杯ですけど、ちょっとずつ参加したいです。
EMTG:4曲目の「ラブソングは突然に ~What is the name of that mystery?~」も、ユーモアと毒があって。いろんな面が表れた一枚になりましたね。
田淵智也:そうですね。意味がなさそうな……あるんだけど、こういう曲も楽しんでもらえたらいいなって思います。全部、自分の中の手札の一個というか。最終的に、いやぁ音楽って楽しいねっていう答えを発表するための一つなので。そういうのがいっぱい詰まったシングルにはしたかったんです。
鈴木貴雄:あと、初回限定盤に付くDVDもカッコいいですよ!
斎藤宏介:3人のソロショットだけで構成されたミュージックビデオを3本作ったんです。最初から最後までワンカメで。
田淵智也:あれは、めっちゃカッコいい! これは買われたい!

【取材・文:高橋美穂】

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リリース情報

リニアブルーを聴きながら [初回盤]

リニアブルーを聴きながら [初回盤]

2012年09月19日

トイズファクトリー

ディスク:1
1. リニアブルーを聴きながら
2. さわれない歌
3. 三日月の夜の真ん中
4. ラブソングは突然に~What is the name of that mystery?~
ディスク:2
1. リニアブルーを聴きながら (music video)
2. リニアブルーを聴きながら (special movie) (solo shot ver.)

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お知らせ

■ライブ情報

UNISON SQUARE GARDEN
"誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のツアー"

2012/09/27(木)赤坂BLITZ
2012/09/29(土)浜松 窓枠
2012/10/03(水)宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2
2012/10/05(金)高崎Club FLEEZ
2012/10/07(日)札幌PENNY LANE24
2012/10/12(金)福岡DRUM Be-1
2012/10/13(土)熊本DRUM Be-9 V2
2012/10/15(月)広島ナミキジャンクション
2012/10/17(水)京都KYOTO MUSE
2012/10/19(金)岡山IMAGE
2012/10/21(日)高松DIME
2012/10/27(土)盛岡Club Change
2012/10/28(日)仙台CLUB JUNK BOX
2012/10/30(火)新潟GOLDEM PIGS RED STAGE
2012/10/31(水)金沢AZ
2012/11/10(土)なんばHatch
2012/11/11(日)名古屋CLUB Diamond Hall
2012/11/18(日)渋谷公会堂

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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