大人になった自分と子供の頃の自分が同居した絢香の両A面シングル

絢香 | 2013.02.20

 復帰後初となる絢香のシングルは、ドラマ『シェアハウスの恋人』の主題歌にもなっている「beautiful」と、資生堂「マキアージュ」のCMソングとしても流れている「ちいさな足跡」の両A面。この2曲は、2年間の活動休止を経てセルフ・プロデュースのアルバムをリリースし、久しぶりの全国ツアーを行なうなど精力的な活動で駆け抜けた昨年の手応えを胸に書き下ろされた、絢香の「今」を伝える楽曲だ。インタビューの中でも「余計なものをどんどん削ぎ落とそうとしてる自分がいる」と語っていたが、そんな彼女自身の心を映したシンプルな、だけどかけがえのない美しさと強さを放つ楽曲に仕上がっている。

EMTG:今回のシングルは両A面ですね。
絢香:去年、活動を再開して初めての全国ツアーを行ったんですが、あのツアーで”復帰”というものがひと段落したようなところもあり、終わってしばらくは抜け殻のようになってたんですね (笑)。だけど1ヶ月くらい経った頃、肩の力がスッと抜けたんでしょうね。パッとスイッチが入る瞬間があって、その時にこの2曲が出来たんです。
EMTG:ではまず「beautiful」ですが、とても大きな、そして美しい力を感じさせる楽曲ですね。現在、ドラマ『シェアハウスの恋人』の主題歌としてもオンエア中ですが、歌詞にはどんな思いを込めたんですか?
絢香:私は今25歳なんですが、たとえば東京に出てきた17歳の頃と比べたら、大きな変化や新しい何かに向き合う時に一歩踏みとどまってしまうような自分がいることに気付いたんです。だけど同時に、それでも何とか歩き出してここまで一歩を踏み出せてきたのは、やっぱり自分の大事な人の存在がものすごく大きいからなんだということにも気付けた。そして、家族とか仲間とか、お互いが想い合ってるその絆や関係性ってすごく美しいと思ったんですよ。ツアーを終えられたのももちろん自分ひとりじゃなく、大事な人たちが支えてくれたから成し遂げられたんだっていう思いもあったし、ファンのみんなと直接会えたことで、<待っててくれる><想ってくれる>がどれだけ自分の力になってるかっていうこともあらためて感じられた。そういうことをたくさん感じてきた後だったからこそ辿り着いたテーマだったのかなと思いますね。
EMTG:なるほど。
絢香:日々の生活の中、どこか臆病になってしまっていたドラマの主人公も、人と人とのつながりを通して少しずつ自分を変えようとしている。そういう姿も、この曲の中の思いとリンクしてるんじゃないかなと思います。
EMTG:「beautiful」というタイトルもすごく素敵です。
絢香:ここで歌っている「美しいもの」は目に見えないもので、形あるものではないけど、それが一番美しいものなんじゃないかなって思ったんです。そして、それがもっともっと増えるといいなって。
EMTG:歌詞の中にある「願うのは幸せ」というシンプルな言葉からも、そういったストレートな思いを感じますね。
絢香:2年間の休みを通して、余計なものを削ぎ落とそうとしてる自分がいるなあって思いましたね。だから言葉もどんどんシンプルになっていってる気がするし、髪だって切っちゃおうと思ったのかもしれない(笑)。
EMTG:かなり短くなってて驚きましたが、すごく前向きな変化ですよね。変化と言えば、アレンジもこれまでにない感じでした。
絢香:曲が出来て自宅で簡単にデモを録ったんですが、サウンドプロデューサーの松浦晃久さんから「歌詞がゴスペルっぽいね」って言われたんです。ゴスペルのコーラスが聴こえてくるようだってことで、今回はそこを軸にしてみました。今までは自分で全部重ねてコーラスを入れることが多かったんですが、今回初めて、私を含む6人で一緒に録ったんです。人の声の波みたいなものが重なって、人数以上のパワーが生まれましたね。
EMTG:エンディングに向かって、人の声の力がグッと迫ってきますよね。
絢香:はい。ピアノにストリングスだったら今までっぽい感じだと思うけど、それをコーラスでやってるところが今回ならではの部分でもあるかなと思います。
EMTG:ではもう1曲の「ちいさな足跡」ですが、こちらは資生堂「マキアージュ」のCMソングとしても流れていますね。
絢香:いつもどおりメロディーが先に出来たんですが、行進しているようなイメージがあったのでマーチにしました。その時浮かんできたのが、なぜか小さい頃の自分で。目にするもの全てが初めてで、何もかもがキラキラ輝いて見えてたあの頃と同じように夢を思い描くのは難しいかもしれないけど、そういうピュアな気持ちってすごく大事なことだなって思ったんです。こっちは「beautiful」よりもさらにシンプルに、言葉をのせていきました。
EMTG:歌詞に出てくる「夢みる泣き虫」ってフレーズもすごくかわいくて。
絢香:私もその言葉はすごく気に入ってます。私、小さい頃は本当に泣き虫だったみたいなんですよ(笑)。でも、5歳ぐらいで漠然とだけど「歌いたい」っていう夢も持ってたんです。今に向かって歩いてくるあの頃の自分に言うとしたら…、そんな目線も取り入れながら書いた曲なので、大人の方たちだけじゃなく、子供たちにも口ずさんでもらえるような曲になったらいいなと思ってるんですよね。
EMTG:ということは、大人になった自分と、子供の頃の自分がこの1枚に収められたんですね。
絢香:「beautiful」は大人になればなるほど…という今の自分を書いた曲ですけど、書いた時期がほぼ一緒だったので、「ちいさな足跡」の方には、その反対のような子供の頃の自分を思う気持ちが出たのかもしれないです。何か…不思議だなあと思いますね。でもきっと、どこかつながった思いの中で自分が自然と見つめていたテーマだったのかもしれません。
EMTG:そしてもう1曲、カップリングにはアルバム「The beginning」に収録されていた「はじまりのとき」の英語バージョンが収められました。こういう試みは初めてでしたね。
絢香:去年は「また歌えた」っていう喜びでいっぱいの1年だったので、今年はさらにそこからステップアップしたいっていう思いがあり、英語バージョンを作るということに挑戦してみたんです。自分にとっても学ぶところがたくさんあるし、いつもとは違う言語で自分の曲を歌うっていうのにも挑戦。"ここから何か見えてくるものがあるかな?"ということでトライしたんです。その一歩として、アルバムの中でも特に思い入れの強いこの曲を英語バージョンにしてみました。
EMTG:ライブではいつも洋楽のカバーを歌っていましたが、自分の曲となるとまた違いました?
絢香:すごく新鮮でした。"英語になるとこういう歌い方をしたくなるのか…"とか、"英語になるとこういうニュアンスを付けたくなるのか…"とか、歌い方にしてもいろんな発見がありましたよ。英語ってズルいなとも思うくらい(笑)、歌に向いてる言語だなあってことも思いましたね。いずれは、1から(英語で歌詞を)作るってことにもトライしたいと思ってます。やっぱり今年はシンガーとしてさらに成長していきたいですからね。もっともっと、いろんなことにチャレンジしていくつもりです。

【取材・文:山田邦子】

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リリース情報

beautiful/ちいさな足跡 (SINGLE+DVD)

beautiful/ちいさな足跡 (SINGLE+DVD)

2013年02月20日

A stAtion

ディスク:1
1. beautiful
2. ちいさな足跡
3. はじまりのとき (English ver.)
4. beautiful (inst)
5. ちいさな足跡 (inst)
ディスク:2
1. beautiful (Music Video)
2. ちいさな足跡 (Music Video)

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