噂の先鋭ロックバンド、tricot(トリコ) EMTG MUSIC初登場!!

tricot | 2013.04.23

 高いプレイヤビリティと緻密で絶妙なアンサンブル、一聴すると難解ながら、その実、極めてポップで親しみやすい歌を擁するtricot(トリコ)。その見た目の可愛さからは想像もつかない、圧巻のライヴパフォーマンスが現在大注目されているグループだ。
 2010年9月に、ボーカル&ギターの中嶋イッキュウ、ギターのキダ モティフォ、ベースのヒロミ・ヒロヒロにより結成。2011年5月にサポートメンバーであったドラムのkomaki♂が正式加入した、フロント3人が女性の男女混合バンドだ。
 現在までに、2枚のミニアルバムと1枚のEPを発表してきた彼らが、1stシングル「99.974℃」を発表した。
 99.974とは沸点のこと。その沸騰に向かうかのようなAメロBメロでのtricot的な幾何学音楽性と、対照的に沸点に達したかのようなサビの起爆とストレートさが印象的な同曲。既にライヴでは披露されており、その度に会場を沸かせてきた。
 また、カップリングには、現在は入手困難な作品からの代表曲のライヴテイクを含んだライヴ音源をボリューミーに収録。この作品から彼らに興味を持った方も、充分に楽しめ、のめり込める内容となっている。
 そんな4人に今回のシングルの話を中心に取材を敢行。EMTG MUSIC初登場とあいなった。

EMTG:まずは結成の経緯から教えて下さい。
中嶋:"こうしたい"的な音楽性のビジョンよりも、"この人たちと演りたい!"が先にあったんです。"このメンバーが揃って音を出したら、どんな音楽になるんやろう?"と。先輩(キダ)は高校時代の軽音楽部の先輩で。先輩とヒロミさんは一緒にインストバンドを組んでたんです。そんな中、先輩に「一緒にバンド演りたい」と声をかけ、合わせてヒロミさんにも声をかけたんです。
キダ:私もtricotの前から変拍子多めのバンドを演ってたんですが、この子たちとだったら今までには無い面白いことが出来そうで快諾しました。まっ、音楽性は想像出来ませんでしたけど(笑)。
EMTG:そんな中、どのようにしてこの音楽性が生まれたんですか?
中嶋:それが自分たちでも分からないんです。話し合って作ることはほとんど無く、先輩が持ってきたギターフレーズの上に、みんなで合わせていくうちに曲が完成していく感じなんで。
EMTG:ちなみにkomaki♂さんの加入の経緯は?
中嶋:当初はライヴ毎に色々な人にドラムを手伝ってもらってたんです。そんな中、人づてで紹介してもらいました。
komaki♂:音源を聴いて、僕の方から「一緒にスタジオに入りませんか?」って誘いました。で、曲の練習をしようにも、それがえらく難しくて(笑)。元々変なバンドを色々掛け持ちしてきたんですけど、2年前にこのバンド1本に絞りましたね。
ヒロミ:私はカッコイイやイイと思ってやっているうちに、ここまで来たって感じかな。
キダ:そうそう。好きなことを演りたいように演ってきたら、こんな音楽性になってた、みたいな。おかげさまでかなり楽しんで演らせてもらってます。
EMTG:幾何学的でポストロック、変拍子なんだけど非常にポップな音楽性が魅力です。見た目もポップだし。
中嶋:元々ポップなものが好きなんで、体に染み込んでるんでしょうね。メロディは後からで、先にサウンドから作るんですけど、どんなに難しいインストでも、乗っかる旋律はメロディアスやポップになっちゃう。
キダ:オケの段階では、メロディのことは一切考えずに作ってるんで、<どんなメロが乗るのか?>が予想もつかなくて。なので、メロディがついて、”そうきたか!!”と思ったり、関心することも多々ありますよ。その意外性がけっこう面白かったりするし。
EMTG:tricotの音楽に景色を感じていたのは、たぶんインストでオケを作っていたからなんでしょうね。
キダ:確かに情景や光景を浮かべながら弾いてることも多いですからね。同じフレーズを弾いていく中で、違うパーツをハメていくのが楽しいし、好きなんです。特に展開は変わっているのにフレーズは同じなんて、たまらない。
ヒロミ:自分も色々なパターンを合わせて、そこに合うものを探り探りやるのが好きです。
komaki♂:曲やテンション、気分にもよるけど、”自分のドラムがカッコ良ければそれでいい”的に自己中心的に叩く時と、他のメンバーの楽器を引き立たせる為に、あえて手数を減らしたりして全体を眺めながら叩くパターンの両方を使い分けてます。時々の違った視点を持って叩いてるというか。
中嶋:で、そこに私の歌が乗ると、自然とポップになっちゃうと。難しいインストにあえてメロディアスなものを乗せることにも快感を得ていて。まっ、純粋に乗せたいように乗せてるだけなんですけど(笑)。
EMTG:難解な演奏に、ポップでメロディアスなメロディが乗るアンバランスさが絶妙にマッチしてますもんね。しかも、キチンと前を向いてる。
キダ:最初は<自分たちが楽しければよい><勝手に楽しんでくれ>的なスタンスでしたけど。最近はお客さんと共にライヴを成立させる楽しさにも目覚めてきて。それが今、現れてるかも。
komaki♂:でも、意外とtricotはコピーバンドが多いんですよ。演ってみたくなるんかな。
EMTG:いやー、かなりチャレンジですよ、tricotのカバーは。
中嶋:「やっているうちにケンカになる」って言いますもん。
ヒロミ:「アドバイス下さい」って言われるけど、私たち自身が考えて演ってないですからね。そんな時は、「とりあえず解放でバーンと演ってみたら?」とだけ言ってます(笑)。
komaki♂:ホント、この状況は嬉しいし、ミュージシャン冥利に尽きます。中には、打ち込みでコピーしてくれはる人も居て。あれには驚きました。
中嶋:楽曲だけでなく、仲良い部分も含めて、「tricotみたいなバンドをやりたい」って言ってくれる子もいますからね。
EMTG:で、ここからはニューシングル「99.974℃」の話に。このサウンドに、この歌詞のアンバランスさが良いですね。歌詞もこれまでにはなかったタイプだし。
中嶋:歌詞は聴いた時の気持ちの良さから作りました。出来たインストを聴いて、”こんな歌詞が乗ったらええな…”と思ったものを乗せた感じで。
EMTG:その割にはエロティックさや背徳感も含め、物語性のある歌詞ですよね。意味深げだし。
中嶋:自分的には前向きな感じで書いたんですけど、パッと聴きは、多少とっつきにくいところもあるかも。
EMTG:サビのスレートさや解放感がたまりません。
komaki♂:インストの段階から、”ここはサビだろう”というのを想像しながら作ってました。意図的にドラムを抜いたり、比較的シンプルさを心掛けたかな。お客さんを意識し始めた時期でもあったんで、みんなが楽しんでる光景を思い浮かべながら叩きました。
EMTG:先日のライヴでも、初めて聴いた人が多いながら、かなり盛り上がってましたね。歌詞も取りようによってはオーディエンスとみなさんみたいにとれるところもあるし。
中嶋:それはあるかもしれません。一人単体でというよりは、誰かとGO!について書きましたから。
ヒロミ:歌詞も含め、不思議なところとサビのストレートさの同居や、難しいんだけど、耳に入りやすく、聴きやすいところもポイントかなと。
EMTG:今までに比べると広がりが持てるし、わかりやすい曲だと思います。だけど、細かいところ聴くと凄く難しいという(笑)。非常にtricotらしい。
中嶋:最初にインストを聴いた時に、開けたイメージを持ったんですよ。だけど、実際やってみると難しい。ライヴを演る前は、"この曲でどうノるんやろう?"と思ってましたけど。ライヴで繰り返していくうちに、お客さんがテンションを上げてくれたり、いいって感想をもらったりと、ストレートに聴いてもらっていることを実感しました。
キダ:サビのストレートさが普通過ぎて、最初は正直ピンとこなかったんです。だけど、周りの反応を観ていると、やはりサビでストレートに乗れる方がいいのかなと。最近、ようやく自分でも馴染んできました。
EMTG:コーラスも充実してますよね。
ヒロミ:コーラスは3人で歌ってます。重ねることでのフワッとした浮遊感が上手く出たかな。
EMTG:カップリングにはライヴ音源が30分近くも入ってますね。
中嶋:昨年末の渋谷WWWでのライヴ音源です。
ヒロミ:あの日をほとんど入れています。今回のシングルを先行販売したPLAYBOTTUN(缶バッヂ型のプレーヤー)にも、あの日の他の3曲が入っているんで、それと合わせて、あの日のほとんど全部が聴ける感じなんです。
キダ:以前の手売りで販売していて、今では入手困難なアルバムに入っていた、人気曲の「爆裂パニエさん」もライヴバージョンで入ってるんで、あのアルバムが手に入らなかった人や最近知った人も、これを聴いて私たちのライヴを感じてもらえると嬉しいです。
EMTG:最後に今作の聴きどころを教えて下さい。
中嶋:ライブで盛り上がる曲だと思うので、是非ライヴに来て盛り上がって下さい。そして、驚いて下さい(笑)。
キダ:一聴すると難しく感じるかもしれませんが、聴けば自然に体が動き出したくなる音楽性なので、是非これを聴いてライヴを体感して欲しいです。
ヒロミ:サビはストレートですけど、Bメロで緻密なことを演っていたり、コーラス等で遊んだりしているので、楽器だけでなく、そういった部分も楽しんで下さい。
komaki♂:次につながっていく曲だと思います。極端にポップな方向でも、えらく難解でブログレッシヴな方向でも、次にどちらに行っても大丈夫だし、どっちに行ってもtricotだと思える楽曲が出来たので、是非みなさん聴いて下さい。さて、次はどっちに行こうかな(笑)。

tag一覧 シングル tricot

ビデオコメント

リリース情報

99.974℃

99.974℃

2013年04月24日

BounDEE by SSNW

1. 99.974℃
2. 121210 BAKUSAI LIVE SET〜G.N.S〜ひと飲みで〜bitter〜飛べ〜初耳〜爆裂パニエさん

このアルバムを購入

お知らせ

■マイ検索ワード

●中嶋
前田前田

あの子役の芸人です。今、CMに、そのどちらかが出てはるんですけど、それが兄の方なのか?弟の方なのか?を調べました。ずっと兄だと思って観てたんですけど、実は弟の方が成長していて、お兄ちゃんみたいになっていたと。若干凛々しく大人になってました。あんな子供子供していたのに。

●キダ
缶バッヂ ホログラム

新しいグッズでキラキラした缶バッヂを作りたく、調べました。あのビックリマンチョコのキラシールみたいなのを作りたいんやけど、どうしたらええんかなと。で、とりあえずホログラムで調べてみました。

●ヒロミ
マクドナルド メニュー

車での移動が中心なんで、ドライブスルーを利用することも多いんです。基本、私、フィレオフィッシュが好きでそれしか食べてないんですけど、"最近、どんなメニューがあるんかな?"と。以前は、あんなに食べていた、こってりしているものも、今は段々と食べられなくなってきていて。それがちょっと寂しい…。

●komaki♂
天才っているのか?

僕、音楽系のフリーペーパーに、コラム欄を持っているんです。で、その題材で、「天才っているのか?」を調べましたね。"才能のある人ってどんな人やろう?"と。音楽大学を例に、実際に入学した時のレベルと、その人の努力量や授業の量、それから卒業した時の試験の点数等から、"天才ってこんな人のことを言うのや"、を導き出してみました。


■ライブ情報

チリヌルヲワカ Presentsツーマンイベント「ヲワカとダレカ ~ tricot 編 ~」
2013/04/19(金)新代田 LIVE HOUSE FEVER

オワリカラpresents スペイン坂ロックフェスティバル「渋谷モンパルナス」
2013/04/20(土)渋谷WWW/屋根裏/CYCLONE

COMIN’KOBE13
2013/04/29(祝)神戸ポートアイランド(神戸ワールド記念ホール&神戸夙川学院大学)

EViLS TOUR 2013
2013/05/01(水)岡山 IMAGE
2013/05/02(木)広島CLUB QUATTRO

爆祭-BAKUSAI-vol.7
2013/05/06(月・祝)大阪 2nd Line

お友達と行く!沸騰ツアー2013 ~梅雨~
2013/05/22(水)千葉LOOK
2013/05/24(金)金沢vanvan V4
2013/05/25(土)長野LIVE HOUSE J
2013/05/26(日)新潟CLUB RIVERST
2013/06/01(土)札幌COLONY
2013/06/09(日)渋谷CLUB QUATTRO <ワンマン>
2013/06/15(土)盛岡Club Change
2013/06/16(日)仙台MA.CA.NA
2013/06/21(金)名古屋 CLUB UPSET
2013/06/22(土)広島ナミキジャンクション
2013/06/23(日)福岡VIVRE HALL
2013/06/29(土)高松DIME
2013/07/01(月)大阪JANUS <ワンマン>

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る