メジャー進出後、初のアルバム『GOLDCAGE』をリリースするBUZZ THE BEARSをインタビュー!

BUZZ THE BEARS | 2013.09.18

 大阪出身の3人組、BUZZ THE BEARSが、メジャー進出してからは初めてのフルアルバムとなる『GOLDCAGE』を完成させた。英詞はルーツを剥き出しにしたメロディックパンク、日本語詞は人間性を剥き出しにした熱い歌モノという、バンドの両翼を思いっきり広げた仕上がりになっている。また、ライヴバンドとして重ねてきた経験は、越智健太(Vo)による歌詞の深みとなって結実している。《心の中の筆は 時々動かなくなる/でもきっとその時は乗り越えられる/色が多すぎて 間違って選ぶこともある/それでも描くのをやめないよ》(『カラフル』和訳)――しっかり根を張り、より力強く自由な表現に向かいつつある3人に話を訊いた。

EMTG:ミニアルバムやシングルはリリースしていましたけど、フルアルバムは3年半ぶりなんですよね?
越智:ミニアルバムを出していたのは、手に取りやすいかなっていう理由だったんです。だから空いてしまったんですけど、僕らとしては、レコーディングやってツアーやって、っていうのを繰り返していたので、そんなに経ったんかな?っていうのが正直な感想ですね。
EMTG:ミニアルバムとフルアルバムでは、制作する上で心構えは違いました?
桑原:個人的には変わらなかったですね。曲数は多いんですけど、そんなに構えてはいなかったです。
越智:僕は、ミニアルバムの倍くらいの曲数で、BUZZ THE BEARSを壊さず、最初から最後まで聴かせようと思うと、なかなか大変なものがありましたね。また同じようなことやってるやんって思われたくないから、絞り出して絞り出してってやったので。
池田:そう言われたら、フルやな!っていう感じはあったかもしれないですね。曲数も多いんで、踏み込んだ曲も入れられたと思います。
EMTG:その成果か、『カラフル』っていう曲もありますけど、本当に幅広い曲が揃いましたね。
越智:そうですね。(1stフルアルバムの)『爪痕』を出した時は、無駄をどんどん削っていこう、よりシンプルに、よりストレートにって作っていったんですけど、3年半経って、基盤が固まったのか、より色付けすることに重点を置いて作れたと思いますね。
EMTG:ジャケットの色も、『爪痕』はモノクロだけど、『GOLDCAGE』は色付いていますもんね。
桑原:ほんまやな!
EMTG:内容そのものも、決まりごともなく伸び伸び作れた感じですか?
桑原:そうですね。レコーディング中の思い付きも、その場で取り入れたりしたし。わりと楽しくやれたんちゃうかな。いつもウワー!って頭を抱えることもあるんですけど。今回はギリギリに出来上がった曲もあったりして。もうちょっと何かあるな?って探っていって、納得してからレコーディングしたからなんですけど。
EMTG:ちなみに、ギリギリに出来上がった曲は?
桑原:『鳴りやまぬ歌』ですね。
EMTG:パイロットソングじゃないですか! 今作の中でも、重要な一曲になっていますよね。
越智:はい。ほんま、何転したんやろ……。
EMTG:直球ですよね?
桑原:それが、歌が楽器にものるし、一番よく聴こえるんじゃないかなって。これが直球だとは、個人的にはわからなかったんですけど。
越智:わりと変化球な楽曲ではあるんですよ。Aメロ、Bメロ、サビみたいな感じではないから。そういう曲を作る時は、やっぱり悩みますね。だから、何回も入れ替えたり、間奏を入れたりして、探っていったから、何度も転したんですけど(笑)。
EMTG:確かにセオリー通りじゃないけど、真っ直ぐに聴こえてくるんですよね。
越智:ああ、よかったです。歌詞も、メロディを考えた時に、ストレートに刺さるような歌になるから、ただでは終わらしたくないなっていうので、悩みましたから。
EMTG:こういう曲がありつつも、『Mr.D』のようなはっちゃけソングもあり、っていう。このMr.Dっていうのは誰かのことなんですか?
越智:これは、僕の隣に座っている人です(笑)。
池田:僕です!(笑)。打ち上げの歌なんですよね。
越智:僕らが前にいたレーベルのナインスアポロの打ち上げって、みんな困ったら『ミスター……D!』って言うんです(笑)。
池田:そうすると、俺が席をバーって立ってイッキせなあかんっていう(笑)。
EMTG: (笑)。ノリのままに突っ走る曲もありだろうと。
越智:そうですね。ずーっと堅いままやったら、最終的に途中でしんどくなると思うんですよね。
EMTG:特定の誰かの曲を書くっていうのも、試みの一つですよね。
越智:それも共感を呼ぶかなって。特定の一人に書かれたものでも、他の人が聴いても、ああわかる!って思うことってあるじゃないですか。
EMTG:曲調としては正反対ですけど、『バラード』も、お母さんに捧げた歌詞ですよね。ロックバンドがお母さんに歌うって、こそばゆいんだけど決意も聴こえてきたりして。
越智:まあ、僕としても、まだ照れ臭いんですけど、それよりもっと刺さるような曲にしたいっていう思いの方が勝ったというか。
EMTG:また、越智さんの歌詞の手法に、擬人化ってあると思うんですけど、今作でも『シグナル』や『ルーム』で聴くことができますね。
越智:まあ、基本照れ臭いところがあるんで、直球なことも、擬人化するとすっと書けるっていう。しかも『ルーム』や『シグナル』は英詞なんで。
EMTG:今作も今まで通りに、英詞と日本語詞が半々くらいのバランスになっていますが、どっちかに振り切るんじゃなく、どっちも大事にしていきたいんでしょうか。
越智:そうですね。俺らがおるところはライヴハウスであり、やってきたことはパンクっていうのは、常に持ち続けていたいんですよね。
EMTG:まさに『カラフル』というか、どの色も自分らだっていうことですよね。この歌詞はいいですね。
越智:ありがとうございます! まさか『カラフル』の歌詞を褒められると思わなかった(笑)。結構、時間が掛かったんですよ。
EMTG:じゃあ最後に『GOLDCAGE』というタイトルに込めた思いを訊かせてもらえますか?
桑原:僕ら、『LIVECAGE』ってタイトルを付けたイベントをやってるんです。僕ら、バンド名にBEARSって入ってるんで、熊がライヴをやっている檻をみんなが見に来て、時には檻の中に入って楽しんだりっていう意味で名付けていたんですけど、CDを出すってなって、CDっていう檻の中に、光り輝く13曲を詰めましたっていう。
EMTG: タイトルは、暫くは日本語でしたけど、1stシングルが『ダーリン』でカタカナになり、今作は英語になりましたね。
越智:今回、幅広いことをやっているので、タイトルも日本語にせんくてもいいかなって、すっと思えたというか。それも楽しいかな、っていうくらいに思えるようになってきているんですよね。

【取材・文:高橋美穂】

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リリース情報

GOLDCAGE

GOLDCAGE

2013年09月18日

ビクターエンタテインメント

1. カラフル
2. ロンリーナイト
3. ホームグラウンド
4. ダーリン
5. 鳴りやまぬ歌
6. ブラッディクロス
7. サウンド
8. Mr.D
9. 声
10. ルーム
11. シグナル
12. バラード
13. 裸の王様

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お知らせ

■マイ検索ワード

●越智健太(Gt.Vo)
検索することが滅多にないんで。パソコンもさわらへんし、携帯もガラケーだし、それも今日壊れたんで(笑)。(桑原に『それも俺があげた奴やし』と言われて)スマートフォン向かへんって言われるし、なんやったらガラケーのええ奴にしてやろうかなって(笑)。

●池田大介(Ba.Cho)
ロストヒーローズ 評価

この前、某ゲーム屋さんに行って、中古なんですけど、気になるなっていうゲームがあって。それの評価を調べたんです。任天堂の3DSのゲームなんですけど、これで評価が低かったら、今回は見送ろうかなって思っていたんですけど、興味があるんで、今度ゲットしようかなと。知らんゲームは調べますね(笑)。このゲームは1年前くらいに出たらしくて、みんなわかってんちゃうかなって。

●桑原智(Dr.Vo)
課金

しょうもないんですけど。ゲームの課金で滅んでいく大人たちっていう(笑)。最近のゲームは、このアイテムを100円で一個買えるとかあって、それを携帯の料金と一緒に引き落とすっていうワルいシステムがあって、ボタンを押せば押すだけ課金されるっていう。一回みんなでキレて、大量に課金しましたね。山口の夜やったかな。まあ、後で自分に振りかかってくるだけなんですけど(笑)。


■ライブ情報

“GOLDCAGE”RELEASE TOUR
-GOLD RUSH TOUR-

2013/10/06(日)松山サロンキティ
2013/10/20(日)豊橋club.KNOT
2013/10/27(日)郡山CLUB#9
2013/11/08(金)熊谷HEAVEN’S ROCK VJ-1
2013/11/10(日)F.A.D YOKOHAMA
2013/11/19(火)大分SPOT
2013/11/20(水)熊本Django
2013/11/22(金)福岡Queblick
2013/11/24(日)LIVE rise SHUNAN
2013/12/13(金)KYOTO MUSE
2013/12/14(土)MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2013/12/20(金)高知X-pt.
2013/12/21(土)高松DIME
2014/01/10(金)岡山CRAZYMAMA 2nd Room
2014/01/11(土)広島CAVE-BE
2014/01/25(土)高崎club FLEEZ
2014/01/26(日)宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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