ハルカトミユキ、1stフルアルバム『シアノタイプ』をリリース!

ハルカトミユキ | 2013.11.01

 女性2人組のフォークロックユニット、ハルカトミユキがメジャー移籍作となる初のフルアルバム『シアノタイプ』をリリースする。真実が隠されてしまう現代社会への怒りを歌った「mosaic」、そんな社会の大多数に流されそうになる自分への嫌悪感と反発心を決意表明に変えた「消しゴム」、痛みや哀しみを抱えて生きていくという強い信念を込めた「ナイフ」……。カオティックでノイジー、ラウドなのに繊細なサウンド・プロポーションの中から浮かびあがるキャッチーなメロディと透き通った歌声。そして、怒りや憎しみをベースにした鋭利な言葉と、この世界への違和感や困惑を表現した不穏な音の響きに耳を傾けて欲しい。

EMTG:おふたりの出会いからお伺いしていいですか?
ミユキ:大学の音楽サークルに入りたてのときに、ひとりでソファーに座っていた私にいちばん最初に話しかけてくれたのが、ハルカなんですよね。
ハルカ:すごい人数がいるなかで、ひとりだけ誰ともしゃべらずにずっと座ってた子がいたので、どうしたのかな? って思って(笑)。
ミユキ:私は最初、カート・コバーンになりたいっていう思いで入ったんですけど、あまりにも人数が多すぎて、ちょっと気持ち悪くなっちゃってたんです(笑)。そこで、好きな音楽の話とかをしたのが最初ですね。
ハルカ:そのあと、夏の合宿でコピーバンド大会があったんですよ。私も特にほかの人とバンドを組むでもなく、ふらふらしてて。その合宿で私が歌ってるのを見て、ミユキが興味を持ってくれたらしいです。
ミユキ:ハルカの声だけが印象に残ったんですよね。ハルカはすごくきれいな声でシャウトをしてて。なんか、ピンときたんです。だから、秋の飲み会の二次会で頑張って声をかけて。「一緒にやらない?」って言ったら、すごく軽い感じで「いいよ」って答えが返ってきて。なんだ、この私のもやもやは……って(笑)。
ハルカ:どういうつもりで返事したかは覚えてないですけど(笑)、その時点で気の合う人もいなかったし、なんかやらなきゃなっていう気持ちはあって。最初に声をかけたときの印象も強かったんですよね。だから、自然な流れでやってみようかなって。
EMTG:最初の出逢いから半年経ってますもんね。
ミユキ:ただ、それからまた結構、時間がかかって。2年生のときに始めてライブをしたんですね。
ハルカ:バンドの形態も定まってないままでドラムを入れてみたりしていて。結局はふたりだけでライブに出たんですけど、その時点でまだ曲もなかったんですよ。ただ歪んだギターと鍵盤が轟音で鳴ってるっていうだけの演奏で。ノイズを垂れ流してただけで、ライブにもなってなかった(笑)。だから、ライブが終わった直後は後悔したんですけど、やりたいことはそれだったんですよね。まだ技術がないからできないだけで……。
EMTG:その“やりたいこと”とはどんなことだと言えばいいですか? ハルカトミユキの音楽性を言葉にするとしたら?
ハルカ:好きな音楽はほとんど共通してないんですけど、ジャンルを超えて好きな部分というか、反応する部分は一緒だったんですよね。
ミユキ:私は3歳から高校3年生までピアノをやってて。大学に入ってからキーボードをやり始めたんですけど、モグワイとかシガーロスとか、気持ち悪いけど居心地がいい音色というか、いい意味で、“違和感”を感じる音に惹かれていて。
ハルカ:私はレディオヘッドの変なボイシングとか、響きの気持ち悪さがめちゃめちゃ好きだったんですよ。と、同時に、汚い日本語を歌うパンクや70年代のフォークが持っている言葉の強さが好きだった。その“気持ち悪さ”や“違和感”、ノイジーさを追求していこうっていうテーマは、ふたりの共通認識としてありましたね。
EMTG:このインタビューだけ聞くと、不協和音をノイジーに鳴らすギターロックのように捉えられるかもしれないですが、実際の音の聴き心地は、案外、耳馴染みが良かったりしますよね。
ハルカ:そうですね。私たちはゆっくりまわる毒でありたいって思ってて。例えば、この目の前のコップの水に毒が入っているとして、ラベルに毒って書いてあると誰も飲まないじゃないですか。だから、入口は入りやすくしたい。でも、飲んでしばらく経つと、いつの間にか中毒になっていたり、なぜか抜けずに留まってるトゲのようになっていたらいいと思ってて。だから、ポップなメロディでめちゃくちゃ怒ってたり、きれいな声でえぐいことを言ったり、すごくせつない曲にノイズを乗せたりしています。あと、冷たく燃えてるイメージもあります。赤い炎より青い炎の方が熱いように、静かに怒ってる。そういうつもりで書いてますね。
EMTG:では、結成から3年で、メジャーデビュー作となる1stアルバムが完成しましたが、どんな作品にしたいと考えてました?
ハルカ:インディーズで2枚のe.p.を出してきたんですけど、自分でもハルカトミユキがどういうものか、ぜんぜん分かってないんだなって思ったんですね。そもそも決まったものはないし、まだ自分でも分かってないのであれば、いろいろやってみればいいんじゃないかと思って。12曲あるから、これまでよりも素直に歌ってみることもできるし、ちょっと遊ぶこともできる。そういう感じで作っていました。
ミユキ:例えば、「Hate You」は、昔は好きじゃなかったんです。ポップ過ぎることに抵抗があって。「これはハルカトミユキなのか?」って思ってたんですけど、それこそ、自分でハルカトミユキがなんなのか分かってなかった。ポップでキャッチーなメロディだけど、気持ち悪いフレーズが入っているのもハルカトミユキだと思ったし、ライブでフックになる曲にもなっていて、幅が広がったなと思いますね。
EMTG:多様な楽曲の中でいちばんハルカトミユキらしい軸になる曲をあげるとすると?
ハルカ:1枚目のe.p.にも入っていた「Vanilla」ですね。狂ってしまえれば書けるかもしれないけれど、狂えないから、こういうことしか書けないっていう感覚で書いてて。狂いたくても狂えない。その言葉が、自分が歌の詞を書いていく根本的な部分にもつながってるし、ハルカトミユキを象徴する曲だと思います。
ミユキ:うん、そうだね。音としての違和感を追求するというよりは、このアルバムの最後の3曲は、繊細にストレートに気持ちを伝えようとしていて、その中でも特に「Vanilla」は、音でも、歌詞でも、曲全体としても、強い芯をいちばん感じるというか。そういう意味では、やっぱり軸なのかなって思いますね。
EMTG:タイトルにはどんな意味を込めました? アルバムには「シアノタイプ」という曲も収録されてますが。
ハルカ:曲に関していうと、アルバムのなかでいちばん素直に書いた曲なんです。私、ラブソングが書けないというか、書こうと思ったことがなかったんですよ。だから、「シアノタイプ」は、素直になろうと思わなければ絶対に書かない、がんばって書いたラブソングで……素直すぎて恥ずかしいくらいなんですけど……。
EMTG:歌詞にある<未来を期待しちゃう気持ち>もあるっていうことですよね。
ハルカ:そうですね、ありますね。「シアノタイプ」は、青写真っていう意味なんですけど、アルバムのタイトルを考えてるときにパッと思い浮かんだんです。そのとき、曲のタイトルも決まってなくて。未来のことを期待している曲なので、アルバムのタイトルとしてもいいなって思って。まだ自分たちの形が定まってない、決まってない状態で、これから組み立てていったり、広げていったりする設計図というか。未来が予感できるようなものになったかなっていう意味で付けましたね。
EMTG:ハルカトミユキとしては、いま、どんな「青写真」を描いてます?
ミユキ:私がハルカに対してフレーズで攻撃したり、歌ってるものに当たり続けて、違和感を出すっていう軸は、ずっとブレることがないと思う。そんな変なことをやってても、このアルバムをきかっけに、聴いてくれるお客さんは広がるんじゃないかなとは、思います。
ハルカ:自分のなかでは、すげー売れてるっていう青写真しかないです(笑)。私はずっと、ほんとにたくさんの人に聴いて欲しいって思ってきて。それは、聴いてくれた人がきっと、同じように思ってるはずだっていう自信があるからなんですよね。私は人に対して訴えたり、攻撃したり、説教したりしているわけではなく、自虐的というか、自分に跳ね返って言ってるつもりで書いてるんです。だから、このアルバムを聴いて、「私もそう思う。でも、もしかしたら自分のことかもしれない」って思ったり、「私も感じてたけど、言葉にできなかったことだ」って気づいてくれる人が、実はいっぱいいるんじゃないかって思っています。

【取材・文:永堀アツオ】

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リリース情報

シアノタイプ

シアノタイプ

2013年11月06日

SMAR

1. 消しゴム
2. マネキン
3. ドライアイス
4. mosaic
5. Hate you
6. シアノタイプ
7. 7nonsense
8. 振り出しに戻る
9. 伝言ゲーム
10. 長い待ち合わせ
11. ナイフ
12. Vanilla

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髪の色を抜いたり、染めたりしてたので、髪の毛がリカちゃん人形みたいにバキバキになっちゃうんですよ。でも、最近、オーガニックシャンプーを試したら、すごいサラサラになって。試供品だったので、買おうと思って、いろいろ調べてました。オーガニックシャンプーは高いものが多いので、その中でも安いやつがないかなって探して、植物由来のシャンプーを見つけました。

●ミユキ(Key)
ぷよぷよ

ハルカが書いた歌詞に出てくる<虚言者>や<被験者>、<シアノタイプ>も調べましたけど、最近は<ぷよぷよ>ですね。あのゲームが好きで。4つたまったあとに“ぷよ”って消える音がいいんですよ。その音をいま、キーボードで作っているので(笑)、加工して、いつか使えたら面白いなって思ってます。


■ライブ情報

ワンマンライブ『シアノタイプ』
2013/12/10日(火)LIVE HOUSE FEVER(新代田)

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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