Dragon Ashのニューシングル「Lily」は、驚きの制作過程で生まれた愛ある1枚

Dragon Ash | 2013.11.22

 このインタビューの冒頭は、とんでもない話で始まる。ジャケットを依頼したアーティストが、注文とまったく違う絵を描いてきて、しかもそのジャケットに合わせて作り直した曲が今回のシングル「Lily」だと言うのだ。
 こんなエピソードは、僕の長い取材生活の中でも初めてのこと。しかし、話が進むうち、それはDragon Ashを愛する人たちの物語であることが分かっていく。何やら不思議な成り行きのインタビューだが、本当にいろいろなことのあった2013年のDragon Ashを締めくくるにふさわしいエピソードをたくさん聞くことができたのだった。
 なお、初のライブ音源も収録されているので、要チェックだ。

EMTG:「Lily」の制作は、どんなふうに始まったんですか?
Kj:いつもそうだけど、自分たちには「シングルを作る」っていう意識はなくて。アルバムの曲を貯めてる過程でシングルが選ばれる。今回もアルバムの曲が9割くらいできていて、アルバムのリリース前にシングルを出そうっていう話がスタッフからあった。そのジャケットのために“金色のひまわり”の絵を、友達に頼んだんですよ。そうしたら、2カ月悩んだ末に、「百合になっちゃった」って(笑)。ひまわりが描きにくかったんだろうね。そいつは金色ならひまわりより、百合がいいって思ったんだろうね。なので、「じゃ、百合の曲を書こうか」って、それが発端になって「Lily」を書いたんだよね。
EMTG:頼んでないのに描いてきちゃったんだ(笑)。でも「Lily of da Valley」とか、Dragon Ashにとって百合は象徴的な花だから、その画家の人の気持ちも分かるなあ。
桜井:思い詰めてたんだろうな。どうしても百合になっちゃった(笑)。
EMTG:すごい成り行きだなあ。ちなみにもう1曲は?
Kj:新しいDragon Ashっていうか、(前作シングル)「Here I Am」の延長線上にはない曲。今回のアルバムは、シングルっぽい曲が多いね。
EMTG:アルバム制作の途中に、さらにジャケットに合わせて曲を書いたんだ。ちなみに、画家の人にはもう「Lily」を聴かせたんですか?
Kj:いや、まだ。ただ、お前が百合の絵を描いてきたから「Lily」を作ったって伝えました。周りからは「ジャケットに関しては受け身なのかよ」って言われそう(笑)。
EMTG:受け身にも、ほどがあるでしょ(笑)。いろんな曲の出来方があるけど、こんな話、初めて聞いた。そして“百合”っていうテーマを得て、歌詞はすぐに書けたんですか?
Kj:詞は、百合の絵とはまた別の出来事からインスパイアされて1日で書いたんだよね。友達の身の周りで起きたことを聞いて、その時の気持ちを忘れないようにって書いた。
EMTG:インスピレーションは“百合の絵”だけじゃないんだ。
Kj:まずトラックを作る“クリエイターのオレ”がいて、トラックが完成すると、次に“ボーカルのオレ”が出てきて詞を書く。
EMTG:その役割交代は、広がりがあっていいことだね。百合にこだわり過ぎると、歌の世界が狭くなる可能性がある。
Kj:そう、絵を描いてくれた本人もファンも、あくまでも百合をシンボリックに心にしまってあるっていう。
EMTG:「Lily」の中でも♪リリィ♪って歌詞は、ディレイで飛ばしてる。
Kj:(笑)。
EMTG:その画家の人は、Dragon Ashが凄く好きなんだろうな。
Kj:だと思います。
EMTG:「Lily」をライブでやるときの、ダンスのイメージはもうあるんですか?
DRI-V:PVでは、激しい動きとか、滑らかなものとか、いろんな“技”っぽいことをやってます。基本的には「音になりたい」と思って踊ってます。
ATSUSHI:シンボリックな踊りができればいいなって思う。「Lily」は歌詞がシンプルなので、その優しいイメージに沿ったものになればいいなと思ってます。このところ、PVで一発本番で本能のままに踊ったものをベースにしてライブの動きを組み立てることが多いですね。
EMTG:そういえばPVには、アクション・ペインティングをする女性アーティストが出てきますね。彼女にはどんなディレクションをしたんですか?
Kj:「どうやって曲を書いたの?」とか「この歌詞はどういう意味で、誰に宛てて書いているの?」とか、すごく深く質問してくる人だった。オレの詞は、フィクションでは書いてない。100%、体験談なので、PVを撮る前にそれを話しました。
EMTG:それは僕も聞きたい。
Kj:ダメです。彼女にはパフォーマンスしてもらうために言いましたけど、この場でそれを言ってしまうと、オレが宛てて書いた個人のための歌になってしまう。そうすると、歌がみんなのものにならなくなる。だから、インタビューではオレからは絶対に言わない。“ト書き”が多いアートは好きじゃないんですよ。 それを言っちゃうと、作品がつまらなくなる。聴いた人が自分でいろいろ自由に想像してくれるのがいいと思う。
EMTG:そうだよね。残念だけど、仕方ない。聞きません(苦笑)。 カップリングの「Somewhere」は?
Kj:これは去年の終わりぐらい、何の見取り図も描かずにアルバムの曲の素材出しの時期に作った。そういう時期の曲って、コマーシャライズされてなくて、本質が出たりする。英語詞で、ジメッとしてたりして、ある意味、自然体な曲。
EMTG:スクラッチがかっこいい!
BOTS:曲によって何も指示がないものもあるんだけど、この曲は「ここにスクラッチ入れて」って言われたかな。
Kj:その頃、アルバムの素材出しをしたり、大河ドラマの撮影をしてたりして、自分の脳が「ここはどこなんだろうか?」ってなってた。そんな時にソフィア・コッポラ(監督)の映画『SOMEWHERE』を観て作った歌。どこにいても、要は気の持ちようなんだけど、それを コントロールするのは難しい。“ここじゃない感”があって、お気に入りの曲です。
EMTG:まさにSOMEWHERE=どこかって歌だ!
Kj:そして、「Lily」を引き立たせてくれる曲です。
EMTG: ありがとうございました。

【取材・文:平山雄一】

tag一覧 シングル 男性ボーカル インタビュー Dragon Ash

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リリース情報

Lily(初回限定盤)

Lily(初回限定盤)

2013年11月27日

ビクターエンタテインメント

1. Lily
2. Somewhere
3.“Live at RUSH BALL 15th”
INTRO 〜 Run to the Sun 〜 Trigger 〜 For divers area

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90年代のヒップホップの、モノクロ映像のテレビ・ドキュメント番組。ニュースクールの動きを適当にやってるのに、ダンスがちゃんと“音”になってるのが凄い。

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テレビ観てたら、西野カナさんが着てまして、「この柄って何?」ってことで調べました。僕らの世代にとっては“ジャンボ尾崎”がよく着てた柄。その柄が、今は一つ一つ大きくなってるんですね。


■ライブ情報

Lily’s Party
2013/12/04(水)EX THEATER ROPPONGI

3年ぶりのワンマンツアー
「THE SHOW MUST GO ON」

2014/02/01(土)SHIBUYA-AX
2014/02/07(金)Zepp Tokyo
2014/02/09(日)京都KBSホール
2014/02/10(月)なんばHatch
2014/03/01(土)Zepp Fukuoka
2014/03/02(日)T.O.P.S Bitts HALL
2014/03/07(金)Zepp Nagoya
2014/03/09(日)CLUB CITTA’
2014/03/14(金)岡山オルガホール
2014/03/15(土)BLUE LIVE広島
2014/03/23(日)キッセイ文化ホール
2014/04/05(土)富山・ヘリオス
2014/04/06(日)福井県県民ホール
2014/04/12(土)桐生市市民文化会館
2014/04/13(日)新潟LOTS

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