SKY-HI、待望の1stアルバム『TRICKSTER』で、幅広い音楽性を披露!

SKY-HI | 2014.03.12

 昨年、シングル「愛ブルーム」でメジャーデビューを果たしたSKY-HI。SKY-HIとして活動を続けながら、AAAの日高光啓としても多忙な日々を極める中、渾身の1stアルバム『TRICKSTER』を作り上げた。すでにラップ・スキルの高さは、各方面からも評価されている彼だが、このアルバムでは型にはまらない音楽性を全面に押し出し、エンターテイメント性の高い作品を作り上げている。HIPHOPのみならず、ソウル、ポップス、ロックの要素を盛り込んで、作り上げたスタイルは今後もさらに進化しそうだ。今回は、アルバム発売前に行ったツアー終了直前の彼をキャッチ。アルバムについて語ってもらった。

EMTG:まず、アルバム『TRICKSTER』の発売より前に、ツアーをされてましたね。新曲ばかりのライブだったとは思うんですが、いかがでした?
SKY-HI:アルバムのリリース後はツアーが終わってるんですけど、「またね」と「サファリ・システム」以外は全部やってますね。ただ、ライブそのものは、曲を知ってるとか知らないに左右されるレベルではなかったと思うんです。ツアーのMCでも毎回言ってきたんですけど、何となくまわりが盛り上がっているから合わせるみたいな、見せかけの盛り上がりみたいなものは、まったく必要ないと。演出がないと楽しめないわけでもないし、自分自身のポテンシャルひとつで、みんなが知らない曲を最後まで楽しんで聴かせるのは不可能じゃないと思うんです。むしろそれが音楽の楽しみ方のひとつでもあるだろうっていう自信と確信があったんです。去年のツアーでも、みんなが知らない曲を中心に構成を組んで得たものを踏襲して、もっと大きいことが出来るっていう。だから不安はゼロでしたね。
EMTG:では、続いて『TRICKSTER』についてなんですが、SKY-HIのあらゆる側面が見られる作品になりましたね。まさにタイトル通り(=ゲームをひっくり返すという意味もある)だと思ったんですけど、よくこの完璧にハマッたタイトルをつけたなと(笑)。
SKY-HI:ひらめきました(笑)。楽曲はずっと作り続けていたし、もちろんアルバムも見据えていたんですけど、去年の秋ぐらいにスタッフ兼親友にデモを聴いてもらった時、楽曲の作り方そのものに問題提起をされたんです。
EMTG:どのような?
SKY-HI:それまでは、ずっとHIPHOPの作り方で進めてきたんです。ビートメーカーとビートを作って、そのデモに歌詞をつけて、それをビートメーカーがブラッシュアップするという手法だったんですね。で、言われたのは“自分の中の思想やアイデア、ビジョンがしっかりあるのに、そういう作り方をしていると、クオリティーのよしあしに関わらず、そのビジョンが揺れたりかすんだりするから、好ましくない。全部自分でやれよ”と。それで“じゃあ、自分でやるよ!”っていう(笑)。それで、もう一度自分でトラックメイクから完全に自分でパッケージングして、出来たものに対してアレンジャーやビートメーカーに関わってもらうことにしたんです。単純に言えば、ただ作り方を変えただけなんですけど、そのタイミングで一度、自分の精神状態も整理しようと思って、1ヶ月半から2ヶ月ぐらい、曲作りをストップしたんです。でも、そのリフレッシュ期間の最終段階になって、ネガティヴの極みに入ってしまったんです。
EMTG:SKY-HIらしくない状況ですね。
SKY-HI:でも、もし3月にアルバムを出せるとしたら、逆にこれは“いいネガティヴ”をもらったかもと思って(苦笑)。これをひっくり返したら、“でっかいポジティヴ”になるなと思ったんです。自分のネガティヴを欺いた瞬間に、無条件のワクワクが降りてきて。これを乗り越えた俺はどんな曲が作れるんだろうとか、どんなライブができるんだろう、どんなSKY-HIが2014年に誕生するんだろうって思えた時に、タイトルの『TRICKSTER』が出てきたんですよ。みんな小さいネガティヴっていっぱい持ってると思うんですね。それこそ、仕事がイヤだなとか……。でも、みんなそれと対峙したくないから目を背けていくうちに、ネガティヴはどんどん大きくなると思うんです。でも、それをひっくり返せた時にタイトルが生まれたし、音楽家としての自分のスタンスも明確になった。だから、ネガティヴは、大きければ大きいほど、ひっくり返した時には大きなポジティヴの種になる。目を背けず、対峙すれば絶対にひっくり返せるんです。そういう不安と対峙するキッカケっていろいろあると思うんです。友だちのひと言とか。でも、音楽はCDになれば、半永久的にその人の人生に携わることができる。それが音楽をやっている意味なんだっていうのに気づいた時にこのタイトルが出てきたんですね。で、そのままタイトル曲の「トリックスター」を勢いで書いたんです。
EMTG:まさかそういう経緯でできた曲だったとは(笑)。
SKY-HI:あと、どういう形であれ、音楽を聴いてくれる人には、より真摯でありたいと思ったんですよね。だから、ホントにアルバムの制作がキッカケで全部変わったかも。生き方とかスタンスとか。着る服もリアルに変わったし。
EMTG:確かに今日はシックないでたちですよね。
SKY-HI:最近、ずっとシュッとした格好をしているんですよ。
EMTG:身をただすような感じですよね。
SKY-HI:自分自身も正面から受け止めたいし、そのためには強固な軸足が必要だったし。その軸足ができ上がった感触があったからこそ、音楽的な振れ幅も広くできたし、メッセージも込められたんだと思います。
EMTG:その思いがあったからなのか、今回はフィーチャリングなしで制作を進めましたね。ほかのアーティストとのコラボも化学変化があって面白いとは思うんですが。
SKY-HI:自分ひとりの方がいいものが出来るっていう自信があったというか。自分の中で音楽的なアイデアも思想もクリアに見えていたんで、そこにほかの人の思想や声が入る必要がなかったんですよね。
EMTG:確かに各曲とも、十分に個性が際だってました。「トリックスター」も、予想外のビッグバンドをフィーチャーしたサウンドだったし。
SKY-HI:あれは、その方がいいかなっていうだけで(笑)。“こうしよう”と思って作ったというよりは、「トリックスター」という曲のエナジーとかメロディーを全部含めて形になるのが、このアレンジだったんですよね。タイトルを思いついて、勢いで作った曲だし、一番衝動が形になってますね。
EMTG:より自身のキャラクターが出たと。
SKY-HI:一番大切にすべきはいいものを作る。それのみを最優先に作っていたんです。例えばHIPHOP的な作り方も敢えて破壊して再構築したりして。そこでの判断基準は、全部中学生時代の自分……リトル日高って呼んでるんですが(笑)、そのリトル日高が“いい!”って思ったらアリだなとか。“アイツが楽しめなかったら、カッコよくないな”と。
EMTG:音楽そのものに衝撃を受けた原点の感覚が大事だったんですね。
SKY-HI:まさにそうです!
EMTG:当時は細かいことを考えずに音楽を聴いてましたしね。“よくわからないけど、カッコいい”みたいな。
SKY-HI:そうなんですよ。楽器のこともよくわかってないし。でも、オトナになるといろいろと考えてしまうかから、そこはリトル日高に確かめながら作ってます。
EMTG:いいですね、リトル日高(笑)。
SKY-HI:アイツはいい感性してます(笑)。だから、ジャンルとかも一切関係なくて。僕の場合、入り口がすごく多いんですよね。HIPHOPを聴いていてSKY-HIを知ってくれた人、AAAで知ってくれた人や、フェスとか誰かの客演で知ってくれた人……。だから、音楽として“いい”と思ってもらえることが前提だったんで、このアルバムもCD屋さんではHIPHOP、J-POP、ロック、どのラックに置いてもらってもいいっていうか。
EMTG:一方で、世の中への硬派なメッセージを入れた曲がありますよね。
SKY-HI:「Tyrant Island」「サファリ・システム」とか、そうですね。思っていることを、サラリと音楽で楽しめるように伝えられることができるんだったら伝えたいなと思っていて。そこは自分に真摯でいようとか、責任を持とうって思えたからこそなんですけど。「サファリ・システム」は、その責任を持つという延長上に生まれていて。登場人物が死ぬ歌は1曲作らなきゃと思ってたんです。
EMTG:なぜまたそれを?
SKY-HI:「トリックスター」で歌っていることは、何がリアルで何がファンタジーかがわからない世の中だから、正解は自分で決めちまえばいいって思いがあって。あまり社会派みたいにはなりたくはないんだけど、特定秘密保護法にしても、もし明日戦争が始まったというニュースがテレビで流れても、あまり実感はないと思うんです。でも、すべての人が共通してリアルに感じるのは“死”じゃないかと。だけど、それも理解できる人はそんなにいないし。でも、誰もが死ぬし、ゼロに戻る。あと、正義のありかも見方によっては全然違うわけで。だから「サファリ・システム」って、ライオンがたくさん狩りをして、最後は人間に狩られる歌なんですけど、自然の摂理で狩りをしていたライオンが正しいのか、狩り過ぎた因果で殺されてしまったのか。その正義のありかは、どちらにあるのかわからないようにしたかったんです。そうしたら、聴いてくれた人が“これはこの話じゃないか”って、いろんな考えを話してくれるんですよ。「Tyrant Island」には辛辣なメッセージはあるんですけど、そこにはすごいラップを入れて、エンターテイメント力を上げたりして。もちろん、そこにはリトル日高の“アリ!”はありましたけどね(笑)。
EMTG:そういう強いメッセージのある曲にまざって、「Blanket」とか「キミサキ」とか穏やかなラブソングもある。素直なラブソングとメッセージソングが並んでいるのを見ると、大げさかもしれないけど、ジョン・レノンが浮かびますね。
SKY-HI:そういえば(笑)。嬉しいです(笑)。ちょうどこの前、ほかのインタビューでも話したんですけど、俺が音楽に対して真摯でいようと決めたのは、リスナーの人生に関わると思ったから。だからリスナーが『TRICKSTER』を聴いて“前向きになれました”というのであれば、それが正義だと思うし、俺にとってのゴールでもあるし。それを音楽家としてそれを広げていった人が成功した人に見えて。で、世界でそれを一番できたのが、マイケル・ジャクソンやジョン・レノンであるから歴史に名を残せていると。自分もそういう存在になりたいという思いは強いと思います。
EMTG:マイケル・ジャクソンのように、エンタメしながらも伝えるというのはすごいことですよね。
SKY-HI:ポップなベクトルも欲しかったんですよね。メッセージだけで暑苦しく語られると12曲は聴けないと思うし。楽しみながら聴いてもらっても、何ラインか心に残るものがあればいいと思う。
EMTG:今回、ツアーもあってアルバムも制作して、いろいろ得たモノも大きかったと思うんですが、次なるビジョンは見えてきましたか?
SKY-HI:制作の仕方を変えたのは、ホントに俺の中では大正解で。自分の中のアイデアや思想は日々アップデートしているし、常に家ですぐに曲を作るようになってたし、次のステップへ進む手法も見えてきたから、あとはやるだけっていう感じです。

【取材・文:海江敦士】

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リリース情報

3.akira-046[1]_200

3.akira-046[1]_200

発売日: 2015年06月13日

価格: ¥ 1(本体)+税

レーベル: 1

収録曲

1

ビデオコメント

リリース情報

TRICKSTER(CD+DVD)

TRICKSTER(CD+DVD)

2014年03月12日

avex trax

[CD]
1 逆転ファンファーレ
2 トリックスター
3 TOKYO SPOTLIGHT
4 Blanket
5 キミサキ
6 愛ブルーム
7 ILLICIT LOVE
8 Diary
9 サファリ・システム
10 Tyrant Island
11 RULE
12 またね

[DVD]
1 トリックスター (Music Clip)
2 愛ブルーム (Music Clip)
3 RULE (Music Clip)
4 トリックスター (Music Clip Making)

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