石崎ひゅーい、3rdシングル「ピーナッツバター/泣き虫ハッチ」リリース!

石崎ひゅーい | 2014.06.23

 石崎ひゅーいの新作「ピーナッツバター」は、日本史を突拍子もない解釈でリメイクする一風変わったドラマ『新解釈・日本史』のエンディングテーマになっている。和のイントロから瞬く間に時空を越えて、独特の石崎ひゅーいワールドへと誘う軽快なロックナンバー。一方、カップリングにはいつになくストレートな言葉で聴き手を包み込むバラード「泣き虫ハッチ」を収めた。初の両A面シングルで自身の静と動を打ち出した今作は、石崎ひゅーいの研ぎ澄まされた感性が光っている。
 そんな作品の完成度とは対照的に、以下のインタビューでは、現在の石崎ひゅーいが迷いの中にあり、自分を変えたい時期にいることも打ち明けている。さて、この時期をどう乗り越えるのか。シンガーソングライター、石崎ひゅーい、試練の時だ。

EMTG:今回はドラマのオファーがあって、書き下ろした曲なんですね。
石崎:『新解釈・日本史』は(「夜間飛行」で主題歌を手がけた)『みんなエスパーだよ!』の時と同じ制作チームなんです。今回はドラマがあんな感じだから、エッジの効いたもの、アクの強いもの、言葉がガーッて印象に残るものをっていうのは言われました。それで、「あ、なんでもいいってことだな」と思ったんですけど。
EMTG:すごい変換ですね(笑)。
石崎:で、『~日本史』は曲を書く前に1話目を見たんです。この時代に、よくこんな作品が作れるな、ロックだなと思ったから。それだけで曲ができました。
EMTG:今回は“和”のテイストが特徴的ですけど、これはプロデューサーのTomi Yoさんと一緒にあれこれ話しながら?
石崎:そうですね。「へへへ」みたいな感じで、冗談半分だったんですよ。「こりゃないだろうー」っていう。
EMTG:和笛とか和太鼓の音色が入った、いわゆるベタな和のテイストですからね。
石崎:でも聴いていくうちに他の音がハマらなくなったから、「これが正解だ」と思って。このダサい感じがいいんです。
EMTG:タイトルの「ピーナッツバター」は、歌の最後のほうに出てくる単語ですが、《食パンの耳はちぎって公園の野鳥にやります/でも白い部分だけはとっとくからピーナッツバター塗ってよ》っていうフレーズ、この意味は?
石崎:まず、ピーナッツって、殻があって中身がすごく小さいじゃないですか。空っぽに近いイメージ。で、この曲の元ネタがあって……ある実在の人物への応援歌として作ったんですよ。僕の中では、《食パンの耳をちぎって》の部分は耳が聞こえない人ってことなんです。その人が身体にピーナッツバターを塗りまくって、耳をちぎりながら売り歩いてる。それは究極のオナニーみたいな感じだと思ってて。自分はちゃんと曲を書くこともできないのに、世に自分の曲を知らしめたくて、ゴーストライターに書いてもらう。それは、世界を変えたいからとか、自分の野望を物にするために、すること。そのバイタリティがすごいなと思って。それがドラマのテーマになってる「歴史を180度変えて面白おかしくする」っていうのと一致したんです。
EMTG:つまり、それは自分を本当の姿より大きく見せるために、人の力を借りて簡単に物事を成し遂げようとする、誰にでもある甘えみたいなもの?
石崎:そうそう。
EMTG:それに対して……?
石崎:肯定したい。
EMTG:あ、肯定にも否定にもとれるけど、肯定なんだ。
石崎:っていう歌なんですよ。そういう気持ちがあったほうが面白いと思って。この曲では《calling you 歴史をかえる魔法はあるさ》って歌ってるんですけど、バカみたいに“歴史を変える”って言えることが素敵だと思うんです。
EMTG:ある種、そのために手段を厭わない、みたいな振り切った歌詞ですね。
石崎:今はなかなかそういうことをしづらい時代だと思うんです。出てったらすぐに叩かれるから。だからあんまり出ていけない。だけど根拠もないくせに出ていくパワーは必要なのかな、みたいなことを書きたかったんです。
EMTG:そのテーマが『~日本史』にも合うと思ったんですね。
石崎:そうですね。
EMTG:ここ何作かはタイアップで書き下ろす楽曲が続いてますが、そのあたりの制作はどう取り組んでいますか?
石崎:最近気づいたんですけど、けっこう好きなんだなってことがわかってきました。人と会えるから。実は今ちょっと曲が書けないなって悩んでいて。でも、たとえば『エスパー!』の時は園子温監督に会ったんですね。そうしたら人間としての園さんを知れる。今回も主演のムロツヨシさんに会って、仲良くなって、家に遊びに行ったりしてるんです。それが刺激になりますね。たぶん自分はいろんな人と話して吸収していくタイプなんだと思います。
EMTG: 曲のテーマとしても、“人”を歌うことが多いですし。
石崎:そうなんです。昔の曲の歌詞を聴いてみたら全部“人”のことを歌ってるんですね。母親だったり、好きな女の子だったり、友だちだったり。人のことか自分のこと。で、目標を掲げたんですよ。「オープンマインド」って。デビューして1、2年、そういうチャンスはいくらでもあったのに、誰とも仲良くなろうとしてなくて。ただただ家に帰って酒飲んで寝ちゃうみたいな生活だったんで。そういうのをやめようと思ったんです。
EMTG:いいことですね(笑)。で、2曲目は一転してストレートなバラードソング。
石崎:本当は僕こういう曲をちゃん歌える人になりたいんですよ。こういうのをちゃんと作れる人になりたいんです。でも難しい。人間として卑屈だから、素直な歌詞が出てこないんですよ。
EMTG:この曲は、ひゅーいさんには珍しく歌詞がストレートですからね。たくさんの《僕ら》が《君》を励ます曲。
石崎:実はこの曲は震災の時に作った曲です。「第三惑星交響曲」(デビュー曲)の頃ですね。今は《僕ら》って使えないんですよ。《僕》だけになってるから。震災の後っていうのもあって、大きな視点で書けてたんだと思います。あと、この曲を作ってた時、合唱コンクールを思い出してました。合唱コンクールって見ると鳥肌が立つんです。大好きで。それで、そういうものにしたかったんです。
EMTG:みんなで歌えるっていうことですか?
石崎:っていうよりも、合唱コンクールってみんなが指揮者に向かって歌うじゃないですか。そういう大勢がひとりに向かって歌うっていうイメージですね。音的な意味ではなくて、弱ってる人間に対してみんなが歌うっていう。
EMTG:しかも今回は《がんばれ》って言葉を歌ってて。なかなかできないことだと思うんです。
石崎:あの時は心の余裕があったんでしょうね。今はちょっと自分の心配ばかりです(苦笑)。《がんばれ》をちゃんと歌えるには、シンガーとしてよい状態じゃないといけないんですけどね。
EMTG:では最後に今回の両A面シングルはひゅーいさんのまったく違う一面が出た1枚ということで。どちらがより自分らしいと思いますか?
石崎:うわーーっ!(頭を抱える)……それは、どっちもですね。もしかしたら、どっちかに偏ってたほうがレコード会社的にはいいかもしれない。人のイメージって難しくて、どっちもいけるっていう風には捉えないんですよね。でも、そうやってしまうと、音楽が絶対につまんなくなると思っていて、振り幅はいつでも大きいほうがいいんですよ。……でも本質的には、最終的な僕の着陸地点としては、こういう歌(「泣き虫ハッチ」)を、いつでもちゃんと歌えるようになりたい。
EMTG:プロとして自分のメンタルの部分もコントロールして歌えるようになりたい。
石崎:そうなりたいです……。
EMTG:ちょっと今はしんどい時期みたいですね。
石崎:悩んでますね。
EMTG:では最後に7月から始まるツアーはどんな感じでしょう?
石崎:できるかどうかわからないんですけど、気持ちをちょっと変えようと思ってます。心を開くというか。
EMTG:ここでもオープンマインド。
石崎:そう。お客さんと一緒にやる、というか。今までは「檻の中の動物を見させてやる」みたいな感覚だったけど、もうちょっと手を差し伸べてみようと思います。

【取材・文:秦理絵】

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ビデオコメント

リリース情報

ピーナッツバター / 泣き虫ハッチ

ピーナッツバター / 泣き虫ハッチ

2014年06月25日

DefSTAR RECORDS

1. ピーナッツバター
2. 泣き虫ハッチ

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ケネディ 暗殺の真相
園子温監督と会う機会が最近あって、映画とかいろんな話をしてたときにこの事件のことが出てきて、気になったので自分でも調べてみました。


■ライブ情報

石崎ひゅーいTOUR2014「仮装行列」
2014/07/04(金)名古屋E.L.L.
2014/07/06(日)梅田クラブクアトロ
2014/07/07(月)渋谷クラブクアトロ

FREEDOM aozora 2014東北
2014/08/23(土) 宮城県 国営みちのく杜の湖畔公園 風の草原

風とロック芋煮会2014 風とロックBASEBALL
2014/09/27(土)、28(日)福島県 郡山総合運動場 開成山野球場

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