tricot、凱旋!3人体制での初シングルは“これまでのtricot”を壊す「Break」

tricot | 2014.08.13

 この春、3人編成になったtricot。ドラマーkomaki♂の脱退以降も、サポートドラムを迎えてイベントに、ツアーにと絶え間ない活動を展開。現編成でも、彼女たちの特徴は損なわれることはなかった。むしろ違ったテイストやニュアンスが楽曲に加わり、また新しい世界観が醸し出されている。それらは、この初夏に出演したチェコ、ハンガリー、スロバキア、セルビアの野外フェス(その他、Pixiesのオープニングアクトを含むイギリスでの2公演)でも炸裂していたと聞く。国内ライブと同じように行ったそのプレイは、海外でも多くの“Amazing!(意味:信じられない!)”や“Awesome!(意味:こんなの見たことがない!)”を巻き起こしたようだ。 そんな帰国早々にリリースされた彼女たちのニューシングル「Break」は、これまでの自分たちを打ち破り、勇敢に次のフェイズに進む心強い楽曲となった。彼女たちらしさの中にも、今の、そしてこれからのtricotを感じさせるナンバーだ。

EMTG:ヨーロッパ各国でのフェスに出演し、かなり好評だったとか。
中嶋イッキュウ(Vo・G):ありがとうございます。あまり日本では馴染のないフェスかもしれないんですけど、どこも大きなフェスで。海外のフェス自体初めてやったんですけど、すごく自由でしたね。
EMTG:それは主にどの辺りが?
中嶋:みなさん音楽フェスを観に来るって感じじゃなかったんです。日本みたいに、始まる直前にバッと集まって、終わったら次のステージへ、とはまた違って。たまたまそこに居た人が音に食いついて観に来たり……。なんかお祭りに来てる感じで。
EMTG:実際にステージに立たれてどうでした?
中嶋:どこもかなり人が集まってくれて嬉しかったですね。うちらのことを知らんかった人ばっかりやったと思うんですけど、音につられて集まってくれた感じで。スロバキアなんて2回演奏したんですけど、どっちも人が沢山集まってくれましたからね。
EMTG:行く前に想像していたものと、実際に現地のステージに立っての違いはありましたか?
ヒロミ・ヒロヒロ(B・Cho):行く前は何の想像も出来なかったですからね。どんな感じなんやろう? 果たして人が集まってくれるんやろうか?って。でも実際にステージに立つと、いつも通りでしたね(笑)。うちらただでさえノリづらいだろうに、みなさんしっかり観てはって下さって。
キダ モティフォ(G・Cho):自分たち的には普段とそう変わらないステージが出来たかなと。だけど、日本人という意識はちょっと強くなったかも。色々な国の人たちが集まる中でやったこともなかったんで。
EMTG:ステージで日の丸の国旗を掲げたらしいですね?
中嶋:こういったヨーロッパのフェスに日本人が出ること自体、珍しいことみたいで。実際、どこも日本人のバンドはうちらしかいなかったし。もう、「日本の音楽を伝えるのはうちらしかいない!」と、勝手に日本代表してきました(笑)。
EMTG:スロバキアのフェスではステージから降りて客席で演奏したんですよね?
中嶋:降りましたね、客席(笑)。
ヒロミ:その日は2つのステージに立ったんですけど、2回目にアンコールが起こって、「MATSURI」をやった時ですね。その日は結局「MATSURI」を3回もやったな(笑)。
中嶋:1つ目のステージの最後と、2つ目のステージの一番最初と、そのアンコールに応えて(笑)。
ヒロミ:その時に勢い余って、気づいたら客席で。いやー、向こうの方も驚いてました。
EMTG:このフェスをまわって何か得たものはありましたか?
中嶋:より気が大きくなりました。次は世界制覇だなと(笑)。あと、いい意味で適当になりました。
EMTG:それは?
ヒロミ:こんなにもアバウトでいいんだ、みたいな。日本人はいい意味で細かいことに改めて気づきましたからね。
キダ:このまま自分たちらしく行こうと決意しましたね。かっこ良ければ、受け入れてもらえるし、変に迎合する必要はないんだなって。
ヒロミ:「Awesome!」って、向こうではよく言われたし。
中嶋:外国人の出待ちがいてくれて、なんか外タレになった気分で気持ち良かったです。
EMTG:イギリスでは、オルタナロックのレジェンド・バンドのPixiesとも共演しましたね。
中嶋:Pixiesを観に来た人たちに強制的に観てもらいました(笑)。最終的には盛り上がってくれて良かったなと。「tricotを観に来た」という方もおられて、強い気持ちで臨めました。知ってくれてる人もいて心強かったですね。
EMTG:ここからはニューシングル『Break』の話に。この曲は “新生tricotの第一弾”と思ってもいいんですか?
中嶋:ですね。今までの自分たちをも壊すという意味もあって、このタイトルにしたし。次のtricotはここから始まるって1曲です。
EMTG:“新生第一弾”ということもあり、てっきりtricotを象徴するマスロックや変拍子で躍らせるスタイルでくると思ってました。
中嶋:勢いのある「行ったれ?!」みたいな曲も候補にはあったんですけど、やっぱり今一番自分たちが良いと思える曲で行こうと。
ヒロミ:タイトル曲だけでなく、カップリングの「after school」も良い曲ですからね。今、いくちゃん(中嶋)が言った通り、いつものように自分たちが良いと思えるものを突き詰めたのが今回の2曲なんです。作り方もいつもの通りで。歌や曲が後から乗って、より良い曲になったなと。新生tricotに向かういいシングルが出来ました。
EMTG:と言うことは、今回の2曲もこれまでの楽曲の作り方同様、最初にインストを作って、その後に歌メロを作って乗せたんですね。それぞれ歌が中心になっているので、てっきり2曲とも今回は歌メロから作っていったと思ってました。
キダ:「after school」の方は、いくちゃんがピアノと歌で作ったデモを基に作ったんですけど、「Break」の方は、いつものように私がギターを弾いてそこから生まれたものに、メロディや歌詞を乗せていきましたね。
EMTG:「Break」は歌が楽曲の中心にありながらも、変拍子や3人のハーモニといったtricotの真骨頂が曲のあちらこちらに見受けられます。
ヒロミ:いつも通り、「これしたい」「あれしたい」「ここにこれ入れよう」ってやった結果です(笑)。
EMTG:「Break」の歌や歌詞はいかがですか?
中嶋:4人からこの3人になったことについて書きました。オケ(演奏)もエモい感じで。既に哀愁が漂っていたんで、歌詞もメロディも付けやすかったです。スッと出て、時間もそうかからなかったですね。
EMTG:今回は2曲共、秘めたエモさみたいなものがありますもんね。
中嶋:特に「Braek」の方は、ずっと4人でやってきた、その形を崩すことに対して前向きに捉えたことを歌にしてますからね。別れですけど悲しい別れじゃなく、逆に「これを糧に、これから頑張っていきます!」って感じ。やっぱり一つのものを壊すのには、かなり勇気が要るけど、一旦崩してしまったら、あとはワクワクしかないですから。何をやっても新鮮に感じられる。そんな心境の時に作ったし、そういった気持ちを詰め込んだ楽曲なんです。
EMTG:一方、「after school」は、乙女心鷲掴みな歌内容ですね(笑)。
中嶋:こっちはネガティブというか、良くない別れを描いた曲です(笑)。
ヒロミ:歌がメインな感じやったんで、サラッと作ったというか。いつもみたいに「あーしたい、こーしたい」よりかは、いくちゃんのデモを広げてやり過ぎない感じで弾きました。
キダ:いつも歌を気にせず、オケから作るスタイルだったんですけど。この曲は違っていて。以前、中嶋ソロみたいなことのバックをやっていた頃を久々に思い出しました。当時も、いくちゃんが作ってきた曲に、ギターでアレンジを乗せて曲を作っていくスタイルで、歌ありきのアレンジやったんですけど、今回も、あの頃のように、思ったまま、感じたままにギターを乗せてみました。
中嶋:こういう作り方を今までやってきたこともあったんですけど、いまいち作品にはならなくて。だけど、今回は珍しく作品になりましたね。
EMTG:今後、こういった曲の作り方が増えていったりは?
中嶋:やっぱりtricotっぽい曲はこういう作り方では生まれにくいですからね。先輩(キダ)のギターがメインであった方がとがった感じが出るというか。なので、幅を広げる為に入れることはあっても、それが中心になることはないでしょうね。
EMTG:最後にこれからのtricotを聞かせて下さい。
中嶋:今、この体制になって、やりたいことや目標が初期の頃のようにどんどん出てきてるんです。中には、「これは無理やろう…」と思うものもあるけど(笑)。全体的に考えが上向き、やったるゾってなってるんです。
EMTG:その目標を教えて下さいよ。
中嶋:ちょっと恥ずかしいんで、今はまだ秘密です(笑)。もうちょっと叶いそうになったら教えます。
EMTG:「かっこいい彼氏が出来ますように」とかはダメですよ(笑)。
中嶋:それ書いておいてください(笑)。この前、台湾にライヴに行った時に、よく日本人が訪れるという占いに行って、見てもらったんです。そこで、「今年の秋あたりに素敵な出会いがある」みたいなことを言われて。実は、今からソワソワしてるんです (笑)。

【取材・文:池田スカオ和宏】

tag一覧 シングル インタビュー 女性ボーカル tricot

ビデオコメント

リリース情報

Break (期間限定生産盤)

Break (期間限定生産盤)

2014年08月06日

BAKURETSU RECORDS

1. Break 
2. after school

このアルバムを購入

お知らせ

■マイ検索ワード

●キダ モティフォ
ブリ

画像検索しました。絵しりとりやってまして。テッカテカのやつがいっぱい出てきました。

●中嶋イッキュウ
ロック・イン・ジャパン タイムテーブル

つい前日、ロック・イン・ジャパンに出たのですが、一発目だったので、この後に何を見ようかなって、○印をつけました。

●ヒロミ・ヒロヒロ
林遣都 映画

林遣都さんと地元が一緒なんです。ロック・イン・ジャパンでも(WOWOWの特設スタジオで)司会をしてました。映画にも出てると聞いて、私は邦画も好きなので、何に出てはるのか調べました。


■ライブ情報

「聖地巡礼!! 2014
2014/08/17(日)滋賀県 豊郷小学校旧校舎群内 講堂

帰ってきたトリコさん どっこいしょJAPAN ~day1 女MATSURI編~
2014/08/20(水)下北沢SHELTER

帰ってきたトリコさん どっこいしょJAPAN ~day2 男MATSURI編~
2014/08/21(木)下北沢SHELTER

ユレルミューティレーション
2014/08/22(金)名古屋 ROCK’n’ROLL

「KOBE, ACTION !」TOWER RECORDS KOBE 20th Anniversary vol.1
2014/08/26(火)music zoo KOBE 太陽と虎

RUSH BALL 2014
2014/08/31(日)泉大津フェニックス

東京藝術大学 藝祭 2014
2014/09/06(土)東京藝術大学

KANSAI LOVERS
2014/09/13(土)大阪城音楽堂

One on One produced by Guitar Magazine
2014/09/17(水)代官山 UNIT

B-FLAT presents.”琵琶湖大沸騰2014″~B-FLAT 15th Anniversary Special Live~
2014/o9/25(木)滋賀B-FLAT

エレキ大浴場23 ~KYOTO MOJO 15th Anniversary~
2014/9/30(火)京都MOJO

Skream!×HMV Presents ”ROCKのススメ”
2014/10/09(木)渋谷WWW

MINAMI WHEEL 2014
2014/10/11(土)、12(日)、13(月祝)
出演日、出演会場等の詳細は後日発表致します。

ボロフェスタ 2014 大前夜祭
2014/10/24(金)京都KBSホール

第62回小金井祭『パスピエ×tricot LIVE』
2014/11/03(月・祝)法政大学小金井キャンパス 東館2階体育館

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る