WHITE ASH、6枚目のニューシングルは「モード学園」CMソング!

WHITE ASH | 2014.09.05

 のび太(Vo,G)を中心に活動する4ピースロックバンド・WHITE ASHがEMTG MUSIC初登場。6枚目のシングルとなる「Hopes Bright」、そのタイトル曲はキャッチーなリフとメロディを軸に、日本語詞で展開。カップリング曲と併せ、トータル性に長けたキャリア最高傑作となった。今回のインタビューではフロントマン・のび太の音楽的背景と、バンドのこれまで、曲作りの極意、ニューシングル「Hopes Bright」について話を訊いた。のび太の話から見えてくる『自分たちが「これだ」と思うものを貫き続ける』という強い意志。これがWHITE ASHというバンドの在り方だ。

EMTG:EMTG MUSIC初登場ですので、まずバンドの成り立ちや、フロントマンであるのび太さんの音楽的背景などを伺いたいと思います。のび太さんは大学に入ってから音楽を始められたそうですね。
のび太:はい。僕、中学~高校と卓球部で、全然モテなかったんですよ。それでバンドでも始めたら、少しは華やかな(笑)世界に行けるんじゃないかなあと思って、大学の軽音楽部に入りました。でも実際は、入部したからってすぐバンドって組めるものでもなくて。入部したはいいけど、全然思うようにいかなくてモヤモヤしてた時に、たまたまテレビでアークティック・モンキーズのミュージックビデオが流れていたのを観たんですよ。それを観た時に自分の中でバチーン!ときて、こういうのをやりたいなと思って。そこでやっと『待ってるだけじゃダメだ』と。それで自分でメンバーを誘って、まずアークティック・モンキーズのコピー・バンドとして結成したのがWHITE ASHです。
EMTG:それ以前に音楽をやりたい、バンドをやりたいと思ったことはなかったんですか。
のび太:まったくなかったです。普通にテレビから流れてくる音楽を聴いて、ごくたまに友達とカラオケに行ったりするくらいで。
EMTG:それまで観てきたバンドと、アークティック・モンキーズとでは、何が違ったんでしょうね。
のび太:なんなんでしょうね・・・僕がいちばん最初に出会った音楽というのは、姉の影響で聴いたガンズ・アンド・ローゼズだったんですよ。僕は姉の後をくっついてまわっていたので、小さい頃から姉の聴く音楽を浴びていたんですけど、その少し後に、今度はマイケル・ジャクソンにハマるんです。『なんて気持ちよく歌うんだろう』って。その辺りからですかね、音楽を聴くのが好きになってきたのは。でも、自分で音楽をやりたいなんてことは思わなくて。でも、アークティックは何が特別だったのかな・・・ちょっと説明が難しいんですけど・・・シンプルだったんですよ。シンプルなんですけど、とにかくカッコよかったんですよね・・・わからないです、自分でも。でも、すごく自分にフィットしたってことだと思うんですけど。
EMTG:後々、振り返ってみて、音楽を始めるキッカケにはならずとも、聴いてきた音楽が自分の作る音楽に影響しているなと感じたことはありますか。
のび太:小さい頃から洋楽を聴いてたってことを考えると、歌詞の意味がわからなくても、純粋に聴いてカッコいいと思えるもの、っていうのが大きいと思うんですよ。だから『この歌詞が好き』とか『歌詞に感動して』というよりは、シンプルに音として聴いた時に、それがカッコいいかどうかって考えは、きっと洋楽を聴いていた影響だと思いますね。
EMTG:訳詞を読んで歌詞の意味を考えるには至らなかったですか。
のび太:訳詞の存在っていうのも、だいぶ後になってから知ったくらいなんですよ。だから中学生くらいですかね、歌詞カードに訳詞が載ってるんだと知って読んでみたら『・・・そんなこと歌ってんだ』ってのがあって(笑)。そこで『まあ、聴いててカッコよければいいか』と。
EMTG:それがずっとWHITE ASHのポリシーでもあると思うんですが、英語で歌うっていうのは自然な流れで?
のび太:そうです。アークティックのコピー・バンドを経て、自分たちのオリジナル曲をスタートさせたので、やはり自然とそうなったって感じですね。
EMTG:ちなみに、のび太さん以外のメンバーは、それぞれどんな音楽を聴いてきたのでしょうか。
のび太:ベースの彩さんは、アメリカのロック、ホワイト・ストライプスがすごく好きで、ジャック・ホワイト周辺のバンドと、あとスマッシング・パンプキンズあたりの、重めのガレージが好きですね。ドラムの剛は、王道的なもの。いちばん好きなのはビートルズなんですけど、あとはAOR。僕からすると、ちょっと渋めな、大人っぽい感じの音楽が好きですね。ギターの山さんは、バンド始めるまで一切音楽を聴いてなかったっていう人で、今、それを取り返すかのように、いろんな音楽を聴いてますね。最近は『ブラー、ヤバイね』って言ってます(笑)。
EMTG:(笑)。いよいよオリジナルへと移行するわけですが、曲はすんなりと?
のび太:その頃はアークティック以外にも、ブロック・パーティーとか、サブウェイズとか、洋楽のギター・ロックが活気づいてた時期だったんで、その辺りもコピーしてたんですけど、彼らの音楽って、新作を出す度にカッコよかったから、『この感じだったら自分たちでも作れるんじゃないか』と。それでバンド始めて3年目くらいかな、試しに作ってみたんですけど、それはスムーズにできましたね。というのも、『難しいことはせずに、カッコよく見える、カッコよく聴こえる』っていうのを、ある意味その2年間で学んだというんですかねインディーズでの1枚目(『On The Other Hand, The Russia Is...』)の1曲目(「Stranger」)とかは、オリジナルを作り始めてから2曲目の曲で、今もバンドの根底にあるような曲は、その時すでに出来てたって感じです。
EMTG:なるほど。メンバー全員がプロ志向になったのはいつ頃なんですか。
のび太:2010年にあった、あるオーディションに優勝する前は、月に1回、ライヴやるかやらないかくらいだったんですよ。活動してるといえるかどうかもわからないくらいの感じだったんですけど、これまで5人10人って人たちの前でライヴしてたバンドが、そこで一気に大きなステージ、大勢のお客さんの前で演奏できたことがすごく気持ちよくて。その辺りですかね、『もっとこういう景色が見たい』と思ったのは。4人の意志みたいなものが強くなったというか。僕ら、結成して2年くらいで結果が出せなかったら、もうバンドは趣味にしようと思ってたんですけど、その2年目に優勝できたってことは、これはもう『イケるな』と。
EMTG:その頃からメジャー志向でもあったんですか。
のび太:そうですね。インディーズ時代も、もっとより多くの人に、広く自分たちの音楽を知ってもらいたいという気持ちでやってたので、そしたらメジャーに行ったほうがチャンスは増えるだろうと。そうやって段階を踏んでいった感じですかね。
EMTG:自信もあった。
のび太:ありました。誰かに聴いてもらって、『カッコいい』と言わせる自信はありましたね。自分たちの音楽がいちばんカッコいいと思う。それは今も変わらないです。
EMTG:なるほど。ではそのメジャーに移籍して1年経ちましたが、振り返ってみていかがですか。
のび太:アニメやCMのタイアップが決まったり、メディアに積極的に出られるっていうのもよかったですね。僕ら、メディアに出ることには全然抵抗ないんですよ。やっぱりカッコいいものは、もっと世の中に広まるべきだと思うので、そこに関してはまったく。むしろ、どんどん出ていくべきだと思います。
EMTG:そこで今回、モード学園のCM曲であるニューシングル「Hopes Bright」について伺います。この曲は、タイアップの話があってから書き下ろしたものなんでしょうか。
のび太:そうです。モード学園のCMソングとしてやらないかって話をいただいて、僕らとしても光栄だなと思って。制作サイドから『こういうCMになるので、こういう曲が欲しいです』という、僕らがプレゼンされる日があったんですけど、その何日か前にもらった資料にあったイメージ写真を見てた時にサビのメロディが降ってきて。『これはイケるな』と。
EMTG:(笑)。
のび太:でもその気持ちは胸の内に秘めたまま、プレゼンの日を迎えたんですね。CMのディレクターさんは僕らのことをすごく信用してくれてて、僕らの曲もよく聴いてくれてたんですよ。で、CMという短い時間の中で使われるわけだから『強力なギターリフが欲しい』と。それ以外のこと、たとえば曲のテンポや、歌詞が英語であるか日本語であるかとかの制限はせずに、僕らのいいようにやってくれと。で、僕の中ではすでに曲がある程度出来てたから、とりあえず「頑張って作ります!まかせといてください!」みたいな(笑)。で、一発でOKもらいました。
EMTG:(笑)。タイトルもそうなんですが、モード学園って夢を叶えるための学校なわけですから、そういった傾向の歌詞にしてくれというオーダーもなく?
のび太:全然なかったです。むしろ、モード学園ってことを全然気にしなくていいって言われたんですけど、僕、職業作家的な(笑)何かがあって、『どうせだったら』みたいな気持ちもあったりしたので、歌詞に関してはモード学園の理念のようなものに沿って。だけど、学校に通う若い人だけじゃなくて、何か新しいことを始めたいと思ってる人に向けて伝わればいいなと。そういうところでは聴く人の世代を制限していないというか、『自分が本気になった瞬間に自分の世界が変わる、全部自分次第なんだ』ってことは、すべての人にいえることだなと思って。
EMTG:確かに。これまではその伝えるべきことを、歌詞よりもメロディやサウンドで表現してきたことのほうが多かったと思うのですが、今回、日本語詞になったのは、より強いメッセージがあったからなのですか。
のび太:何か新しいものを出すたびに、何かしら自分たちの中で、少しずつ新しいチャレンジをしていきたいなと思ってるんです。
EMTG:少しずつ。
のび太:はい。がっつり方向転換するというのではなく、自分たちでも見極めながら幅を広げていけるのが理想的かなと思って。それで今回のチャレンジは、“リード曲で全編日本語詞”。これは今までやってこなかたことで。せっかくCMソングの話をいただけたわけだし、より幅広く聴かれるチャンスだと思ったので、このタイミングでのこのチャレンジはすごくいいんじゃないかと。
EMTG:なるほど。メロディに日本語を乗せることや、日本語で歌詞を書くことについては難航しませんでしたか。
のび太:自然と、するっと、難なくできましたね。僕、歌詞のためにメロを変えたこと、一度もないんですよ。僕がいちばん重要視してるのはメロディで『メロディとリズム、このふたつが音楽を作ってる』っていう持論があるんですね。カッコいいリズムと、耳に残るメロディがあれば最強なので。そもそもアークティック・モンキーズですら、全てが共感できるようなメッセージを歌ってるわけでもないし、僕が行ったことのないようなダンスフロアのことを歌ってても、でもその曲で僕は人生がガラッと変わってるので。
EMTG:そうですね。でも英語で歌うことについてもそうですし、意味など二の次である歌詞についての批判もあったと思うんですけど。
のび太:ああ!もうそれはデビューの頃から、むしろデビュー前からありましたね。たまにライヴハウスに出ると『日本人相手なんだから日本語でやったほうがいいよ』とか。でも、2枚目のミニアルバム(『WALTZ WITH VALKYRIE』)で、『I’m Fine Too Thank you』っていう全編日本語詞の弾き語りの曲をやってますからね。意外と、というより、結構初期から日本語の曲はやってるよっていう。それが“少しずつ”なんです(笑)。
EMTG:(笑)。「Hopes Bright」もそうなんですが、WHITE ASHの曲ってメロディアスなんですよね。アレンジにフックを盛り込んではいても。
のび太:やっぱり聴いてて気持ちがいいっていうのは大事で。僕自身、すごく飽きっぽいので曲をコンパクトにしたいっていうのがあるんですよ。3分くらいにまとめたい。そうすると、余計なものを入れてる隙がないっていうか、全部必要なもので構成して3分くらい。そうすると必然的にそうなるのかもしれないです。
EMTG:なるほど。今回のシングルに収められている3曲は、日本語/英語の差こそあれ、統一感を感じさせますね。
のび太:今回は「Hopes Bright」を軸に、全体にグルーヴのあるものを作りたいなと思って、だからトーンが統一されていると感じてもらえるんだと思うんですよ。カップリングの「Killing Time」「Faster」は、「Hopes Bright」ができた後に作った曲なんですね。今って、腰にクルような、自然と体が動いちゃうような曲って耳にする機会が減ってるなと個人的には思っていて。僕は音楽ってやっぱり振り付けではなく、自然と体が動いてしまうもの、っていう認識だから、そういう曲を作りたい。自分たちが自然とノッてしまうような。
EMTG:それは、縦ノリではなく横ノリってことですね。
のび太:そうですそうです。グルーヴを重点的に意識した作品ですね。日本人って特にそうなんですけど、『自由に楽しんでください』っていうのが苦手なタイプだと思うんですよね。曲に合わせてみんなが同じ動きをすることが楽しいというか、その行為そのものに楽しさを見出すってところがあって、それは国民性として備わってるものなのかもしれない。僕としては、もっと音楽は自由に聴いてもらいたいし、もしそういう曲がないのなら自分たちで作るのがいちばんいいと思って。ただ、僕は別にそういう風潮を変えたいとかはまったく思ってなくて、それはそれでいいんです。自分たちが、これはカッコいいと思うものを貫き続けたいだけで。それはロックバンドとしての、ひとつの在り方だから。『自分たちはこうです』『これがカッコいいと思います』っていう意志表明というか。
EMTG:なるほど。「Killing Time」「Faster」を英語曲にしたのは、すべてそういった理由からですか。
のび太:いや、どちらかというと僕らは今後、海外に向けて発信していきたいっていう気持ちがあってのことですね。それならば意味の通る英詞を書こうと。それもひとつのチャレンジではあったんです。今回の作品は全部、意味が通るってところでは、WHITE ASHの作品として初めてなんですよ。ただ通して聴いても、今までとガラっと変わってしまった様な違和感はなくて、WHITE ASHでしかないんですけどね。それはクリアできたなと思ってますね。
EMTG:そうすると、タイアップ以前に今回はバンドにとっても重要な作品になりますね。
のび太:そうですね。カッコいいものができたと思います。今後も、出来上がった曲にどうアプローチするのがいちばんいいかっていうのを最重要に考えたいので、意味がどうこうよりも、この音で、このメロディで歌うべきだと思ったら、意味性よりも音を重視しますね。僕、カッコ悪いものを作らないとバンドが続けられないっていうのであれば、スパッとやめますよ。それくらいの気持ちでやっているんです。

【取材・文:篠原美江】

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ビデオコメント

リリース情報

Hopes Bright (初回限定スコア盤)

Hopes Bright (初回限定スコア盤)

2014年09月10日

VAP

1. Hopes Bright
2. Killing Time
3. Faster

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お知らせ

■ライブ情報

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2014/09/07(日)愛知・蒲郡ラグーナビーチ

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