Bentham、多くの人に届ける決意が込められた新EP『Public』が遂にリリース!

Bentham | 2014.10.15

 またかっこいいバンドがJ-ROCKシーンに現れた!4人組バンド、Bentham(ベンサム)だ。あのKEYTALKを輩出したインディレーベルKOGA RECORDSから初の全国流通盤『Public EP』を10月8日リリース。複雑に絡み合うバンドサウンドにボーカル小関竜矢のハイトーンボイスがスコーンと耳に届く表題曲「パブリック」は、超強力なキラーチューンだ。FRONTIER BACKYARDのTGMXをプロデューサーに迎えた今作はとにかく“たくさんの人に”届ける決意でタイトルをつけたという。彼らが今後どこまでは躍進するのか!? 期待を込めたファーストインタビュー!4人に訊いた。

EMTG:バンド名「Bentham」で検索すると、オフィシャルサイトの下に「ジェレミ・ベンサム」っていう人が出てくるんですが、これがバンド名の由来?
小関:一応そのおじさんからとったんですけど、そんなに深い意味はないです(笑)。功利主義っていう哲学を唱えた人ですね。
EMTG:有名な人?
須田:いまちょくちょく教科書でも名前が出てくるみたいですよ。
辻:倫理の授業とかで。
小関:幸せを計算する。ひとりが我慢をして周りが助かればそれで良いっていう、偏った考えなんですけど。そのひとり役をバンドでやりたいなと思ったんです。たとえば日頃の鬱憤とか不満を僕らの歌を聴いて発散してくれたらなっていう想いがありますね。
EMTG:で、結成はどういう経緯で?
小関:僕とギターの須田が同じ地元で、高校を卒業して、コピーバンドをやりつつオリジナルの曲をやろうっていうときに、当時のベースとドラムが「就職します」って抜けたんです。そのときに別のバンドをやっていたベースの辻くんが同じスタジオで働いてて。誘いをかけました。そこに個人練習に来てたのお客さんが鈴木くんで。ナンパでしたね(笑)。
EMTG:それぞれの好きな音楽というか、ルーツを教えてください。
小関:僕は小学校の時にブルーハーツを聴いて、そこで初めてバンドを知りました。そこからブラフマンとかナンバーガールとか、ほぼ邦楽ですね。
須田:僕はちょっと変わってて……小さい頃からクラシックとジャズをやったり聴いたりしてて、中学ぐらいで邦楽のロック、Hawaiian6とかHi-STANDARDとかを友達に貸してもらって、そこから邦楽ロックがだんだん好きになりましたね。インストっぽいスぺアザ(SPECIAL OTHERS)を聴いたりとかもしてます。
辻:僕はカントリーとかブルーグラスとか、アメリカの西海岸の音楽、フォークですね。小さい頃から家にマンドリンとかアコギとかバンジョーがあったんですよ。で、たまたま兄がエレキギターが欲しいって言ったんで、「お前はベースをやりなさい」って、中学の頃からベースを始めました。兄と父の影響ですね。
EMTG:日本の音楽は聴きました?
辻:聴いてます。好きなベーシストはスピッツの田村さんです。
EMTG:鈴木くんは?
鈴木:僕はハードロックが好きで。AC/DCとかLed Zeppelinとか。視野が狭くて……QUEENのライブ盤ばっかり聴く集まりにいました(笑)。でも20歳過ぎて、そういうことばっかりやっててもモテないなーって。
一同:(笑)
鈴木:それでThe StrokesとかJETとか、当時そういうバンドが出てきてた時期だったんですよね。最近は日本のロックも聴くようになりましたね。
EMTG:全員が見事にバラバラですが。それがBenthamとしてJ-ROCKシーンのど真ん中をいくようなサウンドになるのが面白いですね。
小関:たぶん各々が聴いてる好きなことをやってるだけなんですよ。でも、それぞれ僕の歌メロに合わせてくれてる。そこにハードロックなりカントリーが滲み出てたり、たまにガッと個性が出たりする感じなんだと思います。
EMTG:まさに今回のEPの1曲目「パブリック」はそれぞれのバンドアンサンブルのなかで歌がガツンと飛び込んでくるかっこいい曲になってると思います。
小関:ありがとうございます!
EMTG:今回、初の全国流通盤EPということでどんなふうに作っていったんですか?
小関:プロデューサーをFRONTIER BACK YARDの田上(TGMX)さんにお願いをして、意見交換をしながら作りました。一発目ということを大事に考えてましたね。
EMTG:田上さんとの制作は自分たちだけで作っていてた時とは何が違いましたか?
鈴木:もっといろんなことをやれって言われるかと思ったんですけど、思ったよりも僕らがやろうとしすぎちゃってることを、「そこをやると伝わりづらい」「こうやると初めて聴いた人にわかりやすい」とかそういう部分が多かったです。
EMTG:今回はまず「わかりやすく伝える」ということがテーマだった?
小関:メロディを聴いてほしいっていうのはひとつあるんです。それが演奏だったり構成で伝わりづらいっていうのは、今はそういう時期じゃない。パッて一聴したら、何回もリピートしてもらえることを意識しましたね。
EMTG:逆に最後の5曲目の「アイ マイ ミー マイン」は、それぞれのパート音が複雑にかけ合わさって、一番Benthamの個性が出てる曲なのかなと感じましたけど。
須田:この曲はわりと初期の曲だからですかね。
小関:昔はいまのアレンジとは違うアレンジでやってて。これでも田上さんといろいろアレンジを入れてかなりまとまりました。
EMTG:え?これで?
須田:これでもギュっとなってるんです(笑)。
EMTG:あと、「APOLLO」ではベースが、「手の鳴る方へ」ではギターがそれぞれが主役になるというか。メンバーが主張し合う感じがかっこいいですね。
辻:オゼ(小関)がけっこう「もっと行け行け!」って言うんですよね。「そこのベースもっと行ってよ」とか言われたりして。
小関:目立ってほしいんですよ。そのメロディとのバランスでギリギリのところがBenthamっぽいと思うんです。ダサかっこいいのを目指してるというか。やり過ぎだろ?ぐらいのほうがかっこいいと思うんです。
EMTG:Benthamが小関くんだけのワンマンバンドにならない、みんなのものっていう雰囲気はそういうところからですね。
小関:僕のなかでは曲を100%で書いてるつもりなんですけど、もしかしたら他の人が聴くとそこに達してないんじゃないかなとも思うんですよ。だからメンバーと合わせて100%にしたい。本当にメンバーに感謝しつつ……。
辻:まさかそんな感謝の言葉が聞けるとは(笑)!
小関:ドラム、ベース、ギターが本当に僕の好きなフレーズを弾いてくれる。それはたまたまなのか、僕に寄せてくれるのかわからないですけど。ガンガンいって、メロディの部分は任せていただいてって感じですね。
辻:オケを少し作ってきて、リハをやったら、だいたい次には良いメロディを出してくれるんで。そこは一番任せてます。歌詞も独特な書き方をしてるので。
EMTG:たしかに小関くんの歌詞は、サビとかすぐに口ずさめるわかりやすい言葉なんだけど、全体像は少しボヤかし気味。詩的なニュアンスが強いですよね。
小関:そうですね。「パブリック」とかは、どうやって君のことを振り向かせたらいいの?っていうのを、ふつうに聴いたら別れてしまった女性のことを指すと思うんですけど、それがペットだったりとか、売れないバンドマンの気持ちに変換できるように書いてます。たとえば季節とか状況で、《君》を想像できるように。だから5曲中1曲でも何かグサッと刺さってくれればいいな、と。さっきのバンド名の由来じゃないですけど、ちょっとでも生活に晴れ間が見えるようなバンドになりたい。そういう歌詞づくりは心がけてますね。
EMTG:じゃあ、最後にBenthamが今後どういうバンドになっていきたいか?ひとりずつ聞かせてください。
小関:僕、考えたいんで先どうぞ(笑)。
辻:せこいなー(笑)。
須田:じゃあ(笑)、僕から。さっきの音楽性がバラバラってあったんですけど、共通してつまんで納得したところがいまのBenthamの音になってると思うので、それがひとつだけじゃなくて、いろんな音楽性でまとまったものを出していきたいです。抵抗なくいろいろやっていきたいなという感じですね。
辻:僕は4人4様の音楽で何か新しいことができたらいいなと思います。それで日本の音楽シーンに新しい何かが吹き込めたらなあ、と。よくギターロックって言いますけど、ベースだって、ドラムだって、ボーカルだってロックしてると思うし。そういう意味で、この4人で何か新しいことができたらと思います。
鈴木:僕はガツガツ盛り上げていきたいと思います。ドラムで!
辻:さすが、かっこいい。
EMTG:じゃあ、最後に小関くん。
小関:好きなバンドが解散したり、いまはCDが…っていう時代だと思うんですけど、そのなかでもとことん売れたいなと思います。今あるこの音楽の感じ、4つ打ちやってれば売れたりとか、声が高ければ売れたりっていう時代に対して、どう渇を入れるか。海外にも行ってみたいですし。音楽的にも、たとえばホーンとか鍵盤を入れたり。それこそインストやってもいいですし、やりたいことをやって目立ちたいと思います!

【取材・文:秦理絵】

tag一覧 シングル 男性ボーカル

関連記事

リリース情報

Public EP

Public EP

2014年10月08日

KOGA RECORDS

1. パブリック
2. 手の鳴る方へ
3. APOLLO
4. FOO FOO
5. アイマイミーマイン

お知らせ

■マイ検索ワード

●辻怜次(B)
コリアンダー 効果

最近スパイスにはまってて調べました。胃腸を整えるらしいです。料理は全然できないんですけど、スパイスだけは家で集めています。そばとかうどんにかけてますね。

●小関竜矢(Vo・G)
アンプ

ORANGEのアンプをいま調べていて、夜な夜な特性とかを調べてるので、今度試奏しに行きたいなーと思ってます。

●鈴木敬(Dr)
デング熱

日比谷公園はデング熱が出てないらしくて。代々木公演とか新宿御苑は出てるのになんでなんだろう?と思って調べました。

●須田原生(G・Cho)
絶景 ランキング

ランキングを調べるんが好きなんですよ。「庭 ランキング」とかいつも何か調べてますね。最近はUllet(企業の株価などを調べるサイト)とかも(笑)。


■ライブ情報

SHELTER LIVE COLLECTION 2014~秋の陣~
2014/10/16(木)下北沢SHELTER

ライジングハジオジサン2014 ~ Bentham 『Public EP』release party & sukida dramas "OPEN THE SESAMI!” release Tour & hajio kikuchi BxD ~
2014/10/19(日)渋谷club 乙

Gathering Neo by SPACE SHOWER MUSIC
2014/10/22(水)渋谷CHELSEA HOTEL

Beat Happening!- SHIMOKITAZAWA R&R PANIC!!!
2014/10/24(金)下北沢BASEMENT BAR

puff noide x スカーフ レコ発ツアーファイナル"EMO CHIRAKASHI FES"
2014/11/03(月祝)新宿MRAZ & motion

Bentham Public EP release tour
2014/11/08(土)南堀江socore factory
2014/11/09(日)京都VOXhall
2014/11/26(水)名古屋今池UPSET
2014/11/28(金)熊谷HEAVEN’S ROCK VJ-1

Livemasters Inc. presents "FEVER CHOICE 1111"
2014/11/11(火)新代田FEVER

Bentham『Public EP』& Kiitos『白盤』『黒盤』 Wレコ発!!
2014/11/23(日)宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2

ロックの夜明け 5周年祭
2014/11/24(月祝)新宿LOFT

Bentham Public EP release tour FINAL!!!
2014/12/23(火祝)下北沢CLUB Que

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る