go!go!vanillasメジャー進出アルバム『Magic Number』、様々な音楽を吸収しつつも、自分たちのやり方を貫いた自信作。

go!go!vanillas | 2014.11.04

 いよいよgo!go!vanillasがメジャー進出だ!8月20日をムリコシャ(プリティ弁:九州の方言)バニラの日に設定して、メジャー進出を発表したバニラズ。EMTG MUSICではインディーズ時代から彼らを取り上げてきたわけだが、メジャーに標準を合わせた『Magic Number』では、これまでのバニラズ以上に深い音楽へのこだわりを知ることができた。メンバー全員が愛する洋楽ルーツミュージックの影響を色濃く残しながらも、若いロックファンの胸にも刺さる21世紀型ロックンロールアルバムを作る。そのためにはまず「今の時代を知ること」が大事だったという。
 バニラズが目指した現代のロックンロールバンドの在り方とは? 4人に訊いた。

EMTG:このタイミングだから聞きたいんですが、まず“メジャー進出”っていうものがどう受け止めてますか?
牧 達弥(Vo/G):僕たちが今までやってきた音楽は、今のメジャーシーンにいるようなバンドだとは思ってなかったんです。でも、いろんな人に伝えていくには、いきたかった場所でもある。だからビクターの力を借りて、より僕らの音楽を届けてもらおうって感じですね。
EMTG:自分たちがメジャーでやっていく音楽ではないっていうのは?
牧:うーん……というか、いま流行ってるものとは別だなっていうか。
長谷川プリティ敬祐(Ba):ただ音を聴いてもらうだけで、なんのアプローチもなしにザーッと広がっていけるっていうバンドではないかなと思ってたんです。
EMTG:じゃあ、そこに対する答えというか、アプローチを工夫したのが、今回のアルバム『Magic Number』になっていく?
牧:そうですね。最近、ライブとかツアーを経験して、実際に僕らの世代の人気のあるバンドと一緒に回ることがあって。それで今の特に若い子たちがどういうものを欲してるのかがリアルにわかったんです。僕らも今の時代に音楽をやってるからには、そこは絶対に外せないし、ハズしたくないとも思ってたから、そこでやっと時代っていうものが認識できたというか。
EMTG:メンバーだっていわゆる“若い子”なのにね(笑)。
牧:そうなんですよね(笑)。でも、そうやって今のバンドを知ることでいろいろ吸収して、それでも自分たちのやり方を貫くのがロックンロールバンドだと思うんですよ。僕らは精神的な部分でずっとロックンロールでありたくて。
EMTG:いま、ロックンロールバンドっていう言葉が出てきましたけど、バニラズってロックンロールとJ-ROCKの融合ってよく言われますよね。今回のアルバムを聴くと、それだけじゃないなとも思うんです。それをもう少し解きほぐしたくて。
牧:それは僕もすごく思ってます。一括りにロックンロールって言われるのが一番イヤなんです。そういう束縛感を排除していきたい。だから、今回のアルバムで新たな部分を出したことで、「いや、こいつらそこだけじゃねぇよな」ってなればと思います。
EMTG:やっぱり少しずつバニラズの名前が広がってきた影響が大きかったですか?
牧:そうですね。やっぱりわかりやすく伝えることが大事なのはわかるので。この前、ロッケンロー・サミットっていうイベントで、それこそ日本のロックを支えてきたようなベテランのバンドと対バンしたんです。その時にものすごいエネルギーを見て、「あ、無理」と思った。そこで俺らがロックンロールなんて言ったら、ぶっ殺されるわと(笑)。でも俺はそこにいきたいわけじゃないよなって。僕らがロックンロールバンドって言われるのであれば、それは新しい世代という意味で、もっと新しいかたちのものを作っていきたいと思ったんです。
EMTG:なるほど。その感じは今作にすごく出てると思います。宮川くんとセイヤくんにも少ししゃべってもらおうと思うんですが(笑)。
牧:僕がしゃべりすぎですね(笑)。
EMTG:今回はギターがすごくかっこいいアルバムだと思うんだけど?
宮川 怜也(G):リフが命というか。今回はそこを重点的に強化していきましたね。
プリティ:今回、全員が全員こぞって考えて注視したのがリフなんです。
牧:前回のアルバムとか「オリエント」もそうなんですけど、どうしても歌でカバーすることが多かったんですよ。演奏で支えきれてなくて。そこは次のステップに上がったほうがいいなって。要はイントロがバーンッてきた時に、「おっしゃ!きたー」って準備ができる。そういうのもいろんなライブを見て意識したところですね。
宮川:今回は僕のリフが入ったり、牧のリフが入ったり、けっこうゴチャゴチャになってるんです。ふたりの違いもわかるので面白いと思いますね。
牧:ちなみに「春眠」「トワイライト」は僕がソロを弾いてるんですけど。僕は生きたもの、人間味みたいな音がすごく好きで。あったかさみたいなものを意識しました。そういうプレイの違いでギタリストの個性って決まっていきますよね。
EMTG:「トワイライト」は今までのバニラズにはない曲で、90年代初頭くらいの日本のポップスを連想するような曲ですよね。
牧:そうですね。そういう日本のシティポップな部分と、僕がずっと好きなThe Strokesの無機質感。温度を感じないんだけど洗練されている、USのバンドのシティ感とがマッチした曲にしたかったんです。The Strokesってギタリストがふたりいてバンド内で役割分担をするんですけど、そこみたいな美学も出せてよかったです。
EMTG:じゃあ、セイヤくん。私がドラムがかっこいいと思った曲は「ドアー」かな。
ジェットセイヤ(Dr):おお!「ドアー」は、自分の初期衝動的な部分を出してるので、特にリズム隊はちょっとスイッチを入れないとできない曲なんです。あと、アルバム全体を通してなんですけど、ギャップを狙ってます。この見た目からどういうビートを繰り広げられるのか(笑)。皮ジャンを着てドラムって言ったら、単調な8ビート(エイトビート)だけでシンプルにくるんじゃないかと思わせてるところに、いろんな要素を取り入れてるんです。
EMTG:いろんな要素という意味では、今回はいろんなタイプの曲が入ったアルバムだし、それぞれ「この曲が好き!」っていうリスナーには、「じゃあ、これも聴いてごらん」って、いろんな曲を紹介できそうなんですよね。
牧:やっぱり海外と比べても日本は独特の音楽シーンがあると思うので、もっと拓けてほしいと思うんですよね。僕らみたいなバンドがいることで、僕らが好きな洋楽のアーティストにも目を向けてくれるチャンスにもなる。悲しいのが、好きな昔の海外のアーティストが日本に来たら、すげぇ小っちゃいところでライブをやってたりするから。そこにも若い子が集まったら面白いですよね。それぐらいシーンをひっくり返してやりたいと思ってるんです。
EMTG:メジャー進出作にしてすごい展望!
牧:最初の道筋はやっぱりそんくらいデカいほうがいいかなと思ってます(笑)。
EMTG:最後にそれぞれ今回のアルバムで好きな曲を教えてください。
プリティ:「ライクアマウンテン」かな。歌詞がストレートにぐっときたていうのと、1番シンプルだから印象が強い。曲が生まれる経緯にいろんな変遷があって。「ライクアマウンテン」がもともとは「マジック」の歌詞がつく予定だったんです。土壇場で牧が魔法みたいな曲を書いちゃって、それが「マジック」になった。で、「ライクアマウンテン」が、もう1回自分の生きる道を見つけるっていう曲になったのが、もう涙が出ますね。
ジェットセイヤ:自分は「トワイライト」ですね。ビートで新しい挑戦ができたのもあるし、あと歌詞が、初めて聴いた時、ぐっときました。地元では感じられない光の多さっていうか、東京の感じがして。上京したての気持ちを思い出すんです。
牧:僕は「春眠」です。これネタバレ的な感じになるんですけど、歌詞でフックを残してて。昔から馴染みの男女のことをずっと歌ってるんですけど、そこに対して最後は、《隣り立つ人見て》って、その人のことかわからないようにしてるんです。だから最後は、《君》とは言わず、《人》にしましたね。それを感じてゾクッとしてもらえるといいですね。
宮川:僕は「マジック」です。この曲は僕らの好きなルーツミュージックがたくさん詰まってるんです。イントロではケルト、Aメロはカントリー。で、ソロではロックンロールなフレーズを弾いたりして。あとは、これを録ってる時に、セイヤが2回目ぐらいで、「もうおれは叩かん!」って。
ジェットセイヤ:3テイクまでやるって決めたんですけど、俺は「2テイクで終わる。もう全てを出し切って終わった」。結局、もう1回録って3テイク目が入ってますけど(笑)。
牧:こないだ聞いてびっくりしたのが、最近はみんなで1発ドーンって録ることがあんまりないんですよね。ドラムだけ、ベースだけ、ギターだけ録って、それを聴きながら歌うのが主流。でも僕らは同じ部屋に4人そろってカウントを出して、ジャーンって見合ってやるんです。それゆえに時間はかかっちゃうんですけど。
EMTG:「せーの」でやらないと出ない音ってあるから。
牧:完璧なのが音楽として最高なわけではない。そこにバンドの良さがありますよね。
プリティ:ただ、ドラムがバシッと決まって、バッキングのギターもバキバキッて決まって、「これ、超いいね」っていうときに、自分のベースを間違ったりすると、本当にもう……。「ごめーん!」って言おうか迷うんだよね。迷った末に、あ、やっぱり言お、「ごめん」。でもドラムが止まらず、気づいてもらうまでの時間が本当につらいんです(笑)。

【取材・文:秦理絵】

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ビデオコメント

リリース情報

Magic Number(初回限定盤)[CD+DVD]

Magic Number(初回限定盤)[CD+DVD]

2014年11月05日

ビクターエンタテインメント

01.セルバ
02.エマ
03.マジック
04.トワイライト
05.オリエント(新録バージョン)
06.春眠
07.サマータイムブルー
08.ドアー
09.ホラーショー
10.ライクアマウンテン
11.ティーンネイジャーズノイズ

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お知らせ

■マイ検索ワード

●牧 達弥(Vo/G)
アコースティックギター

アコースティックギターを買いたくて。今回のアルバムに入っているアコースティックギターはエンジニアの方のもので録ったので自分のやつが欲しくて。最近Martin(マーティン)を検索してます。

●宮川 怜也(G)
レスポール(ギター)

レスポールというギターを探しています。 今テレキャスターを使っているんですけど、たぶんどっかに旅立ってしまいます(笑)そしてレスポールになります。

●ジェットセイヤ(Dr)
GRETSCH USA CUSTOM

そろそろ新しいドラムのキットを買おうと思ってまして。ちょっと赤ラメで。今後のライブも期待してください。Yeah!

●長谷川プリティ敬祐(Ba)
おみくじ 半吉 ランキング

僕ら4人でこの間お稲荷さんにお参りに行って。牧が大吉、セイヤが吉、俺が「半吉」ってなって。「半吉」ってなにー!?って調べたら吉の半分って意味でした。(あんまり良くない)。怜也はがっつり凶だったんですけどね(笑)。


■ライブ情報

「Magic Number」Tour 2014-2015
2014/11/17(月) 北浦和 KYARA
w/ 忘れらんねえよ
2014/11/19(水) 新潟 CLUB RIVERST
w/ 忘れらんねえよ
2014/11/21(金) 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
w/ フラワーカンパニーズ
2014/11/22(土) 仙台 PARK SQUARE (ワンマン) 2014/11/24(月祝) 札幌 Bessie Hall
w/ Drop’s
2014/11/28(金) 長野 CLUB JUNK BOX
w/ POLYSICS / THE NEATBEATS
2014/12/06(土) 高松 DIME
w/ ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN
2014/12/07(日) 岡山 PEPPER LAND
w/ ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN / ドラマチックアラスカ
2014/12/09(火) 広島 Cave-Be
w/ ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN / ドラマチックアラスカ
2014/12/11(木) 長崎 DRUM Be-7
w/ 空想委員会 / LEGO BIG MORL
2014/12/13(土) 大分 DRUM Be-0
w/ 空想委員会 / LEGO BIG MORL
2014/12/14(日) 福岡 DRUM Be-1
w/ 空想委員会 / LEGO BIG MORL

2015年
2015/01/09(金)名古屋 APOLLO BASE(ワンマン)
2015/01/10(土)梅田 Shangri-La(ワンマン)
2015/01/16(金)渋谷CLUB QUATTRO(ワンマン)

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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