卓越したプレイをサラリとやってのける楽器隊とライブの盛り上げ役のパフォーマーが合体、異色の編成で話題のガールズバンド、Gacharic Spin。エンタメ性を重視したライブで、ジワジワとファンを増やしてきた彼女達が、2月25日にシングル『赤裸ライアー／溶けないCANDY』で、メジャー初となるシングルをリリース！　このシングル、「赤裸ライアー」はGacharic Spin、「溶けないCANDY」はなんとパフォーマー2人から成る派生ユニット、ガチャガチャダンサーズの楽曲という二部構成。しかし、両曲とも聴けば、そして（ライブを）体験すれば、間違いなくブチ上がる仕上がり！　そんなアッパーサウンドの秘密をメンバー全員にきいてみた。

EMTG：Gacharic Spinは、もともと4人編成のバンドでしたよね？　2012年にパフォーマーのまいさん（パフォーマー1号）とありささん（パフォーマー2号）が、ガチャガチャダンサーズとして加入して現在のスタイルになったそうですが、そもそも、なぜこういうスタイルになったんでしょうか？

FチョッパーKOGA（Ba）： もともと4人で活動していたのが、センターボーカルが抜けまして。新しいボーカルを入れようと思ってオーディションもやってきたんですけど、なかなか“これだ！”っていうボーカリストに出会えず……。ただ、はな(Vo&Dr)とオレオ（＝オレオレオナ/Vo&Key）のツインボーカルはいいねって話してたんで、だったら“このカタチでがんばってやってみようか！”と。

EMTG：普通なら、それで問題なくスタート……じゃないんですか？

KOGA：私達ってメンバー全員、派手なプレイで演奏しているので、両手があかないんですよ（苦笑）。それなら何か新しい血をいれようってことになって、最終的にはパフォーマーを入れることになりました。でも、最初から“こういう人を入れなきゃ”っていう決めごとがなかったんで、とにかくいろんな人に声をかけてましたね。それこそニューハーフの方とか、ピエロを演じている方とかマジシャンとか――。

EMTG：ええっ？

KOGA：ボーカリストにこだわらず、いろんな可能性から探していこうと。バンドからボーカルが脱退したって、すごく致命的じゃないですか。それでもバンドを続けようと思った時点で、もうバンドの概念を壊していこうっていう発想になったんです。

まい：最初はバンドと一緒にダンスをやるイメージがなかったし、当然、自分もやったことがなかったので、不安の方が大きかったんです。でも、ライブを重ねていくうちに、お客さんとの距離感もすごくいいなと思って。近い距離でお客さんと盛り上がれる楽しさを知ることができたというか。

はな：ありさなんてバンドのライブ自体、それまで経験したことがなかったと思うんですよ。だから、対バン相手のバンドさんのライブでモッシュとか見ると“ケンカしてる！　止めに行かなくていいんですか？”って（笑）。

ありさ：何も知らなかったんで、まずスタジオに入って、ヘドバンと声をだしながら煽ることを練習しました（苦笑）。

EMTG：そして、ついにシングル『赤裸ライアー／溶けないCANDY』でメジャーシングルデビューを迎えるわけですね。「赤裸ライアー」は、アッパーなサウンドでブチあがるキャッチーさがあるけど、Gacharic Spinが目指すのは、やはりこういう上がる音楽なのかな？

オレオレオナ：音楽はもちろんですけど、やっぱりパフォーマンスと、実は……顔も結構カワイイんだよと（笑）。

はな：それ、曲と関係ないじゃん！（笑）。

オレオ：いや、特に今回のPVがよく撮れてるんです（笑）。まずは、顔のよさも推していかないと！

EMTG：とはいえ、楽器隊のプレイがすごすぎて、お客さんは顔よりも手元ばかりを見ちゃう気がします（笑）。

KOGA：確かにガールズバンドって、かわいくてふんわりしたイメージが強いけど、Gacharic Spinは先頭を切って、そんなイメージを壊す存在でいたいですね。楽器チームそれぞれがフィーチャーされる部分や、デジロック的な要素を入れたところは、私たちだからこそだと思うんで。「赤裸ライアー」には、そんな要素が入っているので、まさに自己紹介的な曲になりましたね。

EMTG：そこが男前な音につながるというか（笑）。ちなみに、各パートで“このプレイは自分をフィーチャーして！”みたいなアピールもあるんじゃないですか？

はな：最終アレンジは私がやっているんですけど、やっぱりバランスは見ますよね。しかも、パフォーマーが入ってからは、彼女達のダンスを見せるセクションを作ろうっていう思考になりました。

オレオ：その振りは私が作ってるの~！

EMTG：多才ですね！（笑）。

オレオ：私だけで考えると昭和の振りだって言われるの（苦笑）。パフォーマーのふたりから“古い！”って。だから、昭和と新しいものをミックスするようにしてる。でも、ライブでお客さんにも踊って欲しいって思ったら、やっぱりわかりやすい昭和の振りが活きるのよね。

EMTG：わかります（笑）。ところで、カップリングの「溶けないCANDY」はまた、キュートさが全面に出た曲になってますね。

KOGA：この曲はまいとありさのアイドルユニット、ガチャガチャダンサーズとしての曲なんです。なので、楽器隊としてのGacharic Spinは参加していないんです。

EMTG：つまり、2つのグループの曲が1枚のシングルに入っているということになるわけですね。

KOGA：そうなんです。

EMTG：クールとキュートの2部構成という。

TOMO-ZO（Gt）：あの~、私も本来はかわいいキャラだったんですけどね（笑）。イメージカラーはピンクなので。

EMTG：そういえば、全員のイメージカラーがあるのもいいですよね。ゴレンジャーっぽい……けど、赤がいないのが不思議（笑）。

KOGA：赤はお客さんの色なんです！

EMTG：そうなんだ。でも、一度見たら各パートは絶対に忘れないし、メンバーの役割もすぐに分かりますね。

はな：今回のシングルのジャケットは、楽器チームがメインになっているものと、ガチャガチャダンサーズのふたりがメインのものと2パターンあるんですよ。なので、どっちのパターンが多く売れるかという対決がありまして。もし、ガチャガチャダンサーズが勝ったら、彼女達のシングルが出せるというご褒美つきなんです。

EMTG：このグループでは、そういう対決も出来るんですね。

KOGA：そうなんです。ビックリさせることを常にやっていきたいですね。エンターテイメント・ガールズ・バンドとしての活動をする以上、もしビビッとくるような人がいたら、それこそニューハーフの方でもメンバーになっちゃうかもしれないですから（笑）。

EMTG：さて、シングルを掲げての全国ツアーもスタートしてますが（ファイナルは5月3日の渋谷公会堂）。結構、細かいスケジュールですね。

はな：15本ですけど、少ないですね（苦笑）。これまではもっと回ってきたので。

まい：私達が入った時から40本以上のツアーは当たり前のようにやってきたので、確かに少ないような気がします。

KOGA：“最近は、男の子のバンドでもこんなに回らないよ！”って各地のライブハウスの店長さんに言われます。“お前らエモいから応援するよ”って（笑）。

EMTG：やっぱり男前ですね。

はな：ライブで動いている私達を見に来て欲しいので、いろんなところに行きたいんですよね。3月にはライブDVDも出るのでぜひ見て欲しいです。これをとっかかりにライブにも足を運んでいただければ……。私達のよさは、絶対にライブだと思うんで！

【取材・文：海江敦士】