オフィスオーガスタの新たな才能。ソロシンガー・浜端ヨウヘイにインタビュー

浜端ヨウヘイ | 2015.03.02

 山崎まさよし、スキマスイッチ、秦基博ら、個性的な男性アーティストが数多く所属するオフィスオーガスタから新たな才能が登場した。新人シンガーソングライター、浜端ヨウヘイ、31歳。昨年11月にシングル「結-yui-」でデビューして以降、3ヵ月ぶりとなる2ndシングル「無責任」は、泥臭くてシンプルな応援歌だ。ピアノの伴奏にのせて、192cmの長身から繰り出す歌声がとても力強い。  今回、EMTGでは初のインタビューを行なったが、取材中は時おり小さなギターをポロポロと弾きながら、自然体で開けっぴろげに語ってくれた浜端。その言葉の節々には歌に寄せるピュアな情熱が溢れていた。

EMTG:プロフィールによると、29歳で仕事を辞めて音楽に専念することに決めたそうですが、何が浜端さんを突き動かしたんでしょう?
浜端ヨウヘイ:30歳っていう年齢が見えてきたことですね。周りの人間がどんどん音楽だけでやっていくなかで、俺は何年もズルズル仕事も続けてたんです。それで、29歳になったときに、いまやらないと一生やらないなと思った。後悔をもったまま俺は死ぬんだなと思ったら、やろう、と。30歳が終わるまで、この2年弱だけやろうって決めたんです。仕事を辞めても人生については、そこまで不安はなかったんですよね。
EMTG:結果、30歳でオーガスタからデビューするわけですが、周りを見渡すと若いミュージシャンが多い。そんななかで焦りはありませんか?
浜端:逆に30じゃないと歌えへん歌がいっぱいあると思うんです。それこそ20代前半が歌っても嘘くさい歌になったり。もちろん、30とか31で歌っても、説得力がない歌は世の中にはいっぱいあるんですよね。40、50でないと響いてこないとか。だから、身の丈にあった歌を歌っていきたい。そういう意味で、「無責任」なんかは、30歳手前にして悩んでるやつのタイムリーな歌なんです。
EMTG:その2ndシングル「無責任」は、昨年のオーガスタキャンプで初めて聴いて、とても番印象に残った曲でした。てっきりデビューはこの曲かと思ってたんですが……。
浜端:我が強いじゃないですか、この曲(笑)。でも、僕が一番歌いたいことは、これぐらいの曲なんです。まずは、「結-yui-」で、こういう人が出ましたよ。で、次に、どういう人なんですか?っていうところで、「無責任」で、前作よりパーソナルなところというか、もう少し自分の内面を出せたんじゃないかと思います。
EMTG:まさに、より人間臭い浜端ヨウヘイが出ています。
浜端:特にピアノの歌のときには、僕の内面を曝け出す傾向にあるんです。ピアノっていう楽器がそもそもそういうものだと思うんですよ。ピアノだけが楽器と向き合うじゃないですか。ギターは表を向けて弾くけど。しかもグランドピアノだと自分の顔が映る。だから、自分に向かって弾いてる気分になるんですよね。
EMTG:なるほど。「無責任」は歌い出だしが《「死にたい」って書いて 「生きたい」って読んだ》ってはじまりますね。当時はそういう心境だったんですか?
浜端:そうですね。仕事も辞めて、無職になったときでしたね。
EMTG:29歳でミュージシャンになろうっていう決意をされたとき。
浜端:そうです。ずっとやりたくて始めたけど、落ち込む時期もたくさんありました。そんなとき、「ヨウヘイは大丈夫やで」って言われて。「そうですか、がんばります」って救われた部分もありつつ……「何を根拠に大丈夫だって言ってるんだ?」みたいな、そんなひねた気分もあったんです。結局、必死になっている人にかけられる言葉って、“大丈夫”という無責任な言葉でしかないんですよ。その人じゃない限り何を言っても無責任になっちゃうんですよね。だから、やるんだったら投げっぱなしの応援歌にしたろうかと思ったんです。
EMTG:しかも、サビでその《大丈夫さ》という言葉が何度も繰り返される。
浜端:本当は2個ぐらいで、あとは違う言葉にしようと思ったんですけど、どうしても当てはまらなくて。もう結局、《大丈夫さ》しか言わなくなっちゃったんです。
EMTG:タイトルに「無責任」とつけたことも、やるせない感じが出てますよね。たとえば、歌を聴いたときに、無責任だなと思うことはありますか?
浜端:思いますよ。僕、全部そう思います。歌にはきっと責任はないから。
EMTG:そもそも歌はそういうものなんだ、と?
浜端:応援歌はそうあるべきだと思いました。「大丈夫やで」っていうこと、無責任であることは悪いことじゃないなって思いましたね。
EMTG:だから結局、その無責任に救われる自分もいるってことですよね。
浜端:そうなんです。もとは、言われたことから書き始めましたけど、そうすると、今度は自分が「大丈夫さ」って言わなきゃいけないようになるんですよね。だから、「この言葉は無責任ですけどね」っていう前置きとして、「無責任」をタイトルにしました。
EMTG:表題曲で《大丈夫さ》と歌いながら、カップリングには、《僕が歌う応援歌なんて ほんとは全部僕の歌さ》ではじまる「タイトル未定」っていう曲があるのが、また洒落がきいてるというか。
浜端:結局そうなんだっていう、ね(笑)。だから最終的な目標地点としては、僕が自分に向けて歌が通り過ぎて、聴いてる人のところにっていう、その順番はこれからも壊したくないなと思うんです。これが浜端ヨウヘイっていうシンガーソングライターとしてのスタンスなのかなと思いますね。
EMTG:ちなみに、「タイトル未定」は、歌詞が浜端さんの曲作りの場面なんですよね。
浜端:そうなんです。サビは《ソラシドミファソーレ》って、音階をそのまま歌ってますね。曲を書いたとき、忘れへんようにカタカナで音階だけ書いてたんですよ。で、歌詞をどうしようかな。(ギター弾きながら)ソラシドレミファレソ~♪……このままでいいなって。それで、これを書いてる途中っで歌にしたんです。
EMTG:「無責任」の《大丈夫さ》もそうですけど、悩み出したら、もうそのままでいい!みたいな感じになることが多い?
浜端:やっぱり、こねくりまわしたら、僕の最初に思ってたことが薄まっていくような気がするんです。だから押しつけがましくて、うるさくて、ひねりのない独り言でいいやって思ってますね。いまは。
EMTG:浜端ヨウヘイの一番搾りみたいなところをお届けします、と。
浜端:いいですね、ビールで言うところが。ファーストドリップじゃない(笑)。
EMTG:最後の質問ですが、いまこうして諦めないで音楽を続けて、デビューできて。2枚目のシングルも出したところで、自分の環境には満足してますか?
浜端:満足はしてないです。もっとがんらなきゃいけないなと思います。自分を追い込むのは得意なんですけど、そこはストイックにがんばりたいです。
EMTG:早く売れたい?
浜端:まあ……早く結果を出さないと、とは思うんですけど(笑)。『め組の大吾』という消防士の漫画のなかで、「サッカーワールドカップで得点王になるやつってどんなやつだと思う?」って質問があるんです。で、「それは、たぶん大会が終わるまで、自分が得点王になるって思わなかったやつがなるんだよ」って答えるんですよね。僕も、マラソンランナーで1番にゴールテープを切るんだって思ったこともない人が、たぶん1番にゴールテープを切るんだと思ってる。だから、純粋に歌いたいなという歌を、これからも歌っていきたいと思います。

【取材・文:秦 理絵】

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ビデオコメント

リリース情報

無責任(初回生産限定盤)[CD+DVD]

無責任(初回生産限定盤)[CD+DVD]

2015年02月25日

Augument Records

[CD]
1. 無責任
2. Drivin’ on the K
3. サヨナララバイ
4. (未定)

[DVD]
2014年12月9日に代官山UNITで行われた「浜端ヨウヘイDebut Anniversary Live"結?yui?"」から
「無責任」「結?yui?」「むかしのはなし」「Drivin’ on the K」「大男のブルース」「ハレルヤ」を収録。

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お知らせ

■ライブ情報

響うた2015
2015/03/21(土)宮城 ホワイトキューブ
出演:堂珍嘉邦、藤巻亮太、さかいゆう、浜端ヨウヘイ

IMAMIKE GO NOW
2015/03/28(土)BOTTOM LINE / TOKUZO / CLUB UPSET / HUCK FINN / 3STAR IMAIKE / SECOND VISION / BL CAFE / PARADISE CAFE 21 / valentinedrive

トアロード・アコースティック・フェスティバル2015
2015/04/19(日)神戸VARIT./BO TAMBOURiNE CAFE/niji cafe/ARTRIUM/スポルテリア/nomadika/北野工房のまち

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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