たくさんの人にロックの面白さを伝えたい――ザ・チャレンジの野望とは

ザ・チャレンジ | 2015.04.22

EMTG:結成のきっかけは、沢田さんのツイッターでのつぶやきからだったそうですね。
沢田:そうなんですよ。僕はザ・チャレンジを結成する前にも、もともと同級生と組んだバンドをやっていたんです。すげぇダメだった訳ではなかったんですけど、メジャーデビューには至らなかったっていう感じでして。5、6年くらい頑張ってやっていて、全国流通のCDも出したりしていたんですけど、鳴かず飛ばずの状態に潮時を感じて活動休止したんです。自分的にも、“そうだな。もう潮時かな。俺も、バンドを辞めたら、このままロック好きなオジさんになっていくんだろうなぁ~”なんて思ってたんです。
EMTG:“普通の男子”として生きていくんだなと。
沢田:そうですそうです(笑)。俺、カレーが大好きで、カレーのブログとかをやっていたんですけど、ロックとカレーを愛しながら、歳を取っていくのかなと思ってたんです。でもですね! 半年くらいたったとある木曜日の18時くらいに、“やっぱバンドやりてぇな!”って思っちゃったんです。それで、ツイッターで“バンドやりてぇな~”ってつぶやいたんです。そしたら15分後くらいに、ドラムのドラゴンチャレンジが“やろうよ!”って言ってきてくれて、その5分後にベースのヤンキーチャレンジが“俺もやるよ!”って言ってきてくれて。おっ! リズム隊揃ったじゃん! バンド出来ちゃうじゃん! バンド、やっちゃおうかな! って(笑)。それが、ザ・チャレンジの結成の経緯なんです。
EMTG:ドラゴンチャレンジさんとヤンキーチャレンジさんとは、もともとお知り合いで?
沢田:ドラゴンチャレンジもヤンキーチャレンジも、ボーカル・ギターのチャレンジオノマックもタラコチャレンジも、全員バンドをやっていて、前やっていたバンドのときに知り合ったミュージシャンたちなんですよ。対バンとかよくしてた人達で。“沢田が新しいことするなら手伝ってやるよ”って集まって来てくれたんです。沢田の夢を叶えるために始まったのが、ザ・チャレンジというわけなんです。沢田がロックを通してやりたかったことを実現させるプロジェクトという感じですね。中でも、メジャーデビューは大きな目標だったので、今回メジャーデビューすることになったのは、念願であり、大きなチャレンジの第一歩でもあるんです!具体的に夢を歌って、それをお客さんと一緒に叶えていくというのが、ザ・チャレンジなんです。
EMTG:なるほど(笑)。ザ・チャレンジがやっていきたい音楽の方向性というのは? デビューミニアルバム『スター誕生』を聴かせていただいた印象として、1つのジャンルにこだわっている音楽性では無いように感じたし、ロックではあるけど、自分達の思想や理不尽さを吐き出すような歌詞では無いなと思ったんです。ここ最近のロックシーンにはあまり無かった毛色と言いますか。ロックを使って楽しませるエンタテイメントを感じたというか。
沢田:そうなんですよ! “こういう音楽がやりたいね”って集まったというわけではなくて、ロックミュージックを通していろんなことを叶えていきたいというのが目的で。だから、メンバーそれぞれの趣向性も違うし。でも、ザ・チャレンジでやるとしたら、こういう音楽やりたいよね、っていうのはあるから、それをやっているっていう感じなんです。例えばベースのヤンキーチャレンジなんかは、相当ダンスミュージックの方に寄っていて、今現在もクラブでDJをやってるんですよ。
EMTG:だからか。ベース、かなりアタック利いてますもんね。
沢田:あははは。そうなんですよ(笑)。みんなそれぞれバックグラウンドが違うという。僕がみんなと被っていないところで言うと、渋谷系と言われているような、邦楽の90年代から2000年前半に外資レコード屋さんで流行ってた音楽に傾倒していたことがあったりとかするんで、そういうところのエッセンスは自分から出てるところだと思いますね。
EMTG:なるほどです。それぞれにいろんなバックグラウンドがあって、それぞれが音楽を探究していてスキルがあるからこその遊びを感じたので。
沢田:ありがとうございます。そうなんですよね。それぞれが違う音楽を好きだったからこそ、ザ・チャレンジの音が出来てるんだと思うんです。沢田なんて、2000年代の音楽にまったく影響されていないので、沢田が作る音楽ってちょっと懐かしさがあると思うんですよ。大人の方には懐かしくもあり、若者には新鮮なんでしょうね。だからか、ザ・チャレンジのお客さんって、親子連れが多いんです。それがすごく嬉しいんですよね。今、ロックでそれが出来てるところって少ないんじゃないかなって思うので。
EMTG:たしかに。昭和の歌謡曲のテイストもかなり色濃く感じましたしね。ところどころに、クスッと笑っちゃうような引用があったりとかしますし。“なんてったってアイドル”とか“ラブストーリーは突然に”とか、ちょいちょいね(笑)。
沢田:あははは。そうなんですよ! この前もね、テレビ局のプロデューサーの50歳手前の年配の方に、“沢田くん、君、昭和のすごく古い歌謡曲まで掘り下げて聴いてるでしょ”って言われたんですけど、そのとおりで。僕、実は中学生の頃、そのあたりがすごく好きで掘ってましたし、フォークもすごく好きだったんですよ! だから、そういうのもネタとしては入ってるんで、世代によってはそこにハマってくれたりもしているんです。植木等さんの「スーダラ節」まで入っていたりしますからね(笑)。やっぱり年配の方はそういうところに引っかかってくれるみたいで。
EMTG:私も昭和テイストは色濃く感じましたね。ま、沢田さんいわく、そこにひっかかるのは“年配”みたいですが(笑)。
沢田:え!? あ、失礼しました(笑)! いやいやいやいやいや(汗)。
EMTG:あははは。でも、ロックを親子で楽しめるってなかなか少ないですもんね。
沢田:そうなんですよ! なんか、【ロック=ティーンの音楽】ってとこありますもんね。でも、ザ・チャレンジが目指したいところは、親子が一緒に楽しめるロックなんですよ。僕たち、サングラスのフレームの色がメンバーカラーになっているんですけど、最近、お母さんと一緒に来てくれてる小学生のファンの子たちが、“私、青からピンクに推し変したんだぁ?”って話してくれてたりするんですよ(笑)。それが超可愛いなぁと思ってて。そういうの聞くと、ザ・チャレンジって良いバンドだなぁって思うんです。
EMTG:そういうのいいですよね。純粋に音とライヴの空気を楽しめてるってことですもんね。小学生は、“うん、このあたりは80年代のロックを引用してるね”って感じでは聴いてないですから。
沢田:そうそうそう(笑)。CDが売れないと言われている今、アーティストが、より自分達の音楽をコアなモノにして表現の方に偏らせている気がしているんです。もちろん、それはすごく素晴しいことだなと僕は思っているんですが、でもそれをやるんだったら、ザ・チャレンジじゃなくてもいいのかな? って思うんです。ザ・チャレンジというのは、普段ロックを聴かない人達にロックの面白さを伝えるバンドでありたいなと思うんです。なので、敢えてIQは低くしておこうかなと(笑)。馬鹿なふりして、“こんにちはぁ?”って寄っていく感じのがいいかなって思ってるんです(笑)。
EMTG:まさにサーカスのピエロですね。
沢田:あははは。そうですそうです(笑)。
EMTG:でもピエロって、一番の実力者じゃないと出来ない役だと思いますからね。コケ方もちゃんと解っててコケてる。実力があるからこそ、人に笑われることを率先して出来るんですよね。虚勢を張る必要がないから。まさに、ザ・チャレンジはその位置にあるバンドだなって思ったんです。
沢田:ありがとうございます! そう言っていただけると嬉しいです! これはね、人生2週目だから出来ることだと思うんですよね(笑)。肩の力を抜いて楽しいことが追求出来てるといいますか。でもですね、ライヴだと沢田、いっぱい躍ったりするんで誤解されやすくて(笑)、そういう方ばっかりがフィーチャーされちゃって、インタビューとかでも音楽性の話とかしてもらえないことが多くて(笑)。今日は音楽的な話をさせてもらえてるので、すごく嬉しいです(笑)。
EMTG:いやいや、音には相当なこだわりを感じましたよ。プレイを取ってみても、バンド感はさすがのスキルだし、間奏部分とかでは、かなりスキル押しなところを感じましたからね(笑)。サウンドを聴いてまず、日本のベイ・シティ・ローラーズだなぁって思ったし、全員の名前にチャレンジが付けてあるところにも、コアな音楽好きだなってのは伺い知れましたし。あそこはまさに、ラモーンズですよね(笑)?
沢田:あははは。まさにそうです! ラモーンズです! それに、アルバム曲の「花金ダンス」なんかは、まさにベイ・シティ・ローラーズです! サタデー・ナイトな雰囲気を落とし込めたらなと思って作った曲でもありましたからね!
EMTG:なるほどね。でも昔の歌謡曲って、かなりロックでしたよね。必ず歌番組では生バンドが演奏してましたし。
沢田:そうなんですよ! そこをロックに落とし込むことを、今の時代にやったら面白いんじゃないかなってとこなんです。僕ね、楽しいのが正義なのかなって思うんです。沢田自身、昔、ユニコーンさんとかウルフルズさんとかを見て、“ロックって楽しくていいんだ!”って思ったので、そんなところを、今の時代でもやっていけたらなって思うんです。
EMTG:シャ乱Qとかもね。まさに、あの時代のロックバンドは個性的でカッコ良かったですよね。
沢田:そうなんです。「LOVEってる」はシャ乱Qにも近いと思いますね。ちょっと夜の臭いのするロックというか、歌謡曲というか。場末感のあるロックなんじゃないかなと思いますね。ウルフルズさんとかシャ乱Qさんとかの、あの大阪のノリって本当にズルい! って思いますもんね(笑)。でも、沢田は東京出身なのもあり、振り切ってるとは言われながらも、やっぱちょっとどこかに恥じらいがあり、シティボーイであるところは捨てられないので(笑)、さっき言ってもらった間奏部分とかでは、ついついシュッとしたとこを見せちゃったりもするんですよ(笑)。そんなところのギャップもライヴでは楽しんでもらっているんじゃないかな? って思っていたりします。ザ・チャレンジは、ライヴが楽しいっていう評判で入って来てくれる方たちが多いんですけど、CDからも楽しいことやってるって伝わりました?
EMTG:充分伝わってきましたよ。トリプルボーカルというところも楽しさをより駆り立てられましたしね。
沢田:おぉ~。なら良かった。トリプルボーカルもザ・チャレンジの武器でもあると思っていますからね。ザ・チャレンジは、自らがディズニーランドになれるような、いろんなテーマを持った国の集まるアミューズメント・ロックバンドを目指しておりますので、是非是非、ご家族、カップル、お友達をお誘いの上、ご一緒に楽しんでいただけたらと思います!

【取材・文:武市尚子】

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ビデオコメント

リリース情報

スター誕生(初回生産限定盤)

スター誕生(初回生産限定盤)

2015年04月22日

ユニバーサル ミュージック

01. 僕はアイドル 
02. キラキラ(star tanjo mix)
03. お願いミュージック ~メジャーバージョン~
04. LOVEってる
05. マイガール(star tanjo mix)
06. 君と◯◯
07. 会いたい 会いたい ちょー会いたい ~メジャーバージョン~
08. 花金ダンス

[ボーナス・トラック]
お願いミュージック(沢田チャレンジの歌唱&ダンス指導 ver.)
マイガール(独唱)
キラキラ (スーパーマーケットBGM remix)

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お知らせ

■ライブ情報

ザ・チャレンジ メジャーデビュー記念ワンマンライブ 「ブリッツチャレンジ ~スター登場!」
2015/06/06(土)赤坂BLITZ

ミソフェス2015
2015/05/04(月・祝)E.L.L. / ell.FITS ALL / ell.SIZE

VIVA LA ROCK 2015
2015/05/05(火・祝)さいたまスーパーアリーナ

RUSH BALL☆R
2015/05/09(土)大阪城音楽堂

YATSUI FESTIVAL! 2015
2015/06/21(日)TSUTAYA O-EAST / TSUTAYA O-WEST / TSUTAYA O-nest / TSUTAYA O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / 7th FLOOR / club asia / VUENOS / GLAD / SOUND MUSEUM VISION

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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